東京交響楽団 第25回新潟定期演奏会
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2004年3月28日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:秋山和慶
ピアノ:中村紘子
 
ルトワルスキ:オーケストラのための書

ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21

(アンコール) 
ショパン:軍隊ポロネーズ

(休憩20分)

ペンデレツキ:交響曲第3番

 
 
 

 3月末をもって12年間勤務した現在の職場を去ることとなり、引っ越しや身辺整理で慌ただしい日々が続いていました。このコンサートも行けるかどうか微妙でしたが、何とか駆けつけることができました。
 今回の定期はショパンを除いてはなじみのない曲。どんな曲かと期待もある一方、退屈するんじゃないかという不安もよぎりました。

 会場に着くとステージ上で、秋山さんと中村さんによるプレトークが始まるところでした。ショパンの2番の難しさなど興味深く聞きました。そう言えば1番は良く聴くけど、2番はあまり演奏されないし、CDでも聴かないなあ・・・、と改めて感じた次第です。

 さて、会場はいつもの東響定期より客の入りが良かったです。渋い曲なのにどうしたのでしょう。中村さん目当てなのかなあ。しかし、私の隣の席の常連さんは欠席でした。言葉も交わしたことはないけどなぜか寂しいです。今日のコンマス(コンミス)は大谷康子さん。会場の大きな拍手で迎えられました。大谷さんのときの東響はいい演奏しますからねえ・・。

 1曲目はルトスワフスキ。なかなかいい曲なのでしょうが、花粉症に風邪を合併した身にはつらいです。ついウトウトしてしまいました。そんな状況ですので曲自身には特に感慨もないですが、東響のサウンドはすばらしく、音を楽しむことはできました。
 2曲目、中村さんが登場してショパンの2番。中村さんの新潟での演奏は何度か聴く機会がありましたが、なぜかいつも重く感じます。力強く、低音がグロテスクなまでに強調され、濁りを感じてしまいます。もっとさらりと演奏してもいいのに、などと感じながら聴き入っていたのですが、さすがにそれなりの感動は与えてくれました。アンコールは軍隊ポロネーズ。これまた力一杯のこれでもかという演奏。ここまでされると参ったと言うほかはないです。さすが日本の重鎮。

 休憩時間に、ネット上ではおなじみだった人と初めてお会いして大収穫。(これからもよろしくお願いいたします。私は定期会員ですから、東響定期は同じ席にいますので、顔を見たい方は席までどうぞ。)

 後半のペンデレツキの3番は、1995年12月初演というまさに現代曲ですが、なかなか聴きやすい曲でした。5楽章からなりますが、ショスタコーヴィチやストラヴィンスキーを彷彿させる場面が垣間見られ、親しみやすかったです。また、いつもはオケを陰で支えるヴィオラが前面に立って活躍する場面は新鮮でした。さらにオケの後方に12人の打楽器奏者がずらりと並び、音響的にも堪能できました。こんな曲を新潟のような地方都市で聴けるなんて、東響のおかげと感謝するしかありません。

 今回は意外にも曲自身を楽しめましたし、東響の演奏もいつになく素晴らしかったです。定期も25回となると、ときどきアレッという演奏もあったのも事実ですが、本日の演奏、音色はなかなか良かったです。これからも好演に期待したいです。
 さてさて、4月から新たな職場。気分一新で頑張りたいと思います。
 

(客席:2階Cブロック*−*)