ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ 第9回定期演奏会
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2012年6月24日(日) 14:00  文京シビックホール
 
指揮:井上喜惟
 




マーラー:交響曲第9番 ニ長調
 
 

 昨日の横浜遠征に引き続いての東京遠征です。フリー切符を有効利用するため、再び遠征することになりました。朝早めに新潟を出て、六日町に寄り、昨日オープンの公衆浴場で一風呂浴びてから上京となりました。

 今日は、いろいろ公演はありましたが、懐具合と曲目から、この公演を選びました。ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラという立派な名前のオケですが、アマチュアです。マーラーの交響曲全曲演奏を活動の主軸とすべく、指揮者の井上氏が2001年に創設し、国際グスタフ・マーラー協会から正式な認定を受けているそうです。

 オケも指揮者も私は初めてで、不安半分でしたが、演目が私が大好きなマーラーの9番ということで、楽しみでもありました。この曲を実演で聴くのは、今年に入ってだけでも、ハーディング/新日本フィル井上道義/京大に引き続いて3回目となります。

 JR水道橋駅東口から歩いて7〜8分。文京シビックホールに到着。ここは初めてです。文京区役所に併設されています。

 当日券を買って入場。2フロアのシューボックス型ホールですが、1階席中央に席を取りました。客の入りは寂しく、多く見積もって3割程度でしょうか。

 うるさいブザーの音で開演です。拍手のない中団員が入場。ヴァイオリンが左右に分かれ、左にコントラバス、チェロ、右にヴィオラ、ハープ、後方に管、最後方に打楽器という対向配置で、ホルンが右手に配置していました。

 入念なチューニングの後、井上さんが登場して演奏開始です。出だしから危なげで、いいかにもアマチュアを感じさせましたが、その後落ち着きを見せました。
 弦は厚く、きれいな音でした。管は良かったり悪かったり。おっかなびっくり吹く場面が多々あり、出だしが曖昧になることがありました。決めるべきところで決められなかったりもありましたが、全体としては良かったと思います。ホルンは頑張っていました。ホールの残響が意外に長く、音がフワーっと響いて、切れの悪さを感じることもありました。

 第2楽章前、第3楽章前にもチューニングがなされ、せっかくの感動に水が差されましたが、さすがに第4楽章前にはチューニングはありませんでした。アタッカで第4楽章に行ってほしかったですが、一息入ってしまいました。
 この第4楽章の弦楽は文句なしに良かったです。感情のうねりが心に響きました。最後の消え行くところも良かったです。音が消え、指揮者が手を下ろすまでの数十秒の沈黙。フライングする人もなく、静寂を味わえたはずでしたが、斜め前のおじさんが、咳をしたり、鼻をすすったり。どうしてこの一番大事な場面で咳を繰り返すんでしょうね。せめてハンカチで口を押さえてくれれば良いのにと、修行の足りない私はムカーっとしてしまうのでした。

 いろいろ難点もありましたが、アマチュアということを考えれば、十分満足できる演奏だったと思います。
少数精鋭の観客でしたが、新潟から聴きに来た物好きは私くらいでしょうね。
 

(客席:1階21−16、全席自由¥2000)