スロヴァキア国立放送交響楽団 《三大交響曲》
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2018年6月26日(火) 19:00  新潟県民会館 大ホール
 
指揮:マリオ・コシック
 


シューベルト:交響曲第7番「未完成」

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」

(休憩20分)

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

(アンコール)
ドヴォルザーク:スラブ舞曲 第1集 Op.46 第4番





 

 スロヴァキア国立放送交響楽団は他会場ではフジコさんとか大谷康子さんとかと共演していますが、その合間の新潟は、三大交響曲ということで、「運命」、「未完成」、「新世界より」が演奏されます。
 一晩で3曲聴けるというのはお得ですが、平日の開催は大変です。後先考えぬままネット購入してしまったのですが、後の祭り。無駄にしないよう調整したのですが、今日は遠くまで出張があり、大急ぎで駆けつけることになりました。
 東欧のオケといえば「新世界より」であり、今回の日本ツアーのメインになっています。曲目に新鮮味はなく、無理をしてまで聴くこともないのですが、勢いで買ってしまって後悔した次第です。良くあることではありますが・・。

 なお、現在日本にはスロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団も公演中であり、スロヴァキアの首都・ブラチスラヴァのオケが二つ同時に日本公演をしているというのはすごいですね。さらには、隣のチェコのプラハ放送交響楽団も公演中で、「新世界より」がメインというプログラムは共通しています。それだけ日本市場での需要があるということなんでしょうけれど、全く同じ時期というのは大したものですね。

 さて、スロヴァキア・フィルは随分前に聴いたことがありましたが、このオケを聴くのは初めてです。もちろん指揮者のマリオ・コシックも初めてです。国際的にも名声が高いそうですが、私は存じ上げません。どんな演奏を聴かせてくれるか期待して待ちました。

 開演15分前に入場。受付で渡されたのはチラシの束とアンケートの紙のみ。曲目の紙の1枚ぐらい配ってもいいんじゃないかと思うのですけれど。

 オケは11-9-7-6-4と小型で、非常に小さな指揮台があるのみで、指揮者用の譜面台はありません。名曲中の名曲ですので、当然暗譜ということなどでしょう。

 1曲目は、シューベルトの「未完成」です。この曲は、超有名な割には演奏を聴く機会は意外に少なく、最近では2015年9月の大阪フィル新潟特別演奏会で聴いたくらいです。ちなみに、そのときも今日と同じ交響曲の3本立てでした。
 さそうあきらの名作「マエストロ」(映画化もされ、2度観に行きました)で「運命」とともに「未完成」が取り上げられており、第2楽章での“オクターブ跳躍”など、ちょっと思い入れがあります。
 冒頭の地を這うような低弦の序奏から演奏に引き込まれました。ゆったりと歌わせて、流麗な音楽に身を委ねました。例の第2楽章の“跳躍”も美しく、天に昇るかのような極上な音楽に心が洗われました。

 続いては、「運命」 です。第1楽章は猛スピードで飛ばしました。これほど速い演奏も珍しいのではないでしょうか。スピード無制限のアウトバーンをスポーツカーで疾走するような爽快感を感じました。
 第2楽章以降は少しだけスピードダウンして、ちょっと速め程度の演奏になりました。小型ながらもオケの鳴りっぷりが良く、音量も十分です。管も弦も素晴らしく、小型オケの良さを遺憾なく発揮し、スピード感、躍動感溢れる快演だったと思います。

 休憩後の後半は十八番の「新世界より」です。これはもう言うことはありません。オケが小型過ぎるのではないかと危惧したのですが、全くの杞憂であり、ダイナミックな演奏に感動しました。第2楽章のコールアングレもお見事でした。

 アンコールにスラブ舞曲を演奏して終演となりました。教育委員会推薦というような、これ以上ないような名曲コンサートでしたが、名曲は何度聴いても素晴らしいですね。聴くたびに新たな発見があり、新たな感動があります。
 一晩で三大交響曲を一気に聴くというお得なコンサートでしたが、演奏の内容も素晴らしくて良かったです。こういうコンサートでクラシックファンが増えてくれることを祈ります。
  

(客席:2階6-30、 A席:会員割引:¥6300)