東京交響楽団 第111回新潟定期演奏会
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2018年12月2日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:飯守泰次郎
チェロ:ウェンシン・ヤン
コンサートマスター:水谷 晃
 


 
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 op.129

(ソリストアンコール)
  J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番より 1.プレリュード
  J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番より 4.サラバンド

(休憩20分)

ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第一幕への前奏曲

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から 前奏曲と愛の死

ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲

(アンコール)
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より 第三幕への前奏曲

 先月に引き続いて4週間ぶりの東響新潟定期です。りゅーとぴあ改修工事の影響で日程を調整するのも大変なことと思います。
 先回は音楽監督のノットさんと渾身の演奏を聴かせてくれましたが、今回は新潟初登場の飯守泰次郎さんです。前半のヤンさんとのチェロ協奏曲も楽しみですが、後半のワーグナーが注目されます。日本人指揮者でワーグナーといえば飯守さんですものねえ・・。さて、どんな演奏を聴かせてくれるか期待は高まりました。

 さて、東響新潟定期は、通常前日にサントリーやオペラシティで演奏したプログラムが基本なのですが、今回は新潟独自のプログラムであり、先月上京してオペラシティで聴いたときに、今日の新潟定期のチラシも配られていました。
 東響は昨日はサントリーホールでの「こども定期演奏会 第68回」でしたので、今日は全く違う演目です。リハはいつしたんでしょうか。違う指揮者で違う演目を違う場所で連日演奏するプロオケってすごいですね。ちなみに昨日の指揮者は「いいもり」違いで飯森範親さんでした。偶然なんでしょうが、面白いですね。

 ロビーコンサートが終わったあと、某所で昼食をとってひと休みし、再びりゅーとぴあに戻りました。既に開場されており、私も入場してこの原稿を書き始めました。注目すべき演目で、満席になるかと期待しましたが、いつもの入りでしょうか。

 拍手の中に団員が入場。全員揃うまで起立して待つ新潟定期方式です。サントリー定期やオペラシティシリーズではこうではありませんので、新潟は特別だということは頭の隅に入れておいて良いかと思います。
 オケは14型で、配置は、ヴァイオリンが左、チェロとヴィオラ、コントラバスが右の通常の配置です。今日のコンマスは水谷さん。次席は田尻さんです。

 ロビコンで楽しませていただいたヤンさんと飯守さんが登場して、シューマンのチェロ協奏曲です。悠然としたオケに載せて、ヤンさんのチェロが音量豊かに、朗々と響き渡りました。大編成のオケに臆することなく自分の音楽を奏で、真摯な演奏でダイレクトに迫ってきました。アンコールに演奏したバッハも素晴らしく、心打たれる音楽に癒されました。ヤンさんの人柄の良さがうかがえるように思いました。

 後半はワーグナーです。足取りが不安定そうな飯守さんですが、創り出される音楽は力強く重厚であり、これぞワーグナーというようなパワーを感じさせました。ワーグナーのオペラは観たことがありませんが、楽劇の世界へ引き込まれました。「タンホイザー」での水谷さんと田尻さんの二重奏もきれいであり、各パートとも見事なパフォーマンスを発揮していました。
 アンコールの「ローエングリン」も最高でした。重厚さに生き生きとした輝きが加わり、テンポも速めで、快演と言っても良いでしょう。

 もっともっと聴きたいところでしたが、終演となりました。超有名曲ですが、東響定期の演目に上がる機会はなく、まとめて聴けて良かったです。ワーグナーのスペシャリストの飯守さんの演奏もすばらしく、これまでにない盛り上がりの中に終演となりました。記憶に残る定期になり、大きな満足感を胸に家路に着きました。

 

(客席:2階C*-*、S席:定期会員)