新潟大学管弦楽団第48回定期演奏会 
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2011年12月17日(土) 18:30  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:河地良智
チェロ:江口心一
 


ワーグナー:ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104、B.191

  (アンコール)稲本響:船長

(休憩15分)

シベリウス:交響曲第1番 ホ短調 作品39

(アンコール)
シベリウス:カレリア組曲より 第3曲 行進曲風に
 
 
 いろいろとあわただしく、2週間ぶりのコンサートとなりました。今週は本格的な雪となり、新潟市内でも積雪となり、肌寒さが身に染みます。
 早めに駐車場入りし、25日で閉店となるコンチェルトでCDを買い、開場の列に並びました。早めに並んだので、私の好きなCブロック前方に席を取ることができました。

 拍手の中団員が入場。最後にコンミスが登場してチューニング。ステージ中央に密集するような形で席が作られていましたが、きっと意味があるんでしょうね。(音のまとまりがあって良かったように思います。)
 
 おなじみの河地さんが登場して1曲目がマイスタージンガー前奏曲です。第一印象として、「あれっ?」というような、弦の音色に不安感も感じないでもなかったですが、それなりにまとまった演奏だったと思います。テューバは良かったです。
 ちなみにこの曲は、私が新潟大学管弦楽団(オケラ)を聴いた最初の曲であり、思い出深い曲です。私が新潟大学に入学したときの入学式で演奏されたのです。以来、オケラとの付き合いが続いていますが、何年になるんだろう・・・。

 2曲目はドヴォルザークのチェロ協奏曲です。最初はハラハラドキドキで、聴くほうも緊張しましたが、独奏が入るあたりから演奏がよくなりました。2楽章冒頭の管のアンサンブルの乱れなど、若干気になる部分もありましたが、江口さんの見事な独奏に引き込まれ、緊張感溢れる演奏を聴かせてくれました。こんなに息詰まる熱演を聴くことができるとは思いもよりませんでした。
 江口さんのことは存じ上げていませんでしたが、素晴らしい演奏家ですね。アンコールもお見事。演奏もさることながら、曲も良いですね。江口さんのアンコールピースの定番のようですが、稲本響という作曲家を知ることができたのも思わぬ収穫でした。

 後半はシベリウスの1番。これは文句なく良い演奏だったと思います。180人の団員を要するオケラの中で、選ばれた団員が載っているものと推測しますが、前半より明らかにレベルアップした演奏です。マイスタージンガーで感じた危うさなど微塵もありません。
 あまり魅力的な曲とは思えず、CDは数枚持ってはいるものの、日頃聴く機会はほとんどなかったのですが、曲の面白さを感じさせてくれました。
 管も弦も打楽器も、全てが最高の演奏を聴かせてくれました。出だしのクラリネットソロからしてお見事。ティンパニの熱演に拍手です。演奏に引き込まれ、至福のひとときを過ごすことができました。
 プロ・アマという垣根を取り払っても、なかなか楽しめた演奏じゃなかったでしょうか。河地さんの指導のなせる業なんでしょうが、たいしたもんだと思います。アンコールのカレリア組曲も良かったです。
 
 毎年メンバーが入れ替わるのが学生オケの宿命です。当然その年により、レベルの違いが生じてしまうのは仕方ないと思いますが、今年のオケラはすごいんじゃないでしょうか。

 外に出ると寒々としていましたが、良い音楽を聴いた後なので、心はウキウキでした。

 
(客席:2階 C3-11、700円)