新潟交響楽団第95回定期演奏会 | |
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2014年11月23日(日) 14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール | |
指揮:伊藤 翔 独奏:石川達也 |
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R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」 Op.20 テーリヒェン:ティンパニ協奏曲 Op.34 (休憩15分) メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」 Op.90 (アンコール) マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲 |
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晩秋から初冬へと向かうこの季節。白山公園の桜はすっかりと落葉して枝だけとなり、見るからに寒々とした景色になりました。こんな中、潟響の定期演奏会へと向かいました。 今回は新しい指揮者の伊藤さんの登場ということで、期待が膨らみました。6月の定演は県民会館ですが、秋の定演はりゅーとぴあです。県民会館の場合は、私のお気に入りの席はいつも空いていて並ぶ必要もないのですが、りゅーとぴあの場合は並ばないといけないので、指定席券を奮発しました。 並ぶ必要がないというのは気分的に楽であり、県民会館の情報ラウンジで音楽雑誌をゆっくりと読み、おもむろにりゅーとぴあに行って、席につきました。いつもより若干空席が目立つように思います。 拍手の中団員が入場。全員揃うまで起立し、最後にコンミスの松村さんが礼をして着席という東響新潟定期方式です。伊藤さんが登場して、「ドン・ファン」で開演です。 最初の出だしから驚きました。実に美しいオーケストラサウンドです。弦は厚く、潤いがあり、目を閉じれば東響かと思うほどです。アンサンブルも美しく、管楽器も打楽器も申し分ありません。中盤の長いオーボエのソロも完璧であり、ホルンのファンファーレもコンミスのソロも良かったです。 本当に、これが潟響かと信じられませんでした。これまで聴いてきた潟響の中でも屈指の演奏ではなかったでしょうか。文句なく楽しめました。 先回の定演は、指揮者の問題もあって、潟響らしからぬイマイチの演奏に感じられ、感動し切れませんでしたので、今回の感動はひとしおです。 場内が暗転し、ステージ上には5台のティンパニが設置され、次はティンパニ協奏曲です。独奏は新潟出身のN響打楽器奏者の石川さんです。 テーリヒェンという作曲家は知りませんでしたし、ティンパニ協奏曲があることも知りませんでしたが、世界中のティンパニ奏者にとっては必修のレパートリーなんだそうですね。全く不勉強でした。現代曲ではありますが、私のような素人にも受け入れやすい曲でした。 ピッチカートで始まる出だしから曲に引き込まれ、オーケストラとティンパニの絡み合いに聴き入りました。石川さんの素晴らしさにもよるのでしょうが、ティンパニから多彩な音色が引き出され、魂を揺さぶられるようでした。「春の祭典」を髣髴させるような部分があったり、緩徐部での深遠な響きなど、曲としての面白さも堪能できました。 ティンパニと対峙するするオケの演奏も素晴らしく、一期一会とでも言うべき完璧な仕上がりになっていたのではないでしょうか。こういう曲、こういう演奏を聴けて良かったです。もう前半だけで大満足でした。 後半は「イタリア」。偶然なのでしょうが、この曲は9月の東響新潟定期で聴いたばかりです。プロの演奏と比べるのは邪道ですが、今日の演奏も決して引けをとるものではなかったと思います。伊藤さんは全身を動かしてオケを煽り、生き生きとした音楽を引き出していました。明るく爽やかであり、躍動感が感じられました。先回の定期の硬直したドボ8とは大違いです。前半だけで満足だったのですが、後半も期待以上の演奏でした。 アンコールは「カヴァレリア・ルスティカーナ」。潟響の弦の素晴らしさに息をのみました。このオケからこのような響きを聴くのは初めてかもと思うほど。心が洗われるような良い演奏でした。 新しい指揮者を迎えての初めての演奏会。演奏の素晴らしさはさることながら、潟響のサウンドの変化に驚きました。これまでのアマチュアサウンド(失礼)からプロ並のサウンドに変身しました。若き指揮者・伊藤さんのなせる業なのか、それとも他に理由があるのか、あるいは、私の気のせいなのか・・・。 ともあれ、大満足な演奏会となりました。曲の短さもあって、終演時刻は早かったです。でも、良い演奏を聴いた充実感でいっぱいでした。そういえば同じ曲を演奏した東響定期の終演時刻も早かったことを思い出しました。 今回の演奏が、たまたまということではなく、新しい指揮者の下、今後も発展を続けて欲しいと思います。次の潟響の演奏は、年末(12月28日)の第九があります。これも楽しみにしたいと思います。 そして、次回の定期は2015年6月21日、県民会館で開催されます。曲目はシューマンの交響曲第1番「春」ほか、とのことです。でも、シューマンは嫌いだなあ・・・。 (客席:2階C4−5、指定席:\1500) |