ラナンキュラス ヴォーカルコンサート vol.12
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2015年3月28日(土) 14:00  だいしホール
 
ソプラノ:森有希子、神田幸子、坂井真子、鈴木美恵、柳澤萌、野田有佳里、井上千華、北住順子
ピアノ:小黒亜紀、二宮麻里子、玉木彩葉
 
ロッシーニ:亡命者  :森有希子 (小黒)

グリーグ:あなたを愛す、ソルヴェイグの歌  :神田幸子 (玉木)

シューベルト:恋人の近くに、セレナーデ  :北住順子 (玉木)

マーラー:春の朝、シューマン:愛の歌  :坂井真子 (小黒)

加藤由美子:「歳をとるほど大胆になるわ」より  :鈴木美恵 (玉木)

山田耕筰:からたちの花、小林秀雄:落葉松  :柳澤萌 (二宮)

ロンドンデリーの歌  :北住、野田、神田、鈴木、柳澤、森 (二宮)

(飛び入り) 
モーツァルト:「魔笛」より パパゲーノ・パミーナの二重唱  :比護慧子、塙 (二宮)

(休憩10分)

ドニゼッティ:「ドン・パスクワーレ」より あの目に騎士は  :野田友佳里 (二宮)

ビゼー:「カルメン」より 何を恐れることがありましょうか  :井上千華 (小黒)

ウェーバー:「魔弾の射手」より やさしい姿の若者で  :森有希子 (小黒)

ドリーブ:「ラクメ」より ジャスミンとバラ(花の二重唱)  :坂井真子、井上千華 (小黒)

團伊玖磨:「夕鶴」より 与ひょう、私の大事な与ひょう  :神田幸子 (玉木)

ドニゼッティ:「リタ」より 恋はばら色の翼に乗って  :井上千華 (小黒)

モーツァルト:「魔笛」より 恐れるな、若者よ  :北住順子 (玉木)

(アンコール)中島みゆき:麦の唄  :全員 (小黒)
 
 
 今週末は天候が安定し、漸く春の訪れを実感しました。当初はこのコンサートには行く予定はなかったのですが、時間が取れたため、急遽行くことにしました。開演ぎりぎりにホールの到着。当日券を買って入場し、3列目に席を取りました。

 このコンサートが毎年開催されていることは知っていましたが、聴くのは今回が初めてです。このコンサートは、北住さんが主宰するラナンキュラスの会の発表会のようですが、これまで北住さんの歌声は何度か聴かせていただいているものの、他の出演者は全く聴いたことがないばかりか、不勉強は私は、お名前も存じ上げませんでした。

 皆さんがどんな歌声を聴かせてくれるか楽しみではありましたが、知らない人ばかりですので、不安もありました。入場料も高いし、どうしようかなと思っていたのが真相です。(誠に申し訳ありません。)

 でも、少なくとも北住さんの歌は楽しめますし、ピアノの出演者の中に小黒亜紀さんの名前もありますから、聴いて損はないかなという結論に達し、聴きに行った次第です。

 ピンクのドレス姿が麗しい森さんと黒いドレスの小黒さんが登場して開演です。この最初の歌を聴いて、私の認識の甘さをすぐに感じました。たいしたことないんじゃないかという予想は見事に外れ、すばらしい歌声に魅了されました。

 続く出演者も同様に、リリカルで、透き通るような歌声であり、北住さんの存在感が薄くなるほどの感動をいただきました。こんな中にあって、鈴木さんの存在感ある貫禄すら感じさせる歌声は異彩を放っていました。

 前半最後を飾るソプラノ6重唱は贅沢であり、聴き応えあるもので、ただうっとりと聴き入るのみでした。こういうユニットの公演があったら面白いかもしれません。

 ここで本来のプログラムにない飛び入り参加がありました。この春新潟中央高校を卒業し、難関の東京藝大に進学する比護さんと、やはり高校を卒業して新潟大に進学される塙さん(?)の二重唱です。
 比護さんは先日のインストアライブで聴いたばかりですが、やはり良い歌声ですね。二人とも10代の若者とは思えない落ち着きがあり、声量も豊かで、十分に聴かせるものでした。これから新潟の声楽界を担う人材になるのは間違いありません。なぜか男の影が薄い新潟の声楽界で、塙さんの今後の活躍が楽しみです。

 後半は、黒ドレスで統一したピアノの皆さん以外は衣裳換えして登場し、オペラのアリアの数々が歌われました。いずれも見事としか言いようがなく、甲乙付けがたいものでしたが、中でも井上さんと坂井さんの二重唱や柳澤さんの歌声には驚きました。

 全員出演のアンコールも抜群。今日感動的な最終回を迎えた「マッサン」の主題歌を歌うという演出はにくいですね。美しいハーモニーが胸に迫りました。聴いているうちに、北住先生の顔が中島みゆきに似てるんじゃないかと思えてきました。

 ピアノ伴奏3人も良かったです。なかでも小黒さんは輝いていました。目を閉じても、これは小黒さんだなと分かるような気がしました。独奏でも伴奏でも、独自の「音」をもっているのは素晴らしいことだと思います。

 このコンサートを聴くのは初めてでしたが、こんなにもレベルの高い歌を聴けるとは、全くの誤算でした。新潟にこんなにも素晴らしい歌手がいたなんて、私の認識の甘さ、見識の狭さを反省しています。

 新潟にこれだけの人がいるのなら、東京から歌手を呼ぶ必要なんてないんじゃないかとすら感じました。新潟声楽界の実力の高さを知ることができたのは大きな収穫でした。皆様の今後の益々のご活躍を応援していきたいと思います。


   
(客席:C−7、当日券:¥2300)