今週は春めいたか思ったのですが、再び荒れ模様。今日は強風が吹き荒れて、あいにくの天候になりました。しかし、山本さんのリサイタルは行かねばなりません。
山本さんの演奏は、昨年12月のクリスマスコンサートや本年1月のニューイヤー・オルガン・ワンコイン・コンサートで聴く機会がありましたが、リサイタルとしましては昨年7月以来ですので、久しぶりになります。
テレビでアルビの敗戦を見届け、某所で一休みし、早めの夕食を摂ってホールへと向かいました。駐車場はいつもに比して閑散としており、寒々感を助長していました。
ホールに着くと開場待ちの列ができていました。チラシ集めをした後に入場し、オルガンリサイタルでは定席としている3階Jブロックに席を取りました。
オルガン前のPブロックと、1階席前方の4列の座席が取り払われいました。今日のコンサートも前回と同様にライブ録音するとのことで、響きを良くするために、座席を取り払ったとの説明がありました。
われらがミューズ・山本さんが譜めくりを従えて登場し、開演です。最初の音で、響きの良さを実感しました。普通でも響きの良いりゅーとぴあですが、座席を取り除いた効果は明らかであり、残響がいっそう豊かに感じられ、私の席ではむしろ響きすぎにすら感じられました。
曲目は細切れ感があり、一貫性がなく感じられましたが、宗教曲から離れた馴染みやすい曲であり、堅苦しくなく楽しめました。曲ごとにストップを変え、多彩な音色で飽きさせませんでした。オペラの編曲ものは、以前のコンサートでも聴いたことがありましたが、オルガンは小さなオーケストラであることを実感させてくれました。ひとりでの演奏とは信じられませんでした。
ただし、タンホイザーの後で拍手できましたが、後は各曲を続けて演奏し、拍手をするタイミングが失われてしまい、聴く方もどうしたらよいのかと戸惑いを感じたりしました。
いずれの曲も楽しめましたが、後半のリストの大曲はお見事でした。四肢を縦横に使う演奏は神業としか感じられませんでした。山本さんの素晴らしさを再認識させられたように感じました。
アンコールをしっとりと演奏して終演となりましたが、充実したコンサートだったと思います。曲的にも前半は親しみやすいものばかりで、オルガンを初めて聴く人にも馴染みやすく、オルガンの迫力や、奥深さが伝わったのではないでしょうか。日頃オルガンのリサイタルには来ない友人も、今日の演目は親しみやすいからということで、会場におられました。
客席を取り払ってまでも音響にこだわるりゅーといあの姿勢には驚きです。会場準備の労力を考えますと、この観客数では割が合わないような気がしました。録音するには客が少ない方が響きが増して、雑音も減るので良いのかもしれませんけれど。オルガンリサイタルを開催するのに、ここまでこだわっているホールって、他にあるのかなあ・・・。
外に出ると雪が降っていて、せっかく雪が消えた白山公園は、再び雪で真っ白になっていました。これが最後の雪だと良いのですけれど・・。
(客席:3階J2−14、会員割引:1800円) |