第7回新潟クラシックストリート
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2017年5月5日(金) 新潟市内各所
 
 
12:00 新潟中央高校コーラス部  (音楽文化会館ホール)
        信長貴富:だんす
        リムスキー=コルサコフ:雨雲
        バドガイツ:秋
        信長貴富:月色の羽音
        崖の上のポニョ
        アナと雪の女王より
        ヘイル・ホーリー・クイーン

12:30 横田聡子、坂井加納(音楽文化会館練習室13)
        成田為三:浜辺の歌
        ヘンデル:私を泣かせてください
        モーツァルト:トルコ行進曲
        ショパン:革命
        木下牧子:さびしいカシの木
        ドニゼッティ:シャモニーのリンダ より この心の光
        (アンコール)滝廉太郎:花

13:30 高橋萌香、平片佑季 (りゅーとぴあスタジオA)
        モーツァルト:デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲(高橋)
        ショパン:英雄ポロネーズ(平片)
        ドビュッシー:小組曲より 小舟にて、バレエ (連弾)

14:30 オペラデュオ フェリーチェ (音楽文化会館練習室10)
      ソプラノ:KEIKO、テノール:SOSHI、ピアノ:吉崎ちはる
        ヴェルディ:椿姫 より 乾杯の歌(デュエット)
        ヴェルディ:十字軍のロンバルディア人 より
                私の喜びを彼女の美しい心の中に浸したい(SOSHI)
        グノー:ロミオトジュリエット より 私は夢に生きたい(KEIKO)
        デンツァ:フニクリフニクラ(SOSHI)
        J.シュトラウスII:春の声(KEIKO)
        クルティス:忘れな草(デュエット)

15:00 アンサンブル フィーデル (音楽文化会館ホール)
        J.シュトラウスII:美しき青きドナウ
        ヴィヴァルディ:四季 より 春、秋 (独奏:高橋百合)

15:30 大滝里美、佐藤桂子 (音楽文化会館練習室13)
        フレスコバルディ:そよ風吹けば
        チェスティ:歌劇オロンディア より
        J.S.バッハ:フランス組曲第5番より (チェンバロ独奏)
        ガスパリーニ:カンターテ

16:30 浅利守宏、手島尚子、浅香みのり (りゅーとぴあスタジオA)
        グリーグ:ペールギュントの音楽より
          朝のすがすがしさ〜オーゼの死〜アニトラの踊り〜
          イングリッドの嘆きからソールベーグの歌〜アラビアの踊り

17:30 アンサンブル マルー (燕喜館)
        トマス・アーン:緑の木陰で
        テレマン:トリオソナタ イ短調 第1&第4楽章
        アリアス・ゴイヤー編:「タイタニック」のテーマ&アメイジング・ゲレイス
        リムスキー=コルサコフ:熊ん蜂の飛行
        ヴィヴァルディ:エルディーラの麗しい面影から
        (アンコール)2曲
 GW後半は天候に恵まれ、行楽地は賑わっていることでしょう。遠出するのも良いですが、新潟の音楽文化を楽しむのも有意義だと思います。

 ということで、毎年恒例の新潟クラシックストリートに今年も参加しました。長い歴史を誇る新潟ジャズストリートのノウハウに習って、ラ・フォル・ジュルネ新潟の関連イベントとして始まり、今年で第7回となります。もちろん私は、2011年の第1回から参加させていただいております。

 今年は市内27ヶ所で、全部で129公演が行われます。毎年のことですが、どの公演を、どういう順に回るか思案するのが難題であり、楽しみでもあります。同時刻に多数の公演が各所で同時開催されますので、おのずと聴ける公演は限られてしまいます。

 本来なら飲食店で飲み物や食事でもいただきながら音楽を楽しむのがベターと思うのですが、足腰を痛めて歩き回るのがつらいですので、歩かないですむ上記の公演を聴くことにしました。

 まずは、新潟中央高校コーラス部です。毎回聴かせていただき感動してますので、今年も聴くことにしました。
 前半の4曲は、2・3年生だけで無伴奏で歌われましたが、先日のLFJ新潟の交流ステージでの演目と同じでした。
 ロシアの2曲は原語で、日本語訳を朗読した後に歌われました。先回同様に、美しく澄み切った歌声に心が洗われるようでした。特に“月色の羽音”は鳥の鳴き声を模したりもあり、聴き応え十分でした。
 そして1年生も加わって、全員で3曲を振り付きで、明るく楽しく歌いました。最後の“Hail Holy Queen”は毎年楽しみなのですが、いいですねえ・・。

 続いてはソプラノの横田聡子さんとピアノの坂井加納さんの公演です。ホールから練習室13に急ぎましたが、“浜辺の歌”が始まっていました。続いてオリジナル・ヴァージョンでの演奏という“私を泣かせてください”のしっとりとした歌声に酔いました。
 続いて坂井さんのピアノ独奏が2曲ありました。決して狭くはない練習室ですが、坂井さんのパワフルな演奏に圧倒されました。もっと大きなホールで、フルコンサートピアノで聴いてみたいですね。
 その後はやなせたかしの詩による“さびしいカシの木”に涙し、“この心の光”で終演時間となりましたが、拍手に応えてアンコールを演奏して終わりとなりました。
 歌もピアノも良かったですが、このお二人のデュオリサイタルが、5月26日に、りゅーとぴあスタジオAで開催されます。是非聴きにいきたいのですが、仕事があって行けないのが確定しており、残念です。

 ここで某所で大急ぎで昼食を摂りました。りゅーとぴあ周辺の木々は緑鮮やかで、青空をバックに輝いていました。春風も気持ちよく、心もウキウキです。

 今度はスタジオAでのピアノの高橋萌香さん、平片佑季さんのデュオコンサートです。二人は新潟大学の大学院生ですが、大学1年生から一緒に勉強していたそうです。
 高橋さんといえば、昨年の第51回新潟県音楽コンクールで大賞を受賞し、先日のLFJ新潟のマスタークラスで、エル=バシャに指導を受けておられました。二人はドレスの色も髪型も合わせたとのことで、高橋さんはピンク、平片さんは朱鷺色のドレスでした。
 最初は高橋さんがモーツァルトを演奏。さすがに大賞受賞者だけあって、各変奏のメリハリをつけながらの軽やかな調べが心地良かったです。
 続いて大学院でポロネーズの研究をしているという平片さんが、ポロネーズについての解説をした後、英雄ポロネーズを演奏しました。ちょっと緊張されていたようですが、パワフルに弾ききりました。
 最後は連弾でドビュッシーの小組曲からの2曲です。連弾は初めてだそうですが、そんなことは感じさせない美しい調べに聴き入りました。

 次は、練習室10に移動して、オペラデュオ・フェリーチェです。私は早めに入場しましたが、開演時間には立ち見が多数出るほどの大盛況となりました。さすが人気デュオですね。12時からはお子さんも交えて、笠原ファミリーとしての公演もしておられ、今度はオペラデュオとしての公演です。
 SOSHIさんの楽しいMCによって歌われた歌はいうまでもなく素晴らしく、オペラの世界へと誘われました。時間が足りず割愛された演目があったのは残念であり、もっとゆっくりと、たっぷり聴きたくなりました。

 続いては、ホールに上がって、アンサンブル・フィーデルです。お世話になっているK先生が出演されるため、この公演だけは外せません。このアンサンブルは、ヴァイオリニストの高橋百合さんをリーダーとして、西区で活動している弦楽アンサンブルですが、ピアノの重鎮である村山和子さんも加わって、アンサンブルを下から支え、音の厚みを補っています。
 最初の“美しき青きドナウ”は、途中からとなりましたが、弦楽アンサンブルの美しい調べは、年を追うごとにレベルアップしていることが感じ取られました。
 次の高橋百合さんの独奏によるヴィヴァルディの四季は素晴らしかったです。村山さんはチェンバロ代わりに電子ピアノで演奏しました。
 これまで高橋さんの演奏は何度か聴く機会はありましたが、このような協奏曲を聴くのは初めてでした。独奏しながら、バックのアンサンブルを牽引し、聴き映えのする高水準な音楽を作り出していました。独奏もアンサンブルも素晴らしく、感動を与えていただきました。
 
 次は練習室13に急いで、大滝里美さん、佐藤桂子さんの公演です。縦長の練習室を横長に使用して、サロンコンサート的な雰囲気を作っていました。
 当初は佐藤さんはピアノの予定でしたが、チェンバロが使用できることになり、チェンバロでの演奏となりました。大滝さんの歌声は優しく、バロック時代のオペラを楽しく聴かせていただきました。佐藤さんは独奏でフランス組曲も演奏してくれて、優雅な時間を過ごすことができました。お二人の演奏を聴くのは初めてでしたが、素晴らしい歌声とチェンバロ演奏に感動しました。

 続いては、スタジオAに移動して、浅利守宏さん、手島尚子さん、浅香みのりさんの公演です。三人とも多彩な活動をされている実力者ですので、聴く前から良いコンサートになることは確信できました。入場したときはリハの真っ最中で、熱い演奏が行われていました。
 開演時間となり、着替えをして三人が登場。手島さんはブルーのドレス、浅香さんは濃紺のドレスです。浅利さんはピッコロ持ち替えで高音部、手島さんは低音部を担当されていました。
 演奏はいうまでもなく素晴らしく、ペールギュントの世界を、オーケストラさながらに、色彩感豊かに表現していました。浅香さんのピアノは力強く、凄みすら感じました。
 手島さんは相変わらずの美貌で、ブルーのドレスが麗しく、視覚的にも楽しませていただき、見とれてしまいました。

 最後は、燕喜館に移動してアンサンブル・マルーです。ご存知のとおり、リコーダーの丸山先生を中心に活動している古楽アンサンブルです。入場しましたらリハーサルの真っ最中で、しばし聴かせていただきました。その後、メンバーではないチェンバロの笠原さんが入念なチューニングをされていました。
 時間となり、着替えた皆さんが入場。リコーダー:丸山友裕、ソプラノ:風間左智、ガンバ・リュート:白澤亨、ヴァイオリン:井口歩、チェンバロ:飯田万里子という布陣です。
 絶妙なアンサンブルの上に、チャーミングで演技力豊かな風間さんの歌声が踊り、優雅なバロックの世界が繰り広げられました。
 アンコール2曲を加えて、内容豊富な演奏に、満員の広間の聴衆からは大きな拍手が贈られました。さすがに新潟を代表する奏者の皆さんですね。
 ただし残念な情報がありました。チェンバロの飯田さんは、この公演を最後に、演奏活動を休止するそうです。思いはブログに書かれていますが、チャンバロは止めないそうですので、いつの日か、われわれの前に戻ってきてほしいと思います。

 クラシックストリートの公演はまだまだ続きますが、私の予定はこれでおしまいです。どれもが素晴らしいものであり、私の心を癒し、楽しませてくれました。
 演奏してくださった皆様に感謝しますとともに、採算抜きで尽力してくださった関係者の皆様に拍手を贈りたいと思います。ブラボー!