東京交響楽団第87回新潟定期演奏会
←前  次→
2014年12月14日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:ジョナサン・ノット
コンサートマスター:グレブ・ニキティン
 


ワーグナー:ジークフリート牧歌

(休憩20分)

ブルックナー:交響曲第3番、「ワーグナー」 1873年第1稿(ノーヴァク版)
 
 
 先週から大雪が続き、まだ12月というのに、早くも除雪に汗を流す日々です。今日は大雪に新幹線のトラブルが重なり、このコンサートの開催も危ぶまれましたが、幸いにも予定通り開催できることになりました。関係者の皆さん、東響の皆さんのご苦労は多大だったと思います。

 雪を心配して、早めに家を出て、会場入り。いつもの定期より空席が目立ちました。私の横も空席で、おかげさまでゆったりと聴くことができました。

 拍手の中団員が入場。今日のコンマスはニキティンさんです。最初はジークフィリート牧歌。編成は小さく、弦5部は、8-8-6-4-2です。対向配置で、コントラバスとチェロが左、ヴィオラが右に配置されていました。
 演奏は、東響の弦の素晴らしさを再認識させるものでした。柔らかな弦の響き。ホルンを始めとして、管もすばらしく、うっとりと聴き入るばかりでした。優しいオーケストラ響きに、心も洗われるようでした。ブラボーの声が上がりましたが、まさにブラボーに値する名演だったと思います。

 休憩後の後半はブルックナーの3番です。編成は大きくなり、いわゆる16型のフル編成になりました。最初の出だしから、東響の響きがこれまでになく新鮮に感じられました。透明感ある解像度の高いサウンド。重厚なブラスの響きに、柔らかな弦の響き。ホールの響きの良さと相まって、圧倒的なブルックナーサウンドでホールが満たされました。最強部でも音は飽和することなく、音はあくまでも鮮明です。東響の各奏者とも、会心の出来ではなかったでしょうか。このままライブ録音していれば、立派なCDになるものと思います。

 ノットとの新時代到来を再認識させる、小気味良い演奏に胸は高鳴りました。東響の皆さんも拍手でノットを讃え、演奏する側も満足感が高かったものと思います。東響新潟定期のこれまでの歴史の中でも、屈指の演奏だったと思います。

  満足感で心も和みましたが、外へ出ると真冬の寒さ。急ぎ足で車へと急ぎました。
 
   
(客席:2階C*−*、S席:定期会員 \6000)