場所:前記の深山荘からさらに山を上る。深山荘へ上る道の途中から車のすれ違いも困難な細い道を進む。途中までは舗装があるが、その先はガタガタの泥んこ道である。カーブや勾配はきついので、覚悟して進む必要がある。4WDの方が安心かな。馬力のない車はきついかもしれない。この道を上った先にある小屋が温泉である。この山の向こうは長野県である。こんな山の上であるから景色は雄大。晴れていれば日本海、米山まで一望できる。当然冬期は休業となる。 料金:大人500円、小人250円、タオルなし。 浴室:浴室は2つあるが、男女の区別があるわけではない。何せ脱衣場は一緒である。主人にどっちに入ればいいか聞いたらどっちでもいいというので、当然両方に入った。両方の浴槽はつながっていて、左の浴槽に源泉の注ぎ口があり、右の浴槽から流れ出ている。つまり掛け流しである。浴槽は2人入るのもきつい程度の大きさしかない。当然決してきれいではなく、蛇口がひとつあるだけで、シャワーなどない。固形石鹸があるのみ。男女の区別がないので女性は躊躇されるかもしれない。見晴らしのいい所に建つが、浴室からは景色は見えないのが残念。他に少し離れたところに露天風呂があるが混浴である。こちらは当然ながら展望がよい。その後露天風呂の使用が開始された。 泉質:古ぼけた効能書きが掲示してあるが、泉質・成分の詳しい記載はない。浴用の他に飲用の効能が書かれている。硫化水素の含有量は多いらしい。石川、富山、新潟では類をみない含有量だという意味合いのことが書いてある。浴室内には硫黄臭が漂う。湯は白濁し、白い繊維状の湯花が浮遊している。飲むと硫黄味がする。泉質そのものはいい。源泉、湯花の持ち帰り可能という。この温泉は、天然ガスで24時間沸かしっぱなしで、沸かした源泉をそのまま浴槽に注ぎ、掛け流しにしているので、源泉の魅力をほぼ100%堪能できる。冷鉱泉の魅力を引き出す最高のやり方と思う。 コメント:相当な悪路を上らなければならないので覚悟すること。初めて訪れたときは車がデコボコ道で壊れてしまい、上越の自動車店までやっとのことで帰った。2度目は家内の車(1000cc)で強引に坂道を登ったが、息も絶え絶え。また泥はねだらけで叱られた。観光気分の人には向かない。家族連れは深山荘でやめておいた方が良い。私が訪れたとき、地域情報誌のKomachi上越版での紹介記事(この特集では私も紹介されていた)を見たという家族連れが来たが、恐れをなして帰った。ここは純粋に温泉を味わいたい人だけにお勧めしたい。深山荘への道の分岐点に営業中かどうかの看板が出ているので確認のこと。雪が降れば冬期休業となる。また春に訪れたい。 *最近悪路のはずの道路が舗装され行きやすくなったそうです。また、県内外の客で大変混雑するそうになったそうです。混み合って、入浴できずに帰ったという話も耳にしました。(2002/9
追記) 附記:行くとかわいい犬が出迎えてくれる。ダンボという名前だそうだ。車の所まで迎え出てくれたのには感激。主人の飼い犬だそうで、子犬のとき耳が大きかったのでダンボと命名したという。主人は毎日麓から犬と通っているとのこと。 深山荘の項でも記載したが、宇津俣地区での温泉利用(沸かし湯)の歴史は、240年以上に及ぶ。天然ガスを利用して沸かし湯を営業し、盛衰を繰り返してきた。現在の鷹羽鉱泉としての営業開始は昭和初期らしい。現在この地区には、深山荘(宇津俣鉱泉)、鷹羽鉱泉の2つがあるが、この他に、昭和20年代には清水平鉱泉というのもあったという。訪れる人もなく廃業したようだが、今はどうなっているのだろうか。 (No.150 1999/11、2017/7/16追記) |
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