北区フィルハーモニー管弦楽団第1回定期演奏会
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2012年6月10日(日) 14:00  新潟市北区文化会館
 
指揮:長谷川正規
 



J.シュトラウスII:喜歌劇「こうもり」序曲

グリーグ:劇音楽「ペール・ギュント」第1・第2組曲より

(休憩15分)

ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」

(アンコール)

マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲

 
 

 2010年6月に、新潟市北区にオープンした北区文化会館を拠点として、同年10月に結成された市民オーケストラが北区フィルハーモニー管弦楽団です。
 昨年5月のLFJ新潟のプレ公演で、有志によるロビーコンサートが行われ、これが市民へのお披露目となりました。10月には第1回ファミリーコンサートが開催され、フレッシュな演奏で楽しませてくれました。そして、今日が記念すべき第1回定期演奏会です。新潟に在住する音楽好きとしましては、応援のためにも駆けつけねばなりません。

 某所で冷やし中華を食べ、1時過ぎに会場入り。すでに開場待ちの行列ができており、私もその列に並びました。まだピカピカのこのホールは、先回のファミリーコンサート以来です。何となくデザインや配色にりゅーとぴあの雰囲気が漂い、弟分的な印象を受けます。個人的には好きなホールです。

 開場時間となり、中央やや左寄りに席を取りました。ホール内にはまだ木の香が漂っていました。老若男女で開演時間にはほぼ満席となりました。

 このオケは初心者の育成コースもあり、メンバー表の人数は多数ですが、ステージ上のオケの編成は小ぶりです。ヴァイオリンの中には、私の知人もおられました。

 1曲目は、「こうもり」序曲。ちゃんとしたオーケストラサウンドで驚きました。なかなか聴かせてくれて、出だしから観客の心をつかんでくれました。

 2曲目は「ペールギュント」第1組曲・第2組曲の8曲の中から6曲を演奏。「朝」で始まり「山の魔王の宮殿にて」で締めるという構成でした。迫力ある演奏で良かったですが、リズムが破綻しそうだったり、強奏の場面で音が飽和し、メロディラインが見えなくなることも垣間見えました。でも、決めるべき所は決めてくれましたし、「オーセの死」での弦楽合奏はきれいでした。「ソルヴェイグの歌」が外されたのはちょっと残念でしたけれど。

 休憩後はコンマスが女性に交替し、メインの「田園」です。LFJでの有志によるロビコンでも演奏された思い入れのある曲です。さすがに練習が積まれているようで、聴き栄えのする演奏だったと思います。
 カッコウの鳴き声の場面などは、きれいに決まっていました。嵐の後ののどかな田園風景の場面は、息切れが感じられましたが、良くまとまっていたと思います。音の線の細さを感じたパートもありましたが、クラリネットはきれいでした。ブラボーの声も上がりましたが、それに値する演奏であり、私も心の中ではブラボーを叫びたかったです。

 アンコールの「カヴァレリア・ルスティカーナ」は絶品でした。弦楽合奏が大変きれいで驚きました。総じて、アマ・オケの演奏としては十分に形になっており、1000円払って聴く価値はあるものでした。

 0から出発した市民オケが、1年半でここまでまとまるというのは素晴らしいことと思います。正直言えば、これほどの演奏は期待していなかったので、感動でいっぱいです。団員の皆さんの熱意が伝わる素晴らしいステージに心は明るくなりました。

 外に出ると梅雨の雨雲が移動し、青空が顔を出し、次第に晴れ渡ってきました。天も第1回定期演奏会の成功を祝福しているようでした。これからの発展を見守り、応援していきたいと思います。頑張れ、北フィル!
 

(客席:11−9、自由席:¥1000)