りゅーとぴあ・プライム・クラシック1500 Vol.3 チェロ
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2008年5月23日(金) 19:00  新潟市民芸術文化会館コンサートホール
 
チェロ:水谷川優子  
ピアノ:寺嶋陸也
 
 
 
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007
グリーグ(ゴトーニ編):「ペールギュント」第1組曲 op.46
              「朝」、「オーゼの死」
              「アニトラの踊り」
              「山の魔王の宮殿にて」
グリーグ(ゴトーニ編):「ペールギュント」第2組曲 op.55 より
              「ソルヴェイグの歌」

(休憩20分)

ショパン(グラズノフ編):エチュード 嬰ハ短調 op.25-7
ショパン(ピアティゴルスキー編):ノクターン 嬰ハ短調 遺作
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 op.65

(アンコール)
ショパン:ノクターン 変ホ長調 op.9-2
黒人霊歌:誰も知らない私の悩み

 
 

 今日のコンサートは、出演者には何の予備知識もありませんでしたが、低料金に引かれてチケットを買ってしまいました。チラシの解説を読みますと、近衛秀麿のお孫さんで、多数のコンクールの受賞歴があり、ヨーロッパと日本で幅広く活躍しているんだそうです。共演の寺嶋氏もピアニストとしてだけではなく、作曲家としても有名なんだそうですが、私は全く存じ上げませんでした。
 夕方雑用が多かったのですが、何とか職場を抜け出して、開演間近にホールに着くことができました。それなりに賑わっており、売り出された席の8割方は埋まっているようです。

 最初は水谷川さんだけ登場し、バッハの無伴奏チェロ組曲です。パステルカラー(水色)のドレスがよく似合って、スリムな体型が美しかったです。演奏は・・・。うーん。最初のプレリュードは、響きの良いホールのためもあって、チェロの音色が美しく感じられ、これからいい演奏が繰り広げられる予感を感じさせましたが、曲が進むに連れ、何故か単調に感じられました。驚きがなく、心に響いてきません。どうにも緊張感が維持できず、申し訳なくも飽きっぽく感じてしまいました。私が肉体的、精神的に疲れているせいかもしれません。時々変な雑音が混じっていましたが、どうしたんでしょうねえ。

 続いて、ピアノの寺嶋氏が登場して「ペールギュント」が演奏されました。演奏はそれなりと思いますが、話が冗長だったように思いました。早く演奏してよ、といらだちを禁じ得ませんでした。「山の魔王の宮殿にて」では調弦を変えて、迫力ある演奏を披露してくれましたが、全体としてはイマイチ感動しきれませんでした。ただし、いかにも育ちの良さそうな話しぶりは好感が持てて、チャーミングでした。

 後半はショパンです。衣裳替えして、今度は薄いオレンジのドレスで登場しました。編曲物は面白いとは思いましたが、原曲以上の味わいはなく、チェロで演奏する意義は感じられませんでした。チェロソナタは初めて聴きました。ショパンがこのようなチェロの曲を作っていたとは知らなかったので、この曲を聴けたのは良かったですが、曲そのものは楽しむことはできず、退屈してしまいました。チェロがピアノの音に埋もれてしまっていたのも残念に思いました。

 アンコールに再びショパンが演奏されました。あまりに有名なノクターンですが、個人的にはもっとムーディに演奏してほしかったです。最後の黒人霊歌が一番良かったように感じました。

 容姿端麗。ヴィジュアル的には高水準だと思いますが、演奏そのものは、曲の選択もあろうと思いますが、あまり楽しむことはできませんでした。感動しきれなかったのは、私の精神状態に問題があったのかも知れません。今日の昼には「ワンコインコンサート」が行われて、小品が演奏されましたが、そちらの方が楽しめたかも知れません。癒しを期待したのですが、疲労感を感じたというのが正直な感想でした。

 この記事はマイスキー演奏の無伴奏チェロ組曲を聴きながら書いていますが、すごいですね。こういう演奏をしてくれたら良かったのにねえ・・・。比較しちゃいけないのでしょうけど。

 余談ですが、1階席前方で聴いた仲間の話によると、スカートのスリットから見える足がセクシーだったとか。品のない話で申し訳ありませんでした。
 

(客席:2階C3-7、会員割引、1350円)