東京交響楽団 第61回新潟定期演奏会
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2010年9月5日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:キリル・カラビッツ
ピアノ:シモーネ・ディナースタイン
コンサートマスター:大谷康子
 
 


ストラヴィンスキー:弦楽のための協奏曲 ニ調「バーゼル協奏曲」 

J.S.バッハ:ピアノ(チェンバロ)協奏曲 第1番 ニ短調 BWV1052

  (アンコール)シューマン:子供の情景より 第1曲「見知らぬ国の人々」

(休憩20分)

ショスタコーヴィチ:交響曲 第1番 ヘ短調 作品10

 
 
 

 猛暑続きの新潟。9月に入っても真夏の陽気が続いていますが、いよいよ芸術の秋到来です。夏枯れの7月、8月がうそのように、様々なコンサートが続きます。どのコンサートに行こうかと、仕事の予定と懐具合を考え合わせながら、思い巡らすのも楽しいですね。

 今日は久しぶりのプロのコンサート。2ヶ月振りの東響新潟定期です。聴いたことのないカラビッツとバッハ弾きとして人気の高いディナースタインの競演が楽しみでした。

 毎回定期演奏会に先立って、1時からロビーコンサートが行われますが、今回は大谷さん率いる弦楽四重奏団の出演で、ジャジーな演奏で楽しませていただきました。(→ブログ
 その後だいしホールに行ってフルートのコンサートを聴き、再びりゅーとぴあに戻ってこのコンサートに臨みました。S席エリアは埋まっていましたが、若干空席が目立ったのが残念でした。

 最初は弦楽だけでストラヴィンスキーの弦楽のための協奏曲です。美しい弦楽アンサンブルはさすがと思わせました。はじめて聴く曲でしたが、魅力ある曲に感じました。

 次はバッハです。弦楽だけの編成はさらに小さくなりました。ディナースタインはチラシの写真から、スリムな美少女風かと勝手に想像していましたが、けっこう奥様風といいますか、熟女風でした。美しい女性には違いはありませんけれど。
 演奏は軽やかなものを期待しましたが、線の太いどっしりした演奏で、これはこれで良い演奏には違いないのですけれど、私の個人的好みからはずれ、感動も今ひとつというのが正直な感想です。東響の演奏もしっくりこなかったように感じました。アンコールのシューマンは良かったです。

 休憩後は大編成ではありませんが、管楽器、打楽器が加わって、漸く通常のオケの編成になりました。ショスタコーヴィチの1番は実演では初めて聴きます。めったに演奏される曲ではなく、東響定期ならではの曲目と思います。前半のプログラムは弦楽だけで、音響的におとなしく、欲求不満を感じましたが、漸くオーケストラの醍醐味を味わえたように思いました。各パートのソロもお見事でした。ゲルギエフのCDを聴きながらこの記事を書いていますが、負けず劣らずの名演奏だったと思います。緊張感あふれる終楽章で、一部の客(2人)の場違いな拍手で緊張がそがれたのが少し残念でした。

 カラビッツはウクライナ出身で今年34歳という若手です。全身を使い、腰をクネクネさせる特徴ある指揮ぶりは面白かったです。ショスタコーヴィチはすばらしい演奏であり、東響のメンバーも賞賛していました。なかなか魅力ある指揮者であり、今後が楽しみになりました。
 

(客席:2階C5-**、S席:定期会員、5500円)