アート・ミックス・ジャパン 第2日
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2018年4月15日(日)  新潟市民芸術文化会館
 
 

13:35 新潟クラシック夢の共演 (クラシック音楽)
     奥村 愛
     弦楽オーケストラ
     ヴァイオリン:加藤礼子、阿部智子、高橋百合、奥村和雄、小島健弘、
            原山美香、白井 元、廣川抄子、松村牧子
     ヴィオラ:佐々木友子、井口歩、片倉多惠
     チェロ:片野大輔、星野由美、渋谷陽子
     コントラバス:別森 麗   ピアノ:小林浩子

     エルガー:愛の挨拶
     ヘス:ラベンダーの咲く庭で
     モーツァルト:ディヴェルティメント K.136
     石山響一郎:()
     ガーデ:ジェラシー
     ジプシーメドレー(チャールダッシュ〜ひばり〜ツィゴイネルワイゼン)


14:50 史佳 Fumiyoshi (津軽三味線)
     更家健吾(三味線)、Rica(パーカション)、
     庄司 愛(ヴァイオリン)、加藤亮介(キーボード)

     津軽・・ (独奏)
     軽じょんから節
     空の彼方
     神風
     朱鷺 (にいがた総踊り共演)


16:05 五街道雲助 (落語)
     演目:中村仲蔵


17:25 太鼓芸能集団 鼓童 (和太鼓)
     花の寿ぎ
     シェイク
     巴
     仁義の太鼓
     篠笛独奏
     大太鼓独奏
     屋台囃子
     フィナーレ    
    (曲名は聴き取ったもので正確ではありません)
     

 昨日同様に、今日も冷たい風が吹き荒れて、肌寒い日曜日になりました。凹んでしまうこともあり、心も暗く、出かける気分でもなかったのですが、思いきって出かけました。

 せっかくのイベントなのですが、天は味方せず、寒風吹く中に野外ステージでの公演が行われていました。出演の皆さんも、観る方も大変ですが、かろうじて雨が降らないだけ良しというところでしょうか。

 今日も午前から多彩な公演が行われていますが、午後から参加させていただきました。まずはコンサートホールでの「新潟クラシック夢の共演」です。
 今年の新潟はラ・フォル・ジュルネがなくなりましたので、AMJの方で気を効かして、クラシック・プログラムも混ぜてくれました。出演は、お馴染みの奥村愛さんと新潟の音楽家による弦楽オーケストラとの共演です。オケのメンバーを見ますと、まさに新潟のオールスターであり、“夢の共演”というのがぴったりに思えます。当然チケット完売の大盛況かと思いましたが、予想は外れて、それなりにという感じでした。

 それはさておき、開演時間となり、色とりどりのドレスのストリングス・メンバーとピアノの小林さん、そしてブルーのドレスの奥村愛さんが登場しました。弦5部の編成は5-4-3-3-1で、コンミスは加藤さんです。

 まずは挨拶代わりに「愛の挨拶」で演奏開始。柔らかなメロディにうっとりしました。続いて小林さんが退場して、弦楽だけで「ラベンダーの咲く庭で」。奥村さんの独奏と弦楽アンサンブルが絶妙に絡み合い、極上のアンサンブルに魅了されました。
 続いて奥村さんも第1ヴァイオリンの末席に着いて、モーツァルトのディヴェルティメント。これはもう最高と言うしかありません。新潟の音楽家によってこんなにも高水準で美しいアンサンブルが聴けるなんて。驚きと感動に言葉を失いそうでした。
 次は、ピアノが加わり、新潟出身の作曲家の石山響一郎氏による新曲の初演が作曲者自身の指揮でなされました。因みに、石山さんは新潟の音楽界を支える経麻朗さんのご子息とのことです。たいしたもんですね。曲名は「():かっこ」といい、いろんな国の音楽文化をまとめたものと作曲者自身が話されていましたが、ドラマチックな美しい曲でした。
 再び奥村さんがソロをとり、タンゴの名曲の「ジェラシー」をムーディに演奏し、「ジプシー・メドレー」で盛り上げ、アンコールに「マイ・フェイバリット・シングズ」を演奏して終演となりました。

 新潟の音楽家による極上の音楽に感動し、満足感でいっぱいになりました。これを聴けただけでも来た甲斐があったと思えました。


 次は劇場に移動して、史佳さんの公演です。多彩な活動と根強い人気の史佳さんですので、ホールは満席。劇場は熱気に溢れていました。
 
 まずは史佳さんの独奏で開演しました。さすがに聴かせますね。続いて共演の更家さんと、Ricaさんが加わっての「じょんから節」。カホンのリズムにのせて、古典的定番曲に新たな魅力を生んでいました。
 続いてキーボードの加藤さんとヴァイオリンの庄司さんが加わって、オリジナル曲が演奏されました。ノリノリのリズムに庄司さんのヴァイオリンが上乗し、興奮の音楽を作り出していました。庄司さんは昨日の越乃さんの公演にも出演していたはずであり、ご苦労様でした。
 最後の朱鷺ではにいがた総踊りも加わって、興奮の中に終演となりました。会場はアンコールの拍手が続きましたが、そのまま終わってしまったのは残念でした。


 次は能楽堂に移動して落語です。日頃生では聴く機会がありませんが、熟練の話芸に聴き入りました。まさに芸術というべきであり、落語の魅力を知らしめてくれました。

 
 最後は劇場に移動して、鼓童です。開演までの間、劇場のロビーでは小山豊さんと小山会青年部の津軽三味線の演奏が行われ、間近に聴く三味線の妙技に感嘆し、抜群のテクニックに息を呑みました。

 さて、鼓童は、日本のみならず、世界で活躍する太鼓芸能集団であり、AMJ登場は4年ぶりだそうです。今回は20代から60代まで、各年代の選抜メンバー8人(最高齢は67歳の藤本さん)の出演です。当然ながらホールは満席です。

 意表をついて歌で開演しました。しっとりとした女声の歌声、これに男声がからみあって、情感豊かに春の喜びを歌い上げました。
 以後は太鼓の饗宴が続き、有無を言わせぬ迫力に身を委ねるばかりでした。太鼓を叩きながらの歌の後に挨拶があり、後半は、篠笛のしっとりとした音色に酔った後、大太鼓の乱れ打ちに魂を揺さぶられ、定番の屋台囃子で鼓童の素晴らしさを知らしめてくれました。乱れることなく刻み続ける小太鼓のリズム、腹筋しながらの中太鼓の三重奏。さすがです。
 拍手に応えてフィナーレは出演メンバー8人全員登場して盛り上げて、熱狂と興奮のステージは終わりました。芸術性を感じさせるステージは、これぞ鼓童という感じでした。

 このあと、先ほどロビーコンサートで演奏を聴かせてくれた小山豊さんと小山会青年部によるAMJ最終公演が能楽堂で開催されますが、私の予定はここで終わりです。

 昨日聴けなかった公演があったのは残念でしたが、昨日・今日と、盛りだくさんな公演を楽しむことができました。会場には外国人の姿も数多く、新潟のみならず、日本のAMJ、世界のAMJとして発展を続けているのは素晴らしいことと思います。主催者の頑張りに敬意を表したいと思います。

 いろいろ暗い気持ちで臨んだのですが、素晴らしい演奏に接し、元気をいただき、明るい気分で家路に着きました。

 ラ・フォル・ジュルネはなくなりましたが、新潟にはAMJがあります。今後の発展を祈念したいと思います。
 

(客席:コンサートホール:2階C2-11、¥2500)
(客席:劇場:1階8-23、セット券:¥1800)
(客席:能楽堂:中正面4-12、セット券:¥2400)
(客席:劇場2階15-24、セット券:¥3000)