■PowerBookG4のHDD交換その2

初版 20090109

PowerBookG4(12inch)のHDD交換その2

前回PowerBookG4(12inch 1.33GHz)のHDDを250GBに交換した。しかし一年で異音がするようになり、帰省中に長期間電源を落としていたら起動しなくなってしまった。なんとか復旧したのでまとめてみる。

  1. 現象
     電源を投入するとHDD部分から異音がする。ブート不可。[ctrl]+[cmd]+電源でリセットをかけると起動しかけるが、"I/O error"の表示が連続して出てしまい結局起動できない。


  2. 新しいHDDの用意
     2.5inchのATA-HDDで最大容量250GBの「WD2500BEVE」(Western Digital)を使用していたのだが、同じ容量のものはこれしかない。同じものを購入。前回使用したFireWire接続しPowerBookG4から起動できるHDDケース、「イッコイチBOX 2.5inch USB2.0+FWコンボ」(センチュリー)を用意。


  3. 元HDDの検証と修復
     OSディスクから起動(Cキーを押しながらCD起動)し、ディスクユーティリティの[First Aid]で内蔵HDDを調査。今回はS.M.A.R.T.エラーが出てしまいディスク名が赤色で表示され、ディスクユーティリティの一部の機能が使えない状態。そこでPowerBookG4をターゲットモードで([T]キーを押しながら電源投入)起動し、別のMacintoshにFireWire接続し、接続先のMacOSXでディスクユーティリティを起動して検査。こうするとS.M.A.R.T.エラーを無視してアクセスできる。検査の結果、ファイルシステムにエラーはなかった。


  4. 新しいHDDへコピー
     ここからはPowerBook G4を使用する。FireWireケースに新しいディスクを入れて接続。

     まずはMacOSXのインストールディスクを挿入して[C]キーを押しながら電源投入し、インストールディスクから起動。ディスクユーティリティからFireWire接続した新しいHDDを初期化。ラベル名は"Macintosh HD"で構わない。[復元]メニューを選択。ソースに内蔵HDDの"Macintosh HD"、復元先に外付けHDDの"Macintosh HD"をドラッグ&ドロップで指定。

     しかし、今回は復元の途中でエラーが発生し停止してしまった。


  5. コマンドラインによる復旧
     OSディスクから起動し、コンソールを起動。HDDは同じ容量なのでddコマンドで複製する。
    ls /Volumes
    Macintosh HD ← 内蔵HDDのマウントポイント
    Macintosh HD 1 ← 外付けHDDのマウントポイント
    
     マウントポイントが入れ替わる可能性もあるので注意!
    /bin/df
    Filesystem              512-blocks      Used     Avail Capacity  Mounted on
    /dev/disk0s10            488092128 303609016 183971112    62%    /Volumes/Macintosh HD
    /dev/disk1s10            488092128        **        **    **%    /Volumes/Macintosh HD 1
    
     **は適当な値。Usedが大きいほうが内蔵ディスク。ここでは/dev/disk0s10。


    /sbin/umount /dev/disk0s10
    /sbin/umount /dev/disk1s10
     コピーのためアンマウントする。


    dd if=/dev/rdisk0s10 of=/dev/rdisk1s10 bs=8192 conv=noerror,sync

     入力は内蔵ディスク、コピー先は外付けディスク。rawデバイスとして扱うのでディスク名の前にはrをつける。
     bsは1回あたりのコピーのサイズ。デフォルトでは512バイトだが、小さ過ぎるので8Kバイトにした。
     conv=noerror,syncはエラーが発生しても無視し、そのブロックはnullにするという指定。
     dd 動作中は[ctrl]+Tで状況を表示することができる。以下は入力エラーが発生している様子。ここがたまたま重要なファイルだったらアウトだ。




     だいたい5時間45分でコピーが終了した。


  6. HDDの交換
     これで外付けのHDDにコピーが完了したので、HDDをPowerBookG4内蔵のものと交換する。PowerBookG4(12inch)の分解については PowerBookG4 12inchの【分解】が詳しい。


 結果、運良くエラー箇所は重要なファイルでは発生せず、コピーは完了した。…ほんとはMacBookが欲しかったんだよう!新しいパソコンにインストールしたかったんだよう!250GB HDDの約8千円しかお金がなかったんだよう!



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