雪峰温泉 Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS (三条市) A  (泉質A、浴室A、設備B、眺めA)

三条市中野原456-1 TEL:0256-46-5650 営業時間:10:00〜21:00(最終受付20:30) 定休日:年中無休
泉質:ナトリウム-塩化物冷鉱泉、18.3℃
タオル:あり サウナ:あり 露天:あり 石鹸:あり シャンプー:あり 休憩所:あり 食堂:あり
https://www.snowpeak.co.jp/fieldsuitespa/hq/

場所:三条市から下田方面に進み、下田市街から案内板にしたがって田舎道を進むと、高台にキャンプ用品で有名なスノーピークの本社と広大なキャンプ場が出現する。その一角に温浴施設が、2022年4月15日にオープンした。施設は、浴室・レストラン等がある本館のほか、宿泊施設のヴィラ棟が3棟、モバイルハウス(住箱)4棟からなり、設計は隈研吾さんということで、自然と調和したデザイン性にあふれた建物も魅力である。

料金:一般料金が、大人1,600円、子供1,100円、スノーピーク会員料金が、大人1,400円、子供1,100円、県民割引料金(新潟県内居住者)が、大人1,400円、子供1,100円で、いずれもレンタルタオルセット付。館内着は別料金。当初は地元割引料金(三条市・燕市・見附市の居住者)が設定されていたが、2022年11月より県民割引に拡大された。
館内に入ると、奥に受付機が2台あり、クレジットカード、電子マネー、現金での支払いが可能。印字されたレシートを右の受付に提出すると、タオルセット入りのバッグとロッカーキーが渡される。

浴室:地下1階に下り、靴を脱いで、左にある下足室の下足箱に入れる。下足箱は好きなものを選び、鍵は自分で保管する。階段を下りた正面に浴室がある。通常は、右が男湯、左が女湯であるが、日によって男女が交換している場合がある。入り口のセンサーにロッカーキーをかざすと開錠されてドアが開く。
 脱衣場にはロッカーが4ブロックあり、ロッカーに挟まれるように、中央に洗面台・化粧台が2ブロックある。シンクはステンレス製で、デザイン性に優れる。ドライヤーはダイソン製。高級そうな乳液、クレンジングオイル、ローションが置いてある。ロッカーの各ブロックには、籐製のスツールとダイソンの空気清浄器がある。ロッカーに溶け込むように、紙コップ式の給水器があり、紙コップをかざすと水が出てくる。
 浴室内は外側が全面ガラス張りで開放的である。窓際に15mほどはありそうな長方形の大浴槽がある。手前は木枠があるが、窓側は枠がなく、入浴した視線では湯面と景色が一体化する。隅に天井から伸びるパイプがあり、非加熱源泉が供給されているほか、浴槽の手前側の底に加熱源泉の注入口があり、外側の浴槽の底から吸引されているほか、窓際の浴槽縁からオーバーフローされている。オープン直後ながら、源泉供給部は茶色に変色し、源泉のパワーを物語る。
 洗い場は、右の浴室は4ヵ所ずつ3ブロックで計12ヵ所、左の浴室は5ヵ所ずつ3ブロックで計15ヵ所あり、ボデイソーブ、シャンプー、コンディショナー、洗顔用ソープがある。鏡は正面ではなく左にあり、30度位斜めに内側に向けて取り付けられている。高さは低く、洗いながら外の景色を楽しめるというコンセプトである。
 サウナは、円筒形のサウナヒーターを取り囲むように席が設置され、外側は全面ガラス張りで、外の景色を見ながら楽しめる。サウナストーンに自分で水を掛けるセルフ・ロウリュが可能。水風呂があるが、天井から伸びたパイプから水が供給されている。奥は1.2mの深さがある。
 外には6畳ほどの露天風呂があり、内湯同様に外側には枠がなく、湯面と一体化した景色を楽しむことができる。湯は外側の浴槽の縁からオーバーフローされ、湯に浸かるとザバーッと流れ落ちる。湯は金属製の注湯口のほか、浴槽底から加熱源泉の供給もある。外側の浴槽の底からは吸引されており、循環されている。浴槽は内湯以上に茶褐色に変色しており、内湯より若干湯の鮮度が高く感じられた。(写真は露天風呂からの眺め。公式サイトの写真をお借りして加工した。)
 また、外にデッキがあり、スノーピーク製の折りたたみ椅子が多数並べられていて、景色を眺め、外気浴しながらクールダウンすることができる。左の浴室は右の浴室より若干奥まった場所にあり、視界が若干制限される。

泉質:源泉名は、雪峰(せっぽう)温泉。泉質は、単純温泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)、源泉温度32.4℃、使用温度:内風呂42℃、露天風呂43℃。主な成分(イオン濃度:mg/kg、平成29年7月25日付)は、Li <0.1、Na 174.5、K 10.7、NH4 3.2、Mg 4.6、Ca 11.0、Sr 0.1、Ba 0.3、Al <0.1、Mn <0.1、Fe(II) 1.3、Fe(III) <0.1、F <0.1、Cl 231.6、Br 1.4、I 0.5、HS <0.1、S <0.1、S2O3 <0.1、SO4 13.4、HCO3 84.0、CO3 0.2、メタケイ酸 83.6、メタホウ酸 1.0、メタ亜ヒ酸 <0.1、遊離CO2 19.0、遊離H2S <0.1 など、ガス性成分総計は594.7mg/kg(溶存成分総計 613.8mg/kg)である。加水なし、加温あり(適温を維持するため)、循環あり(温泉資源の確保と衛生管理のため)、消毒あり(衛生管理のため塩素系消毒を実施)とのこと。
 実際の湯は、淡黄色透明で、芳香があり、若干の塩味を感じた。源泉温度から、加熱、循環・ろ過、消毒は避けられないが、塩素臭いこともなく、気持ち良く入浴できた。肌に優しい泉質で、若干のツルスベ感があって、温まりは良かった。なかな魅力的な温泉である。

 その後、2022年5月11日付の新しい分析表が掲示された。泉質は、ナトリウム-塩化物冷鉱泉(低張性・中性・冷鉱泉)。源泉温度 18.3℃で、使用位置は、内湯42℃、露天風呂43℃。湧出量やPHの記載はない。主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.1、Na 377.2、K 28.1、NH4 5.9、Mg 37.4、Ca 88.1、Sr 0.7、Ba 0.2、Al <0.1、F 0.2、Cl 795.5、Br 4.6、I 1.6、HS 0.1、S <0.1、S2O3 <0.1、SO4 8.7、HCO3 139.3、CO3 0.2、メタケイ酸 87.8、メタホウ酸 2.4、メタ亜ヒ酸 <0.1、遊離CO2 23.2、遊離H2S <0.1 など、ガス性除く成分総計は1582mg/kg。mVal、mVal% の記載がないのは残念で。加水なし、加熱あり(適温を維持するため)、循環利用あり(温泉資源の確保と衛生管理のため)、消毒処理あり(衛生管理のため塩素消毒を実施)とのこと。

コメント:1階にはショップのほか、奥にコース料理が提供されるレストランがあるが、休憩設備はない。浴室のある地階には、湯上り処として飲食ができる Snow Peak Eat があり、お座敷のほか椅子席があり、外にも席があって、外気に触れながら食事が可能。待ち合わせ休憩所として、木製のベンチ的な場所があるが、ほかに休憩スペースはない。
 ガラス張りで、眺望重視で設計され、自然と一体化した施設は斬新であり、さすが隈研吾さんの設計である。浴室・サウナ・洗い場のいずれからも外の景色を見ることができる。粟ヶ岳を望む景色は雄大であり、温泉以上の喜びを感じる。休憩設備が乏しいのが難点ではあるが、セレブ気分を味わいながら、自然と一体化した入浴を楽しめるのは素晴らしい。

(No.536 2022/4/26、2022/5/14追記、2022/11/13追記)

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