体位を取ったあなたの背後から医師が話しかけます。
「まず、指を入れますから、力を抜いてください」
産婦人科と肛門科医師の指は細くて長いところに価値があります。思わずびっくりして肛門に力が入ります。


ここで肛門の診察を受けるに際してのワンポイント。

指や器具が肛門にはいるときは、便をするときのように少しいきんでください。いきみの反射によって、肛門括約筋がゆるみ、楽に挿入することができます。怖がって括約筋を締めると、痛みは増すことになります。

「痛くないですか?」
そんなこと聞かれたって、返事する余裕もありません。「何でもいいから早くやってくれ!!」
でも、肛門指診は大切です。肛門指診をせずに、坐薬だけもらっていた(もちろん他の病院です)患者さんで、かなり進行した直腸癌が見つかることもあります。
「今度は肛門鏡で見ますよ」
肛門指診の時に、肛門に麻酔のゼリーが塗られているので、今度は幾分感覚が鈍くなっています。ひやっとする肛門境が挿入され肛門が広げられます。


つぎは、肛門科が使用する特殊な器具について。