今日は春分の日ですが、寒風が吹き荒れて肌寒く、あいにくの天候になりました。関東甲信では雪模様とのことで、新潟は雪にならないだけありがたいというべきでしょう。早めに昼食を摂り、両親と兄の墓参りをして、りゅーとぴあへと向かいました。
今日は久し振りのオルガン・コンサートです。りゅーとぴあのパイプオルガンは、この冬に20年目のオーバーホールが行われ、今日がお披露目公演ということになります。
開場まで少し時間がありましたので、ロビーでボーッとしていましたら、いつの間にか開場待ちの列が長く伸びて、東ロビーの出入口まで達しており、あわてて私も列に並びました。いつものオルガンリサイタルのつもりで、のんびりしていましたが、間違いだったようです。祝日の15時という時間もちょうど良く、行きやすかったのではないでしょうか。賑わってくれて何よりです。
ということで、私のオルガンのときの定席である3階Jブロックに席を取りました。今日はCD録音するとのことで、Pブロックと1階の前5列の椅子が全て取り払われていました。ステージ上にはスクリーンが設置され、曲目と解説が写し出されるようになっていました。
今日のプログラムは、「16世紀のオルガン音楽からバッハ誕生・ワイマール時代まで」という副題が付けられており、立ち遅れていたドイツのオルガン音楽に影響を与えた16世紀イタリア、ネーデルランドのオルガン音楽や、スペインのオルガン音楽、そして各国の伝統と文化を融合して発展したドイツのオルガン音楽、それらの集大成としてのバッハの作品を紹介しようというものです。
時間となり、フローベルガーて開演しました。新しく生まれ変わったオルガンですが、音のクリアさと耀きが増して、ベールを1枚剥いだかのような感じがしました。椅子が取り払われたためか、ホールの残響も通常よりさらに豊かで、オルガンを聴くにふさわしく、大聖堂にいるかのようでした。山本さんの演奏もこれまでになく情熱的で、クリアなサウンドと残響が相まって、濁りのない豊潤な音楽をつくりだしていました。
若きバッハに影響を与えた音楽家のフローベルガー、フレスコバルディ、スヴェーリンク、ベーム、ブクステフーデの5曲演奏して山本さんは一旦退場し、その後はいよいよバッハです。
「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」をしっとりと、心に染みるように演奏し、前半最後は、最も有名なオルガン曲と言ってよい「トッカータとフーガ
ニ短調」でしめました。パワー溢れ、早めにグイグイと駆け抜け、お馴染みのこの曲から新鮮な感動を生んでいました。
後半最初は、水平トランペットが活躍したり、高音と低音で異なるストップを使用するスペインのオルガンならではの曲を2曲演奏し、りゅーとぴあが誇るグレンツィング・オルガンの素晴らしさを知らしめてくれました。
その後は再びバッハに戻り、お馴染みの「小フーガ ト短調」を美しい響きで演奏し、「幻想曲」では低音ぺダルのメロディの上に絢爛たるサウンドが上乗し、華やかな響きを作っていました。
フランスのレゾンの短い曲を演奏し、最後はそのレゾンの曲のメロディを元に作られた「パッサカリア」を激しく情熱的に演奏し、大きな感動を与えてくれました。
アンコールをしっとりと演奏して終演となりましたが、りゅーとぴあの誇る大オルガンの素晴らしさ、それを自在に演奏する山本さんの素晴らしさを再認識しました。
新潟にこのようなオルガンがあり、オルガニストがいることは誇るべきことであり、ジワジワと高鳴る感動を胸に家路に着きました。
(客席:3階J2-14、会員割引¥1800) |