昨年の夏休みの家族旅行は1泊しかできませんでしたが、今年は2泊3日です。今回は群馬・長野を巡りました。いつも同じようなところばかり行っているのですが、家族で楽しむのが目的。ひとりで行くなら、いくつもの温泉を巡って歩くところなのですが、家族旅行なので、ぐっとがまんです。
走り慣れた関越をのんびり走り、渋川伊香保ICで降ります。なだらかな登り坂を伊香保へと向かいます。台風が近づいているのですが、まだ天気は崩れていません。まず、子供たちの希望で伊香保グリーン牧場に寄りました。牛・馬・山羊・羊たちとたわむれ、子供は大喜び。乳搾り体験はいい思い出になりました。ここで昼食をとり、ゆっくり過ごしました。
このまま宿にチェックインしようかと思いましたが、台風接近中であり、明日行く予定だった榛名湖に向かいました。くねくねの山道で疲れましたが、榛名湖・榛名富士の景色はすばらしく、疲れも取れます。ついでですので、ひと休みした後榛名神社に向かいました。榛名湖からクネクネの坂道を下っていきます。神社前の駐車場に着いた後、そこからまた歩かなければなりません。いい運動になりましたが、うっそうとした木立の中のを歩き、心洗われるように思われました。途中急な腹痛に見舞われ、トイレでしばし休みましたが、きれいな心地よいトイレでした。参拝の後、それぞれがおみくじを買って運勢を見ましたが、その結果は内緒にしておきましょう。
再び同じ道を戻り、伊香保温泉に向かいました。榛名湖周囲にいろいろ温泉があり、看板が気になりましたが、家族の視線も冷たく、素直に車を進めます。
伊香保温泉街に着きましたが、旅館の場所がわからず、細道を走り回って、ようやく宿に着きました。車がやっと通れるくらいの急坂をやっとのことで登ってきたのですが、実は裏道で、よくまあこんな道をきましたねえと宿の人に笑われてしまいました。
さて、旅館は金太夫といいます。500年の歴史を誇る伊香保でも老舗の旅館です。聞くところによれば社長の名前が木暮金太夫というそうで、日本でも草分け的な温泉療法医なんだそうです。旅館の規模はかなり大きいのですが、ちょっと古ぼけているようでした。チェックイン後、部屋まで荷物は運んでくれましたが、お茶入れのサービスはありませんでした。実は、今日は大人1泊2食9800円という日本旅行の格安パック。仕方ないところでしょう。
さっそく入浴です。大浴場は2ヶ所あり、2階の古くからの大浴場は、赤茶けてしまっていて、暗く、年代を感じてしまいます。はっきり言うなら、汚い感じです。ただし、お湯はしっかりした伊香保の源泉が満ちあふれています。泉質が良い分、湯花(スケール)も多く、きれいに保つことは難しいのが事実なんだと思います。浴室内に何故かミロのビーナス像があるのが異様でした。さらに、ジャグジーの浴槽が別にあり、そちらの壁にはステンドグラスがあります。浴室がまだきれいだった頃は、しゃれた感じだったんだと思いますが、今になっては、薄暗さもあって不気味な雰囲気とも言えます。。
次に、展望大浴場に向かいました。ここは新しくきれいで、宿自身が高台にあるため景色も抜群でした。ただし、湯は気のせいか下の大浴場より薄いように思いました。露天風呂の湯はちょっと熱かったですが肌になじみました。屋上で涼める場所もあり、いい気分でした。
さて、泉質ですが、源泉名は、伊香保温泉 本線(混合泉)。泉質は、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉、源泉温度45.3℃。湯は褐色を呈しているものの、ほとんど無味無臭です。ガス性を除く成分総計は1203.1mg/kg、第二鉄イオンを6.1mg/kg含むため、赤茶けた色を呈しているものと思います。湯そのものは肌に優しい名湯。上州では草津と並んでメジャーな温泉だけはあります。
夕食は宴会場でした。部屋毎に席が作られていたのですが、料理も違います。よそはすき焼きなのに、当方は冷しゃぶ。ちょっと寂しい思いですが、何せ9800円コース。値段分の料理と納得しました。
夕食後は温泉街を散歩。石段が有名ですが、下から上まで下駄で上がると結構疲れます。下の娘にオンブをせがまれ、ふうふう言いながら登りました。石段の中央には温泉が流れ、風情あるたたずまいでした。この坂に広がる温泉街の路地裏は、今はやりの映画「千と千尋の神隠し」に出てくる温泉街とそっくりだと子供達は感激していました。私は見てないんでぴんとこないんですが。
翌朝は同じ宴会場で朝食。今度はみんな同じメニューでホットしましたが、やはり値段相応の内容と思われました。そのほかに、この値段で子供にはゲームコーナーのコインがもらえ、おみやげ券や同じ経営のベルツの湯の入浴券までもらえるので、お得なコースには違いありません。
チェックアウト後は竹久夢二記念館に寄って、さらに、せっかくの入浴券を使うべく、金太夫ベルツの湯に入りました。ここは入浴料が大人1000円くらいするのですが、ただで入れて幸運でした。旅館と同じ経営で、温泉療法医でもあった社長が、日本に温泉医学を伝えたベルツ博士にちなんで建設・命名した施設です。各種浴槽があって昔は画期的な施設だったのでしょうが、今の時代では、古さだけが目立つように思います。隣の温泉資料館にも是非寄りたかったのですが、鍵がかかっていました。
昼食を済ませ、上信越道を長野方面に進みます。いよいよ台風の襲来で雨模様です。ラジオでは伊香保方面は大雨のようでした。前の日に榛名湖に行ったのは正解でした。群馬側は大荒れで、サファリパークを諦め、妙義山付近の景色が見れなかったのが残念でしたが、長野に入ると小雨程度。時間があるので小諸で降りて寅さん記念館に立ち寄りました。家族一同寅さんファンで、この近辺に来た時は必ず立ち寄ることにしているのです。小諸ICからの下り道を進み、国道18号を越えて道なりに進むと、小諸駅隣の懐古園にたどり着きます。その横を少し進むと寅さんの帽子を彷彿させる「渥美清こもろ寅さん会館」があります。入場料は、大人500円、小中学生300円、幼児無料、水曜日定休で9時から17時まで開館しています。いつもの受付の兄さんもお元気そうで安心しました。何度来てもほっとします。館内には寅さんにちなんだ品々やビデオ展示、渥美清(田所康雄)氏の国民栄誉賞も飾られ必見です。売店では、お土産品や書籍類も多数販売されており、寅さんファンなら是非立ち寄るべきです。
夕方になり、次の宿、戸倉上山田温泉に向かいます。ここも数年前に家族旅行で来たばかりで、前回は「ねづみや」に泊まり、貸し切りの露天風呂に感激したのを思い出します。今回は上田館。この宿は、私としては3回目の宿泊です。ここは千曲川の河畔に建つ高層ホテルで、客室や浴室からは千曲川の流れやその向こうの信州の山並みを見渡すことができます。今日は大人12000円の日本旅行のパックです。今日はちゃんとお茶も入れてもらえたし、下の子には子供用のきれいな浴衣を用意してくれて大喜びでした。
一服の後、さっそく入浴です。8階に展望大浴場があり、露天風呂もあります。眼下に千曲川が流れ、山並みもきれいです。湯は、無色透明無味無臭ですが、肌に優しいいいお湯で、掛け流しされています。露天風呂は2段になっており、上の段は熱くて他の客は入れないようでしたが、私は鍛えてありますから入れます。入っているうちに肌になじみ、心地よくなります。幸い台風の影響は少なく、小雨交じりの風はすがすがしく感じられました。
夕食は料亭での食事。茶席付きの豪華な部屋で、優雅な気分での食事でした。料理も立派。昨日は値段相応の食事だったんで、いっそう豪華に感じます。大人には酒、子供にはジュースがパック料金に含まれていました。満足な夕食でした。
翌朝の食事も同じ部屋でしたが、これまた立派なものでした。12000円で、その他に、信州そばや味噌などのお土産まで付いているんです。十分過ぎる内容で、幸せな気分で宿を後にしました。
その後は、お決まりに、雨の中善光寺詣でをし、Mウェーブのオリンピック記念館に立ち寄って新潟へと向かいました。小布施・中野と進む道すがら、温泉の看板の誘惑が多く、温泉大国信州の底力を感じます。ひとりなら湯めぐりしながら帰るんだけどなあ、と思いながら車を進めました。実は、今回の旅行の出発前から、予定外の温泉に立ち寄り、取材・調査と称して、自分だけ温泉に入ってくるようなまねはしないようにと強く念を押されていたんです。
天候不良で観光地を予定通り回れなかったのですが、だんだん天候も回復してきたので、野沢温泉にだけ立ち寄りました。駐車場に車を止め、徒歩で回ります。ここは、2泊3日を2度体験してますんで、なじみの場所です。立ち上がる湯煙、坂道・細道に点在する共同浴場は野沢ならではの風情です。家内は入浴してきてもいいよと言ってくれましたが、あとでバカにするのは明白なので、大釜近くの土産物店でゆで卵を食べて帰りました。温泉でゆでた卵やとうもろこしは大変美味なんですよ。もう一泊したくなりましたが、金と暇の余裕がなく後ろ髪を引かれながら国道117号線を北上しました。
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