■流行 CUBE型PC
20030503
 以前から小型のマザーボードを狙っていた。標準的なミドルタワーのPC筐体はウチの領土の問題もあってこれ以上は増やせない。だが押し入れにある古いパソコンのガワだけをいただいて中身を替えるというのはどうだろうかと考えていたところ、17cm□のマザーボードが発表され、対応するケースも売り出された。これをそのまま組み立てるのもなんだか当たり前でつまらないので、ちょうどよいガワに詰め込んでみる。
[FREETECH P6F209B編] [VIA EPIA V10000編] [EPIA V10000トラブル編] [VIA VB7001G編]

MB27655 富士通純正ハードディスク

MB27655 5inch HDD  富士通FM-11/FM-16βのオプションHDD、MB27655。独自のインターフェースで接続し、容量は10MB。秋葉のジャンクで67MBのHDDドライブを見かけたので交換済。今回はこのケースを使います。せっかくなので内蔵している5インチフルハイトのHDDと電源の写真を。昔は電源を入れてから30分くらい経った後に物理フォーマットをするなんて話がありました。

中に詰めるもの [FREETECH P6F209B編]

CUBE 01 マザーボード:FREETECHP6F209B (Akiba PC Hotline!) 17cm×17cm
CPU:Celeron 850MB
Memory: PC100仕様の余り物256MB
HDD: 40GB
DVD-ROMドライブ: スロットインのやつ
電源: 小型のATX電源(ジャンク品)

工作

CUBE 02 CUBE 03  もともと内部で5インチHDDとインターフェース基板を仕切っていた鉄板があったので、加工して上側にマザーボードを搭載。下の空間には電源を転がし、HDDを固定。
CUBE 04  DVD-ROMドライブは縦置きに。この写真ではトレイ式のドライブを付けてみたが、イジェクト時のトレイの出っ張りが気になるためスロットイン式のドライブに交換。

CUBE 05  テスト中。電源ボタン以外のインターフェースはすべて背面から出すことに。厚い鉄板なので加工が大変なのですよ。

CUBE 06  前面は電源スイッチを流用。電源を入れるときはいったんON側にしてOFFに戻します。この波動スイッチと同じサイズのプッシュボタン、昔は呼び鈴などで見かけた記憶があるのですが、今どきははないと店のおじさんに言われました。

その後

2002.3.17より運用開始。
 …ということで1年で故障してしまいました。(続く)


承前 [VIA EPIA V10000編]

CUBE 12

 思い切ってマザーボードごと交換、今度はVIA EPIA V10000を採用。P6F209BとくらべてIDE I/Fは1系統と減りましたが、FDD I/Fとビデオ出力が増えています。CPUはC3 1GHz。
CUBE 13

 3.5inch FDDを追加してます。バックパネルはVGA,COM,PRINTERコネクタの六角ねじを外し、間に座金(ワッシャー)を挟んで固定。

 LowProfile用スゴイカードが搭載可能。Win2000、TurboLinux10Dで問題なく使用できます。

CUBE 11
ど〜ん

EPIA問題

 EPIA-V10000に交換してから、電源投入直後に起動しない、何度か電源ON/OFFを繰り返してもOS起動時にリブートがかかる、しばらく使っていると立ち上がるようになる…という現象が見られた。しばらく使って温まると動くようなので、調査した。

問題個所特定 充分に冷えた状態(室温 15℃)でマザーボード上の特定の場所をねらってドライヤーで温め、現象が変わるかどうか確認。紙でかこって狙った場所を集中的に温められるようにする。使用OSはWindows2000。

以上から、Vcore電圧生成の電解コンデンサあたりがリブートの原因。

ここで電源を交換して調査。350W電源と交換してもリブート現象は変わらず。

システムクロックを変更して実験。CPUのクロックが下がればCPUコアの消費電力も下がる。

以上から、core電源のマージンがなさそうに見える。

Vcore制御のISL6524CBについて。Vcoreを監視し、±10%の範囲を越えるとPGOOD(pin8)信号で電源異常を通知。これによりVcore異常事にはリブートがかかる。PGOODをピン上げした実験ではリブートがかからず、OS上でシステムエラーの表示。つまり、Vcoreが下がった事でCPUがまともに動作しなくなった。

Vcoreを強化。Vcore出力にある1000μ×3に3900μ×1を追加。さらにISL6524CBの設定で現在1.45VのところをVID25(pin7)をピン上げし、1.475Vにする。この状態でもリブートは発生する(1.475V±10%で監視されている事に注意)が、PGOODをピン上げすることでリブートはかからなくなる。Vcoreを上げた事でマージンが確保されたことによりOS上でのシステムエラーの表示はなくなり、OSは起動した。

電源投入直後で起動しない問題については、マザーボード上のショートプラグの設定でハードエラーによるリブートをDisableにすることで回避。ただし根本的な対処にはなっていない。なおこの設定でハードエラーのチェックを抑止してもVcore異常はリブートがかかります。

三代目 [VIA VB7001G編]

VB7001G

しばらく放置しておいたら電源も入らなくなってしまった。元々ジャンク品で買った電源、ついに壊れたようだ。だがこのままではもったいない。そこでACアダプタ形式の電源を購入した。ACアダプタは外付けの部分と、内部に設置するむき出しの基板からなる。この基板にスペーサを取り付け、接着剤で固定。ここからATX電源ケーブルを引き出す。ATX電源のコネクタからは4ピンの電源コネクタがひとつしか出ていないので分配する。棚を漁ると出てきました分配ケーブル。こんなこともあろうかと用意しておいてよかった。
で、VIA EPIA V10000ボードのまま電源を投入したら、OSはブートしないしmemtest86のCDもブートしないで吐き出すし、どうもおかしい。BIOS画面は出るのだが。


VB7001G

そこでマザーボード交換ですよ。今回はVIA VB7001G C7-D 1.5GHz 2GBメモリ搭載。これは元々別のMini-ITXケースに入れて動かしていたものだが、Atom330マザーボードにその座を奪われてしばらく休眠状態だったやつ。さあ、ここに取り付けるのだ。

Atom330に交換して使わなくなった理由は色々あるが、一番の問題はVB7001GのグラフィックスドライバがフルHD(1920x1080)に対応していなかったこと。これでテレビサイドPCから格下げとなったのだ。


VB7001G

マザーボード上のATX電源コネクタの位置が変わったせいで電源ケーブルがとどかない。棚を漁ると出てきましたATX電源延長ケーブル。こんなこともあろうかと用意しておいてよかった。

VB7001G

元々OSはWindowsXPをインストールしてあったので、ネットワークなど接続して動作確認。問題なし。ACアダプタは結構熱を持つ。ずっと触っていられないくらい。

プライマリマスターのIDEドライブはリムーバブルケースに入れているので、色々OSを入れ替えて実験も可能。

CUBE 11
ど〜ん


参考文献/Link:

  1. FREETECH
  2. P6F209B (Akiba PC Hotline!)
  3. VIA EPIA Vseries
  4. VIA EPIA V10000 (Akiba PC Hotline!)
  5. VIA-EPIAマザーボードの判明している問題点
  6. VIA VB7001シリーズ
  7. VIA VB7001G (Akiba PC Hotline!)

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