ベルリンフィル12人のチェリストたち
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2004年7月7日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
 
第1部
1.12声のカンツォーナ 
/ジョヴァンニ・ガブリエリ
2.12の独奏チェロのためのブルース、エスパニョーラ、ルンバ・フィルハーモニカ /ボリス・ブラッヒャー
3.「ブラジル風バッハ」第1番から序奏(エンボラーダ−土俗的舞曲) /エイトル・ヴィラ・ロボス
4.マシュ・ケ・ナダ /ジョルジ・ベン(ワルター・デスパリ編)
5.“12人”のためのボサ・ノヴァ(ブラジル風変奏曲) /ヴィルヘルム・カイザー=リンデマン
6.フーガと神秘 /アストル・ピアソラ(ホセ・カルリ編)

(休憩20分)

第2部
1.二人でお茶を 
/ヴィンセント・ユーマンス(ミハイル・ツィガトキン編)
2.カサブランカ ”アズ・タイム・ゴーズ・バイ” /ハーマン・ハプフェルド(ヴィルヘルム・カイザー=リンデマン編)
3.ラヴ・ミー・テンダー /エルヴィス・プレスリー(ヴィルヘルム・カイザー=リンデマン編)
4.道 - ラ・ストラーダ 
/ニーノ・ロータ(ヴィルヘルム・カイザー=リンデマン編)
5.タイタニック /ジェームス・ホーナー(ヴィルヘルム・カイザー=リンデマン編)
6.ピンク・パンサー /ヘンリー・マンシーニ(ヴィルヘルム・カイザー=リンデマン編)
7.キャッチミー・イフ・ユー・キャン /ジョン・ウィリアムス(ダヴィット・リニカー編)
8.ジャングル・ブック ”ザ・ベアー・セネシティー” /テリー・ギルキソン(ヴィルヘルム・カイザー=リンデマン編)

アンコール)
1.クラップ・ヨー・ハンズ 
/ジョージ・ガーシュイン
2.ムーンライト・セレナーデ 
/グレン・ミラー
3.荒城の月 /滝廉太郎
4.リベルタンゴ /アストル・ピアソラ
 
 
 

 今日は七夕。しかし天気は下り坂。星空は拝めそうもないですがコンサートにはちょうど良いです。18時30分の開演ですので、職場を早めに出て急いで駆けつけましたが、この時間はかなり厳しいです。
 いつもの駐車場は満杯。市役所に置いて急ぎ足で会場に向かいました。本日は県民会館では若者の人気グループのコンサートがあり、開場待ちの行列を誘導する係員の拡声器の声が響いていました。ホールに着くと開演のチャイムが鳴っていました。

 客席は7割程度の入りでしょうか。3階席は空席が目立ちます。テレビ局との共催でテレビコマーシャルも流されていましたが、満席にはならなかったようです。後半の映画音楽特集を期待してか、いつものクラシックコンサートの客層とは違って若い女性の姿も多かったです。ステージ上は12人の椅子が半円状に並んでいます。

 黒シャツに白いジャケット姿の12人が登場し演奏開始。さすがに絶妙のアンサンブルです。高音から低音までの多彩な音色に、チェロという楽器の奥深さを実感しました。前半は秀逸な編曲もあって、12人のチェロが効果的に演奏され、演奏技術のすばらしさと相まって、ただただ驚嘆していました。特にブラジル風変奏曲やフーガと神秘はこのグループの面目躍如たる演奏だろうと思います。チェロで奏でるバンドネオンの音色には驚きを感じました。

 後半は映画音楽特集。イージーリスニング的な演奏になるのではないかと危惧していましたが、ムード音楽に陥ることなく、ベルリンフィルの一員としての品格を保ち続けてくれてありがたかったです。改まって聴くのもはばかられるようなポピュラー名曲ばかりでしたが、編曲で何とか緊張感を維持できていました。アンサンブルのすばらしさ、驚異的なテクニックは感じましたが、前半とは違って12人のチェロでなければならないという理由は最後まで感じ取れなかったです。

 アンコールは4曲。アンコール2曲目で席を立つ人がかなり多かったですが、会場の熱狂的拍手に答えてさらに演奏が続きました。最後の最後はピアソラで締めてくれて、へそ曲がりな私も満足させてくれました。

 正直言えば、後半も前半の延長でやってほしかったのですが、肩のこらない音楽もよかろうと思います。若い女性方のスタンディングオベーション、ステージに駆け寄っての握手など、ときにはこういう熱狂もいいものです。帰り際、サイン会の長い行列ができていましたが、若い女性ばかり。中年のおじさんはそそくさと退散することにしました。

 さて、18時30分開演というのは仕事帰りには厳しいです。遅れてくる客も数多く、楽章間に着席を待つため演奏が中断されてしまったのは残念でした。客の誘導のタイミングの問題もありますが、開演時間そのものの再考も必要だろうと思います。
 

(客席:3階I 6-9、A席6300円:会員割引)