冬の午後のコンサート vol.4
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2015年12月5日(土) 14:00  新潟市民芸術文化会館 スタジオA
 
フルート:明間奈々江、平松文子、本間千鶴子、市橋靖子
ピアノ:斎藤愛子
チェンバロ:笠原恒則
 

オタール:フルート・ソナタ  Fl:平松文子、Pf:斎藤愛子

フランク:ソナタ イ長調  Fl:明間奈々江、Pf:斎藤愛子

ダニエル:プロヴァンス風組曲  Fl:平松文子、明間奈々江

(休憩15分)

J.S.バッハ:フルートとオブリガートチェンバロのためのソナタ 変ホ長調 BWV1031
                  Fl:市橋靖子、chem:笠原恒則

ヴィンチ:ソナタ ニ長調   Fl:本間千鶴子、chem:笠原恒則

フランセ:2羽のオウムのおしゃべり より  Fl:市橋靖子、本間千鶴子(アルト)

(アンコール)
グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲 
      Fl:明間奈々江、市橋靖子、本間千鶴子(バス)、平松文子(アルト)

 フルーティスト4人のコンサートです。今回は4回目ということですが、私は初めてです。今回出演される4人のうち、市橋さんは何度も聴かせていただいておりますが、ほかの3人は、聴いたことがなかったように思います。年齢不詳(失礼)ではありますが、実力者揃いでいらっしゃいます。伴奏者は、隠れファンである斎藤愛子さんと、チェンバロの笠原さんというのも魅力であり、このコンサートを聴かせていただくことにしました。

 今週は天候優れず、今日も大荒れの天候で、市橋さんが佐渡から来れるのか心配しておりましたが、杞憂に終わって良かったです。

 今日は午前中は仕事をして、昼食も食べぬままこのコンサートに臨みました。最前列左手に席を取り、開演を待ちました。客足はどんどん増えて、ほぼ満席の大盛況となりました。

 前半は、平松さん、明間さんがそれぞれソナタを1曲ずつ演奏し、その後2人による二重奏で組曲が演奏されました。斎藤さんの見事なピアノ演奏とあいまって、聴き応え十分な演奏でした。
 平松さんのオタールのソナタは、曲はもちろん作曲者も始めて知ったくらいであり、いきなりの本格的ソナタに圧倒されました。明間さんのフランクのソナタはヴァイオリンでおなじみですので、うっとりと聴き入りました。組曲の二重奏は、いかにも現代曲という感じであり、聴く方も少々疲れました。

 後半は笠原さんのチェンバロとともに、市橋さん、本間さんがソナタを1曲ずつ演奏し、その後フルート二重奏が演奏されました。
 前半と違ってなじみやすい曲であり、ゆったりした気分で聴くことができました。市橋さんのバッハは聴きなじみがありますが、本間さんのヴィンチは曲はもちろん、作曲者も初めて知りました。なかなかチャーミングな曲ですね。最後の二重奏は「2羽のオウムのおしゃべり」という曲名にちなんで、お二人はオウムの被り物をして登場し、会場を和ませました。

 アンコールは4人でのフルート四重奏でした。本間さんがバスフルート、平松さんがアルトフルートで演奏し、見事なテクニックに裏づけされた、すばらしいアンサンブルを聴かせてくれました。

 落ち着いた雰囲気の4人の演奏は、安心感があり、曲に没頭できました。皆さんの演奏技術に驚き、新潟のフルート界の層の厚さに感嘆しました。

 斎藤さんのピアノは期待通りであり、スリムなお体からは想像できないような、容姿そのままに華のある演奏を繰り広げ、フルート演奏を盛り上げていました。
 笠原さんのチェンバロは今さら言うこともないでしょう。「電子楽譜」を使用されていたのが笠原さんらしいところですが、風流な、趣深い音楽を聴かせてくれました。

 曲目も、聴き応えあるものばかりで、奏者のこの演奏会への意気込みを感じました。4人が1曲ずつソナタを弾き、フルート二重奏で〆るというプログラミングは秀逸であり、内容も十分であり、心地よい疲労感も感じました。

 外に出ましたら風雨が強く、駐車場まで駆け足しました。

  

(客席:1列目左、\2000)