第23回新潟第九コンサート2024 | |
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2024年12月22日(日)14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール | |
指揮:平川範幸 ソプラノ:中須美喜、アルト:横瀬まりの、テノール:平野太一郎、バリトン:牧山 亮 管弦楽:新潟交響楽団 合唱:新潟第九合唱団(合唱指揮:佐藤 匠) |
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モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲 K.492
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今日は年末恒例の「第九」です。毎年聴いていますので、これを聴かないと年は越せないと勝手に思い込み、今年も2024年最後のコンサートとして聴かせていただくことにしました。 チケットはSS席から設定されていましたが、毎年3階正面のS席のすぐ後ろのA席を定席としていて、今回もそうしようと思ったのですが、間違えてA席直前のS席にしてしまいました。 すぐに気付いたのですが、受付のお姉さんがすでに座席表にチェックを入れていましたので、変更するのも申し訳なく、そのままS席にしました。でも、1000円の違いは大きいですよね。 さて、今日から冬型が強まり、大荒れの天候が予想されていました。山間部中心ではありますが、平野部でも降雪が予想され、朝から強風が吹いていました。 こんな日曜日の朝を迎えましたが、昨日の公演の記事がまとまらず、10時半過ぎまでかかってしまいました。記事をアップして、雑務を終えて、ゆっくりと昼食を摂り、おもむろに家を出ました。 午前中は晴れ間も見えていましたが、次第に厚い雲が広がって、強風とともに激しく雪が吹き付けてきました。雪が降ったりやんだりと、目まぐるしく変化する天候の中に車を進めたのですが、りゅーとぴあ周辺の駐車場はどこも満車でした。今日は県民会館、劇場、能楽堂、スタジオAとフル稼働で、混雑していたようですね。 白山公園駐車場も市役所駐車場も満車で、陸上競技場駐車場も入場待ちの長い列ができていました。どうせ空いているだろうと、ゆっくり家を出たのが失敗だったと反省しましたが、後の祭りです。 開場時間は当に過ぎていましたので、西堀に行き、少し離れたコインパーキングに車をとめて、寒風が吹き荒れる中に、急ぎ足で西堀通りから白山神社を抜けてりゅーとぴあ入りしました。 ロビーは多数の人で賑わっていて、知人の顔もチラホラありました。すぐに入場して3階正面の席に着きましたが、合唱団が入場してきて、ステージ周りの左のEブロックにソプラノ、後方のPブロックにテノールとバス、右のAブロックにアルトが着席しました。 出演予定だったアルトの湯川亜也子さんが諸般の都合により出演できなくなり、横瀬まりのさんに変更になったとのアナウンスがあり、配布されたプログラムを見ましたら、すでに変更されたものになっていました。 客席はびっしりと埋まり、立見席の販売もあったようで、2階・3階のサイド席後方の立見席にも多数の人がおられました。 駐車場の混雑を勘案してか、開演時間を5分超過したところでオケの団員が入場しました。全員揃うまで起立して待ち、最後にコンマスが登場して一礼し、着席してチューニングとなりました。 オケのサイズは12型で通常の配置。弦5部は、私の目視で 12-11-9-8-8 です。客席の各所に収録用のテレビカメラが設置されていましたが、ステージ上のカメラマンは、オケ団員と同様の黒スーツに蝶ネクタイでした。 指揮の平川さんが登場して、前座としての1曲目は、今年はモーツァルトの「フィガロの結婚」序曲でした。最初の弦の速いパッセージから美しい響きで走り出し、躍動感溢れる音楽で快適にまとめてくれて、「第九」への期待を高めてくれました。 管楽器・打楽器の団員が増強されるとともに、遅れて来た客がゾロゾロと入場して席に着き、平川さんが登場して、いよいよ「第九」です。 第1楽章は、ホルンとともに霞み立つような弦のトレモロから、次第に熱量を上げて力強く主題を奏でて、演奏が始まりました。 緊張感を維持しながら演奏が進み、緊張感が最高潮となってティンパニが激しく連打し、穏やかな緩徐部の後に再び暗い影に襲われます。アマオケとしての若干の乱れもなんのその、緊迫感のある演奏の後、ホルンが歌い、オーボエにフルートが呼応し、ひと呼吸置いて力をアップさせ、激しく歌い上げて楽章を終えました。 長い間を取って始まった第2楽章は、弦とティンパニに始まり、管とともにリズムを刻みましたが、ゆっくり目に感じました。繰り返しが行われてもゆっくりさに変化はなく、私の個人的な好みとは若干のずれがありました。 それでも木管とともに弦がゆったりと歌い、ホルンが歌う場面は美しく聴かせてくれました。ここが決まればこの楽章は勝ちです。その後は美しく繰り返しをまとめてくれました。緊迫感の中に力強くリズムを刻み、最後はゆったりとした空気感の中に楽章を閉じました。 ここでチューニングが行われ、拍手の中に独唱者の4人が登場し、ステージ後方の独唱者席に座りました。この間にも遅れて来た客が席に着いておられました。 落ち着いたところで第3楽章です。ゆったりと、美しく弦が歌い、管が呼応して極上の音楽を作りだし、天国へと誘われました。欲を言えば、もう少し滑らかさがあればと思いましたが、長大な楽章を美しくまとめ上げてくれました。 激しいパッセージとともに、いよいよ第4楽章です。低弦が力強く、上々の出だしでした。これまでの各楽章の主題が奏でられ、それを低弦が否定します。 そして、チェロとコントラバスが、お馴染みの歓喜の歌のメロディを静かに歌いだし、それをヴィオラが引き継ぎ、そしてヴァイオリンへと引き渡されていきますと、すでに感動が胸に込み上げてきました。高らかに歓喜の歌を全奏しますと、目に涙が浮かんできました。 合唱団が立ち上がり、照明が当てられ、バリトンが歌い出す場面は、一番の見どころ・聴きどころであり、ホールでしか味わえない感動です。 4人の独唱者がその力を競い合い、合唱団が力強く、高らかに歌い、早くも大きな感動を生みました。近くの老婦人が飴玉をバリバリと音を出して取り出していたことなど些細なことでしかありません。 大太鼓、シンバル、トライアングルによる行進曲もバッチリと決まり、大太鼓の低音も私好みで、いい感じに響いていました。 力強い男声合唱と左右のソプラノとアルトの掛け合いのステレオ効果も美しく、聴き応えがありました。これは客席に配置された合唱団ならではの演奏効果であり、りゅーとぴあのコンサートホールならではの味わいです。この感動は後日放送されるテレビでは味わえませんものね。 合唱団が大活躍している間は着席してひと休みしていた独唱陣が立ち上がり、最後の歌合戦となり、合唱団とともに高らかに歌い、独唱者の最後の見せ場・聴かせどころが終わって、後はフィナーレへと突入するのみです。 打楽器部隊が力強くリズムを刻み、合唱団は力の限りに歌い、平川さんの煽り加減はほどほどでしたが、興奮と感動のフィナーレを迎えました。 ブラボーが早すぎて、もう1秒待ってほしかったですが、ホールは大きな感動に包まれて、大きな拍手が贈られました。 合唱指揮の佐藤さんも含めて、何度もカーテンコールが繰り返されて、素晴らしい演奏を大きな拍手で讃えました。4人の独唱者、指揮者、コンマス、合唱指揮者に花束が渡されて、一段と大きな拍手が贈られました。 独唱者がステージ後方の席に着き、アンコールは定番の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」です。合唱団は「第九」は暗譜で歌いましたが、椅子の下に隔していた楽譜を取り出して歌いました。 美しく、しっとりとした演奏は、この上なく清らかであり、汚れた私の精神を浄化してくれるかのようで、「第九」の感動と興奮を鎮めてくれる極上のデザートでした。 満足感とともに外に出ますと、雲の切れ間から空も見えていましたが、風は冷たく、防寒コートのフードを被って、西堀のコインパーキングへと急ぎました。 帰り道は吹雪になったり、止んだりと、目まぐるしく変わる天候に、大雪になりませんようにと祈りながら、ハンドルを握りました。 なお、今日の演奏の様子は、12月30日(月)の午前8時から、BSN新潟放送で放送されますので、是非ご視聴ください。 (客席:3階 I 4-8、S席:\3000) |