NHK交響楽団演奏会 (加茂演奏会)
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2009年6月27日(土) 19:00  加茂文化会館大ホール
 
指揮: 梅田俊明
チェロ: 横坂 源
司会: 山田美也子
 

 


 
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 作品34

チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 作品33

(休憩15分)

ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 作品88

(アンコール)
「天地人」のテーマ


 
 


 

 久々のN響です。以前は某地銀の主催によるN響公演が毎年新潟県内で開催されていましたが、最近来演がなく、実に4年ぶりの新潟県での公演になります。前回(2005年)はルイゾッティの指揮だったのですが、仕事の都合で行けませんでした。私個人としましては、新潟でN響を聴くのは2000年7月以来であり、東京での定期公演を含めても2006年5月以来となりますので、本当に久しぶりです。
 今回は中越大震災復興5周年祈念と題する公演で、長岡、加茂、糸魚川で演奏会が開催されました。新潟市での公演がないのが残念でしたが、加茂なら近いので聴きに行くことにしました。
 実は、今日は新潟市では新潟大学管弦楽団のサマーコンサートがあり、そちらに行くつもりでチケットも買っていました。後になってN響と同じ日だということに気づき、どちらに行くかしばし悩みましたが、チケットの高いN響を選択しました。偶然ながら、どちらもメインがドヴォルザークの8番というのは面白いですね。

 ということで、仕事を終えた後、暑さ厳しい中加茂に向かい、早めの夕食をとってホールに着きました。このホールは2年前にブーニンのリサイタルを聴きに来たことがあり、今回が2度目ですが、ワンフロア1000席余りの多目的ホールです。フルオーケストラにしては小さいかも知れませんが、その分贅沢でもあります。新潟市から聴きに行く物好きはいないかと思っていましたが、友人がいてビックリしました。

 拍手の中楽員が入場。コンサートマスターは堀正文さんです。指揮の梅田さんが登場し、スペイン奇想曲で開演しました。この曲は南国の明るいイメージなのですが、ちょっと明るさの欠ける演奏に感じました。演奏そのものは良いと思うのですが、音色的には大太鼓の重低音が良く響いていたものの、ホールの響きのせいもあってか、オケの厚みが乏しく感じられました。以後FM放送でお馴染みの山田美也子さんの司会でプログラムが進みました。

 2曲目は新潟市出身の横坂源さんが登場して、ロココ風の主題による変奏曲です。ドイツ留学中ですが、このコンサートのために帰国したそうです。彼の演奏を聴くのは去年の3月以来ですが、音量豊かに美しい演奏を披露し、N響と堂々と渡り合っていました。楽器はサントリーから貸与された300年前の名器とのことで、音色もきれいでした。アンコールを期待しましたが、山田さんによるインタビューで終わってしまいました。まだ23歳と若く、これからの成長・発展がますます楽しみです。

 休憩後はドヴォルザークの8番です。第1楽章からバシッと決めてくれて、なかなかいい演奏でした。管楽器や堀さんのソロもきれいでした。ただ、オケのサウンドとしてはデッドなホールのせいか厚みに欠けて、ピラミッドサウンドにはならず、豊潤さが感じられませんでした。りゅーとぴあでの東響の演奏に慣れているためか、さすがのN響といえどもこのホールで聴く限りは平板に感じました。
 アンコ−ルは新潟にちなんで、大河ドラマ「天地人」のテーマでした。実はこれが一番楽しめて、音響的にも良かったように思います。皮肉ですねえ・・。

 総じて、いい演奏であり、悪いところもないのですが、さすがN響というような驚きが感じられなかったのも事実です。N響というより指揮者の問題なのかもしれませんけれど。指揮の梅田さんよりコンマスの堀さんの方が堂々としていて、態度が大きく、梅田さんが堀さんに気を遣っているように感じたのは私だけかなあ・・。
 また、FMではお馴染みの山田さんを直に拝見できたのも良かったです。適切な司会進行で、嫌みがなくて良かったです。たまには司会があるのもいいですね。

 さて、次のN響新潟公演は来年1月31日(日)にりゅーとぴあで予定されています。指揮はエドワード・ガードナー。どんな演奏をしてくれるか楽しみです。

 終演後は農道を通って帰宅。30分位で着いてしまいました。意外に近くて驚きでした。

 

(客席:20−31、S席:6000円)