山本真希 オルガンリサイタルシリーズ 
グレンツィングオルガンの魅力 No.10 「10回」記念特別リサイタル
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2010年9月25日(土) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
オルガン:山本真希
 
ブラーガ:バッターリャ                       
(No.6「スペインのオルガン音楽」)

ベーム:コラール前奏曲 「天にいます我らの父よ」      
(No.4「北ドイツのオルガン音楽」)

J.S.バッハ:幻想曲 ト長調 BWV572                    
(No.7「J.S.バッハ」)

ハイドン:音楽時計のための音楽より               
(No.8「オルガンで聴くハイドン」)

シューマン:ペダル・ピアノのための練習曲(6つのカノン風小品)作品56より
       第2番心をこめた表現で、第6番アンダンテ     
(No.1「ドイツのオルガン音楽」)

メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ第3番 イ長調 作品65  
    (No.3「オルガン・ソナタ」)

(休憩20分)

メシアン:永遠の教会の出現                    
(No.9「メシアンとフランス音楽」)

アラン:リタニー 作品79                      
(No.2「フランスのオルガン音楽」)

細川俊夫:雲景                                      
(特別編)

フランク:交響的大作品 嬰ヘ短調 作品17               
(No.9「オルガン交響曲」)

(アンコール)
アラン:架空庭園 作品50
 
 

 暑かった夏が過ぎ、芸術の秋真っ盛り。新潟市内でもたくさんの催しがあって選択に困ります。今日は、根強いファンが多い山本真希さんのリサイタルですから、何としても行かねばなりません。実は仕事関連の重要な会合と重なっていたのですが、申し訳なくも欠席させていただきました。

 今日は仕事であり、早めに切り上げて大急ぎで駆けつけましたが、残念ながら開演には間に合わず、2曲目から聴くことができました。
 今回のリサイタルは10回記念ということで、過去のリサイタルからの1曲ずつ選曲し、年代順に演奏されました。特別編として細川俊夫の作品が演奏され、最後に年代が遡ってフランクで締められました。
 時代ごとの多彩な演目を多彩な音色で演奏し、りゅーとぴあの誇る大オルガンの魅力を余すことなく伝えてくれたと思います。このオルガンを知り尽くした山本さんならではの演奏と思います。

 前半は古い時代の曲であり、しっとりと聴かせ、特にバッハの幻想曲にはうっとりと聴き入りました。後半は現代曲が並んで、輝くような色彩感豊かなオルガンを味わい、細川作品では幻想的・神秘的な幽玄の世界へと誘われました。最後のフランクは壮大な曲であり、まさに交響的大作品でした。最後を飾るにぴったりと感じました。アンコールは静かな幻想的な曲で、しっとりと終演となりました。

 最近のリサイタルは1時間半くらいで、アンコールもなく終わっていましたが、今回は2時間たっぷりと盛りだくさんなプログラムで、質的にも量的にも大満足でした。

 前半は2階席中央で聴きましたが、豊かな残響のなかに音が溶け込み、マイルドなサウンドでした。後半は3階のサイド席で聴き、直接音がダイレクトに響いて、解像度の高い鮮明な音色を楽しむことができました。席によるオルガンの響き、音色の違いを味わうのも面白いですね。

 山本さんの、オルガンを身近なものとし、その魅力を市民に伝えてくれた功績は計り知れないものがあり、賞賛すべきです。次のリサイタルではどんな演奏を聴かせてくれるのか、今から楽しみです。
 

(客席:前半:2階C9-37、後半:3階J2−15、全席自由:900円、セット券)