春のおと風 マリンバ&ヴァイオリン
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2015年4月18日(土) 17:00  越後森林館 こだまホール
 
おとかぜ ヴァイオリン:佐々木友子、マリンバ:倉澤桃子
 

パガニーニ:カンタービレ

クライスラー:美しきロスマリン

葉加瀬太郎:霧島

日本古謡:さくら

モンティ:チャルダッシュ

スコットランド民謡:アニー・ローリー (マリンバソロ)

バルトーク:ルーマニア民族舞曲

(休憩15分)

サティ:ジュ・トゥ・ヴ

パラディス:シチリアーノ

モーツァルト:トルコ行進曲

スマドベック:リズム・ソング (マリンバソロ)

マチャード:6つのブラジル民謡集 より パコーカ

ピアソラ:タンゴの歴史 より カフェ1930、ナイトクラブ1960 (ヴィオラ持ち替え)

(アンコール)夕焼け小焼け 
 
 

 私の家からほど近い越後森林館。新潟県森林組合連合会の施設だけあって、新潟県産の木材を使用して建築された大きな建物です。この中の、樹齢100年以上の曲がり杉6本を柱として造られた6角形の大きな空間がこだまホールです。
 ここでは音楽関係の催し物も開催され、私は2013年11月に、根津要さんと品田真彦さんのコンサートを聴いたことがありました。今回はそのとき以来久しぶりの訪問になります。

 早めに会場入りし、最前列に席を取りました。前回は床に座っての鑑賞で、ちょっと大変でしたが、今回は椅子が並べられていて良かったです。

 主催者の挨拶の後、照明が落とされ、ヴァイオリンとマリンバのユニットである「おとかぜ」の二人が入場し、いよいよ開演です。
 多彩な活動をされている佐々木さんの演奏は、これまで何度も聴かせていただいています。倉澤さんの演奏も何回か聴かせていただいており、つい最近も、1月の新潟ジャズストリートで、ミルフィーユとしての演奏を聴いています。しかし、二人合わせて「おとかぜ」として聴くのは今回が初めてです。

 パガニーニのカンタービレで演奏が始まりました。マリンバの柔らかな調べの上に重なるヴァイオリンの優しい響き。席は最前列ですので、直接音ばかり聴こえるかと思いましたが、四方八方から音が降り注ぎ、響きの良さに驚きました。
 床も壁も天井も、窓のガラス以外は全てが木製の空間が醸し出す響きは、柔らかく、ふくよかであり、母の胎内にでもいるような優しさと落ち着きを感じます。刺激的な音は感じられず、日頃聴くコンクリート壁の響きとは全く異なります。
 ヴァイオリンもマリンバも木を使った楽器です。木の空間との相性も良いものと思います。もちろん、他の楽器でもすばらしい音を聴かせてくれるはずです。

 ホールの響きに話がそれてしまいましたが、感動は演奏の良さがあってのことです。二人のトークを挟みながらの進行でしたが、アットホームな雰囲気で、楽しく聴かせていただきました。

 歌心ある佐々木さんのヴァイオリンは何度聴いても良いですね。加藤礼子さんと並んで、私が大好きなヴァイオリニストです。私と同じ亀田出身ということもあって、陰ながら応援させていただいています。

 倉澤さんのマリンバも良かったです。前半・後半1曲ずつマリンバ独奏がありましたが、マリンバ奏者としての卓越した技術と音楽性が現れていたと思います。特に後半のリズム・ソングは圧巻でした。緊張感ある演奏にシーンと聴き入り、やがて心が揺さぶられるような感動を覚えました。
 新潟でマリンバとかパーカッションとかいいますと、本間さんとか大越さんとか思い浮かびますが、倉澤さんの存在感を再認識しました。

 ヴァイオリンとマリンバとの相性もばっちり。この楽器の組み合わせは珍しいと思いますが、何の違和感もありません。むしろ今日のホールは、ピアノじゃなくてマリンバがベストマッチかもしれません。

 ホールの大きさも適度であり、サロンコンサート的雰囲気を演出していました。新潟にこのような凄いホールがあることを知らない人が多いものと思います。設計者の人が話されていましたが、同じ木造ホールで有名な八ヶ岳ホールにも劣らないホールではないかと思います。もっとも、私は八ヶ岳には行ったことがありませんけれど・・。

 新潟市郊外ということもあり、車で行くには便利なものの、逆に車がないと行きにくいのが難点ですが、個性あふれるこのホールは全国に自慢しうるものです。
 せっかくのホールですので有効に利用していただきたいと思います。できることならば、定期的にコンサートを開催していただけるとありがたいです。次のコンサートを楽しみに待ちたいと思います。

 

(客席:1列目、¥2000)