りゅーとぴあ春フェスタ 2014  加藤礼子
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2014年4月12日(土) 16:30  新潟市民芸術文化会館 東ロビー特設ステージ
 
ヴァイオリン:加藤礼子
ピアノ:中村哲子
 

エルガー:愛の挨拶

クライスラー:愛の喜び
クライスラー:愛の悲しみ

メンデルスゾーン:春の歌

日本古謡:さくらさくら
滝廉太郎:荒城の月

服部隆之:Les enfants de la Terre〜地球のこどもたち〜

ドヴォルザーク:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ

(アンコール)
モンティ:チャールダッシュ
 
 

 スタジオAでのトリオ・ベルガルモのコンサートを終え、ロビーに出ましたら、特設ステージで行われる「りゅーとぴあ春フェスタ」に出演される加藤礼子さんが、ちょうどリハーサルをされていました。この演奏がすさまじく、思わず足を止め聴きほれてしまいました。
 ロビーいっぱいに音量豊かに響き渡るヴァイオリンは、通りすがりの人を引き止めるだけの力がありました。リハというのにたくさんの客が集まり、大きな拍手が贈られていました。そのまま帰る予定だったのですが、予定を変更し、本番も聴くことにしました。

 16時半からの本番までの間、外に出ましたが、人手が途絶えることなく、花見客でごった返していました。満開の桜の下では、家族連れやグループがレジャーシートを広げて楽しく談笑。春って良いですね。

 ロビーに戻って椅子席を確保し、開演を待ちました。ステージ上にはカワイのフルコンサートピアノ。このままLFJでも使われるのでしょう。
 お二人が登場していよいよ開演です。リハでは普段着姿でしたが、本番ではドレスに着替えられ、黄緑色の加藤さん、薄ピンク色の中村さんとも艶やかで、ステージ映えしていました。りゅーとぴあのアウトリーチ・アーチストとして活躍されている加藤さんは、演奏も手馴れたもので、プロとしての実力の高さを感じさせました。

 始めは名曲が続き、会場を和ませました。お馴染みの曲ではありますが、ヴァイオリンの魅力が伝わるように、流麗に、楽しく、情感豊かに演奏をされていました。
 続いての「地球のこどもたち」は、THE世界遺産のテーマ曲として聴きなれていますが、生演奏で聴きますと、本家の宮本笑里さんの演奏より良かったのではないでしょうか。

 このまま名曲コンサートで終わるのかと思ったのですが、LFJ新潟のテーマである「三都物語」にちなんでということで、ドヴォルザークを、全4楽章をきっちりと演奏し、その実力を知らしめてくれました。

 アンコールの定番「チャールダッシュ」を演奏して終演となりましたが、ボリュームも十分で、リサイタルを聴いたような満足感を感じることができました。演奏技術もさることながら、艶と潤いのある加藤さんのヴァイオリンの音色は、歌心もあって、心に染みて良かったです。多少のミスを気にされておられた場面もありましたが、良い演奏でした。

 中村さんのピアノも良かったです。私の席では演奏中の中村さんのお顔が良く見えたのですが、演奏しながら歌うような表情は、仲道郁代さんを髣髴させるようで、大変魅力的でした。

 加藤さん、中村さんといえば、昨年12月の秋葉区文化会館での感動も思い起こされます。地元で様々な活動をされ、クラシック音楽の楽しさを広めてくれています。このようなロビーコンサートでも、しっかりと演奏し、観客の心をつかんでくれます。今後の益々のご活躍を期待したいと思います。

 「りゅーとぴあ春フェスタ」は、これから6月末まで、様々な演奏が繰り広げられます。素晴らしい演奏をただで聴くことができ、お勧めのコンサートです。皆さんもいかがでしょうか。

 
   
(客席:正面右、無料)