第13回 新潟第九コンサート 2012
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2012年12月23日(日) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:諸遊耕史
ソプラノ:山口佳子、メゾ・ソプラノ:押見朋子、テノール:大野光彦、バリトン:押見春喜
管弦楽:新潟交響楽団
合唱:新潟第九合唱団(合唱指揮:箕輪久夫)
 



ワーグナー:舞台神聖祭典劇「パルジファル」 第1幕への前奏曲

ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125 「合唱付」

(アンコール)
ヘンデル:「メサイヤ」より ハレルヤ
 
 

 年末恒例の第九。1年を締めくくるには、やはりこの曲ですね。今年も数多くのコンサートに行きましたが、これが今年の〆となります。エネルギッシュな松沼さんに代わって、今回は諸遊さんの指揮で、どんな第九になるのか楽しみでした。

 明日からは大雪の予報ですが、今日は若干の晴れ間も見え、比較的過ごしやすい日曜日になりました。昼食を摂り、ホールに着くと、たくさんの客で賑わっていました。ほぼ満席の客席で、立ち見の客もおられました。

 今年の第九は違うと思わせたのは、前座の曲の選曲。なかなか渋い曲を選んだものだと感心しました。最初は賑やかな曲で盛り上げて、客の心をつかむのが常道かと思いましたが、静かな曲で心を鎮めてくれました。演奏がまた素晴らしく、重厚なハーモニーを作り出し、潟響の実力を知らしめるに良い演奏だったと思います。 

 合唱団が入場し、いよいよ第九の開演です。諸遊さんは、第1楽章から大爆発。情熱的な指揮をする松沼さんの上を行く燃え上がりようです。オケを煽りに煽って、エンジン全開。最初から大興奮でした。

 第2楽章も猛スピード。潟響は乱れることなく、抜群のアンサンブルを維持。ソリストが入場して、第3楽章。さすがにこの楽章はもっとゆったりと歌わせても良かったかもしれませんが、第1楽章、第2楽章からの流れとしては、早めに突き進むしかないでしょう。

 そして、第4楽章。これは盛り上がらないはずはありません。最初のバリトンの歌い出しが素晴らしく、その後の合唱も声が良く出ていて良いできでした。情熱いっぱい、大きなアクションで突き進む諸遊さんの熱き指揮に応えて、潟響は渾身の演奏を聴かせてくれました。これまで何度も第九を聴いてきましたが、今日の演奏はまさに快演と言っていいでしょう。

 アンコールは何と「ハレルヤ」。「アヴェ・ヴェルム・コルプス」か「大地讃頌」かと予想していたのですが、見事に外れました。最後を盛り上げて〆るには最適な曲です。毎年恒例だった「メサイア」の演奏会がなくなったので、配慮してくれたのかもしれません。これもまた良い演奏で、高揚した気分で終演となりました。

 諸遊さんの素晴らしい曲作りで、これまでになく熱く燃え上がった演奏だったと思います。先回の定期演奏会も良かったですし、なかなか良い指揮者を迎えたものですね。
 猛スピードで飛ばす諸遊さんの指揮に見事に応えた潟響にも驚きました。これまでの第九で最高の演奏じゃなかったでしょうか。

 今年を締めくくるコンサートで、こんな名演奏を聴けて良かったです。これからの年末年始、頑張って切り抜けねば・・・。

 帰り道に雨が降り出し、家に着く頃には雪に変わりました。大雪にならないよう祈ります。

(客席:3階 I 3−8、S席:¥3000)