デュオ・プリマ ヴァイオリン・デュオ リサイタル DUOISM 「ふるさと」
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2011年10月15日(土) 14:00  新潟市新津美術館アトリウム
 
ヴァイオリン:礒絵理子、神谷未穂
チェロ:エマニュエル・ジラール(*)
 
 
モーツァルト:トルコ行進曲

モーツァルト:オペラ「フィガロの結婚」より 
           恋とはどんなものかしら  もう飛ぶまいぞ、この蝶々

モーツァルト:オペラ「魔笛」より
           私は鳥刺し  夜の女王のアリア

ルクレール:2つのヴァイオリンのためのソナタ集 作品3-2

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番 BWV1009 より (*) 
 
           プレリュード   ブーレ

クヴァンツ:トリオソナタ ハ長調  (*)

(休憩20分)

テレマン:6つのトリオ (1718) より 第4番  (*)

バルトーク:44のデュオ より 3曲

プロコフィエフ:2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 作品56

イギリス民謡:グリーンスリーブス

(アンコール)
アメイジング・グレイス (*)
ふるさと (*)
 
 

 従姉妹同士のヴァイオリン・デュオのデュオ・プリマは、新潟に何度か来られていておなじみと思います。礒さんは単独でのリサイタルもされていますし、茂木オケの一員として来られたりなど、様々な形で新潟に来られていて縁が深いように思います。神谷さんは春のLFJ新潟での仙台フィルのコンサートでコンミスとして活躍されていたのは記憶に新しいところです。お2人とも音楽の素晴らしさは言うに及ばず、ヴィジュアル的にも楽しめるのがデュオ・プリマの魅力です。

 また、新津美術館は毎年ミュージアムコンサートを開催し、近隣の小学校や幼稚園でのアウトリーチ・コンサートを行っています。美術館のアトリウムは大理石張りで大変きれいであるほか、響きが良くてコンサート会場としても魅力的です。私は2007年11月のミュージアムコンサートに行って、感激したのですが、そのときも磯さんが出演され、ピアノの高橋多佳子さんとすばらしい演奏を聴かせてくれました。

 ということで、このコンサートの開催を知り、是非行かねばと早々に申し込みしていたのですが、このところ多忙で、どうなるか心配しました。でも何とか無事参加できました。

 今日のコンサートは、DUOISM と題されていますが、10月13日に発売された DUOISM というCDにちなんでのもののようです。17日には東京で、今日と同様に DUOISM と題したデュオ・プリマのデビュー10周年記念コンサートが開催されますので、弾きこまれたすばらしい演奏が聴けるものと期待が高まりました。

 しばらく秋晴れが続いていましたが、昨日から雨模様で、うっとうしい土曜日になりました。昼頃からは何とか天候が持ち直しましたが、曇り空で気分は晴れません。

 13時受付開始であり、早めに会場入りしましたが、受付番号がすでに21番でした。開場まで時間があるので、「ふるさと」と題して描かれた地元小学生の絵が展示されていましたので、見ていました。学校により絵のタッチや色使いが違い、学校ごとの個性が出ていて面白かったです。
 絵に見入っていましたら、ヴァイオリンを持った女性2人も絵を見ていました。普段着のままで、初めはお客さんと思っていましたが、なんとこの2人は礒さんと神谷さんでした。開演前からお近づきになれて良かったです。

 時間となり、受付番号順に入場しました。階段状になったアトリウムの中ほどにステージが設けられ、椅子が並べられていました。自由席でしたので、正面最前列、いわゆるかぶりつきの席を取りました。1列目は私と同じようなオジサンが並んでいて、考えることは同じようです。

 2階から階段を下りて2人が登場して開演です。トークを交えながら演奏が進められました。2人は従姉妹同士ということは知っていましたが、誕生日も同じなんだそうですね。幼稚園から大学までいっしょ。2人とも江藤俊哉先生に師事したそうです。留学先が礒さんはベルギー、神谷さんはドイツと別れましたが、デュオ・プリマとして活動するはるか前の子供の頃からデュオを組んでいるそうで、息はぴったり。素晴らしいアンサンブルを聴かせていただきました。2mほどの近さで聴くヴァイオリンは迫力満点でした。

 バッハの無伴奏チェロ組曲は、神谷さんのご主人であるジラールさんの独奏で、朗々と響き渡るチェロの音に酔いしれました。ジラールさんはバロックチェロの名手ということで、エンドピンは使用しないで、股に挟めて演奏していました。3人で演奏したクヴァンツのトリオソナタは、力のこもった演奏で、引き込まれました。

 休憩後は2人は衣裳替えして登場。最初は、ジラールさんを交えて、3人でテレマンが演奏されましたが、前半のクヴァンツとともに聴き応えある演奏で、今日の演目の中で、最も感銘を受けました。

 その後はデュオでの演奏が続けられましたが、音量豊かに響き渡るプロコフィエフのソナタには圧倒されました。グリ−ンスリーブスでプログラムは終了。

 アンコールではジラールさんも登場しました。神谷さんが震災にあったときのことを涙ながらにお話され、避難所を回って演奏したというアメイジング・グレイスを演奏し、最後にふるさとを歌って終演となりました。

 限定130席のミュージアムコンサート。会場のアトリウムそのものが美術作品ともいえます。大理石張りの白い空間で演奏され、通常のホールでの演奏とは違った、非日常を体験することができました。照明も工夫され、白壁に映る2人の影が、ちょうど影絵を見るかのようでした。かぶりつきの席でしたので、音響的にもヴィジュアル的にも十二分に堪能させていただきました。

 帰りに発売したてのDUOISMのCDを買い、3人にサインしていただきました。今日の演目のほとんどがCDに入っていました。帰りの車の中で早速聴きましたが、良い演奏です。皆さんもいかがですか。

 さて、明日は神谷さんがコンミスを務める仙台フィルの特別演奏会がりゅーとぴあでありますが、神谷さんは降り番のようです。あさっては東京でのコンサートですものね。一方礒さんは、明日は栃木でコンサートをして、あさっては東京ということで、お忙しいようです。
 東京でのデュオ・プリマ10周年記念コンサートも今日と同じような演目と思いますが、一足早く聴かせていただき幸運でした。あさっても盛会となりますことをお祈りします。

 附:礒さんのブログを見たら、打ち上げなしにすぐに東京に帰られて、早速今日のコンサートの様子がアップされていました。コンサートの写真が載っていましたが、私の後姿もしっかり写っております。(^_^;)
 

(客席:最前列、 2500円)