痔瘻治療ドキュメント
in C.P.C
Chapter-5 手術日(後編)

12:30
 帰室後、点滴をした状態で病室のベッドに移される。病室を出て手術を行い、戻るまでの所要時間は僅かに35分。この早さに看護婦さんも驚いていた。手術を行った患部からの出血の恐れがあるということで、仰向けで2時間は絶対安静に。仰向けの状態にすると臀部を圧迫させて止血の効果があるそうだ。手術をして治療をした安心感と、麻酔が切れたときの痛みを想像する不安感とが複雑に混ざりあい静かに時間が過ぎて行きます。
13:35
 検診です。同時に点滴もはずされました。 両足のつま先にも感覚がもどりはじめる。
14:45
 肛門周辺が少しあついし、熱をもった感じがする。いよいよ麻酔が切れるころだ。
14:50
 手術後最初の食事です。ゆでたまご、ビスケット、リンゴジュース以上3品。無事に手術が済んだ安堵感と空腹状態が続いていたせいか、とてもおいしい。安静中なので横になったままで食べる。処方箋による内服を開始。以後、食後30分以内に毎回服用。
16:00
 手術後、尿器を使用しての最初の排尿。翌朝までベッドの上で排泄である。尿量は少ない。手術後、約3時間半経過。肛門周辺が熱をもった感じからしだいに痛みへと代わりはじめる。麻酔が切れはじめた。キリキリがズキズキという感じに。痛みは感じるがまだ我慢は出来る。看護婦さんが様子を診にきてくれて、今の状態は手術時の麻酔が切れる時期と鎮痛剤の効きはじめのタイミングとの微妙な時期的なズレにより感じている痛みなので、鎮痛剤が効いてくれば治まりますと説明してくれました。痛みに弱い自分はこのまま麻酔が完全に切れて、痛みが激痛に突き進むと思い内心かなりビビッていたので、安心した。フェナゾックスという鎮痛剤はかなりの強者か?それとも苦痛を手術後に残さない奥田先生の成せる技かもしれない。
16:15
 恐る恐るおならをしてみる。肛門内に止血用の綿がはいっているので隙間からもれていく感じかな。痛みはない。
17:00
 看護婦さんに手術着から、寝間着に着替えさせてもらう。出血が少ないので寝返りも可とのこと。痛みは全くなし。
18:00
 看護科長さんがお茶を持ってきてくれて、痛みがないからとからだを動かしてしまうと腰痛麻酔の影響で翌日、頭痛や吐き気がでる場合もあるので、手術当日は出来るだけ安静にと。
18:05
 奥田先生が病室にみえて、痔瘻手術は切開開放術、裂肛は裂肛ドレナージという手術方法でおこない、手術前の患部の状態、手術の方法と結果、手術後の処置と患部のケア、退院後の生活指導まで詳しく丁寧に話をしていただいた。大きな奥田先生がさらに大きな聖人にみえた。感謝です。
18:20
 夕食です。献立は、お粥、肉じゃが、白身魚のキュウリとトマト和え、白菜のお新香にバナナといいです。大満足。
20:00
 二度目の排尿で尿量の多さに驚いた。尿器いっぱいだ。
20:30
 検診です。体温、血圧、脈拍。今は夕食後に服用する鎮痛剤が効いているので痛みは治まっているが、薬の効果が切れる深夜に、人によってはかなりの痛みがでる可能性があると聞かされて再びビビッて看護婦さんと対策をたてる。今は少しピリピリしてるが痛いほどではない。
23:00
 様子を診にきてくれた看護婦さんから、もし、堪え難い痛みがでた場合の鎮痛の方法として、筋肉注射というすぐれたものがあるときいて安心。
「我慢しないで一機にナースコールのボタンを押してください」
と力強い言葉をかけてくれたが鎮痛剤が切れることを思うと、なかなか寝付けない。情けない。