関 敦子 ピアノ・リサイタル
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2016年3月12日(土) 14:00  だいしホール
 
ピアノ:関 敦子
 

モーツァルト:「キラキラ星」変奏曲 KV265

モーツァルト:ピアノソナタ 「トルコ行進曲付き」 KV331

ドビュッシー:ベルガマスク組曲(全4曲)
         1.前奏曲
         2.メヌエット
         3.月の光
         4.パスピエ

(休憩10分)

シューマン:蝶々 Op.2

シューマン:フモレスケ Op.20

(アンコール)
シューベルト:即興曲 Op.90-2

 今朝は起きたら外は真っ白。雪が降り冷え込みも厳しかったです。幸いその後は晴れて、青空が気持ちよい過ごしやすい日になりました。このまま春になると良いですね。

 今日は興味あるコンサートが重なりました。長岡の山宮るり子さんと山本真希さんのコンサートは長距離の遠征ができずに断念。新潟市内では、千住真理子さん、長谷川陽子さん、仲道郁代さんという実力者3人による豪華なコンサートに惹かれましたが、会員制ですので断念。栄長敬子さんにしようかと最後まで悩みましたが、ドイツを中心に活躍されている関さんを選びました。最近秋葉区文化会館や新潟市美術館などでコンサートをされていて、お名前に記憶はあるのですが、まだ演奏を聴いたことがなかったからです。

 開場時間前にホールに着いたのですが、すでに開場されていました。当日券を買って入場。前方左寄りに席を取りました。前方の一角は関係者席が多数設けられていました。プロフィールを見てもどこの出身か書かれていないのですが、新潟市に縁があるようで、いろんなイベントで演奏されておられます。今日も関係の方々が多く来られたようです。

 時間となり、モーツァルトを軽快に演奏して開演しました。演奏は落ち着きがあり、エレガントさを感じさせました。奇をてらうことのない、極上の演奏。若手演奏家には感じられない風格を感じ、一気に音楽世界に引き込まれました。

 モーツァルトでは、いぶし銀の輝きを感じましたが、ドビュッシーでは色彩感豊かで、夢の世界に誘われました。残念だったのは、「月の光」を情感たっぷりに演奏しているときに、近くからいびきが聞こえてきたこと。一瞬怒りがこみ上げましたが、そんな苛立ちを鎮めてくれるような癒しを感じました。

 休憩は10分とアナウンスされましたが、もっと休んだ後に後半が開演しました。後半はシューマンでしたが、これもお見事。アクション少なく淡々と演奏されているのですが、出てくる音楽は生き生きとしており、輝きを感じました。

 客席から花束が贈られ、アンコールはシューベルトの即興曲。軽快に、さらりと、よどみなく演奏し、躍動感と生命感あふれる演奏に息を呑み、終演となりました。

 演奏される姿は派手さはなく、黙々と演奏されて、むしろ地味なのですが、出てくる音楽は、しっかりとした演奏技術に支えられ、音楽性豊かに輝いています。強奏部でも音に濁りはなく、柔らかさと優しさがあり、包み込まれるような安心感を感じます。母のぬくもりを感じさせるような、心にしみる音楽でした。

 いい音楽を聴かせてもらったという満足感を胸にホールを後にしました。外に出ますと快晴の青空。爽やかな気分で家路に着きました。
  

(客席:C-7、当日券:¥3000)