新潟市消防音楽隊創設60周年記念演奏会
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2021年2月13日(土) 14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
指揮:石坂幸夫、渡部倫也
賛助:本間美恵子(パーカッション)
司会:近藤京子
 
第1部
岩河三郎:サンライズ・マーチ
古関裕而:オリンピック・マーチ
ジョン・グラム:麒麟がくる
ロバート・ジェイガー:シンフォニア・ノビリッシマ

(休暇15分)

第2部
和泉宏隆:オーメンズ・オブ・ラブ
リチャード・シャーマン/ロバート・シャーマン:
   スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス
星出尚志・編:ジャパニーズグラフィテイX 「時代劇絵巻」
桜井和寿:GIFT
草野華余子:紅蓮華
森田一浩・編:ジャパニーズグラフィテイXXI

(アンコール)
バックドラフト
サーカス・ビー
 

 新潟市消防音楽隊は1960年1月に結成され、昨年創立60周年を迎えました。1964年6月の新潟地震後に活動を中止しましたが、1979年4月に再結成して活動を再開し、隊員は所属部署での業務をこなしながら音楽活動、広報活動を行っています。
 新潟市関連の各種行事に出演して市民の防火意識の高揚を呼びかけているほか、2年に1回定期演奏会を開催していますが、私はこれまで聴いたことはありませんでした。今回創立60周年記念の演奏会を開催するとの案内を目にし、初めて聴かせていただくことにしました。

 メールで申し込みをしましたが、参加希望者が多く、すぐに募集は締め切られました。昨日に追加公演として公開リハーサルが設定されましたが、これも募集人数はすぐに埋まったようです。新型コロナ対策で客席数を減らしたためもありましょうが、ものすごい人気ですね。

 さて、今週は前半は新潟の冬らしい悪天候でしたが、後半は青空も見えて過ごしやすくなりました。日差しのありがたさを感じます。今日も雲は多いものの気温が上がって、春のような陽気になりました。このまま春になってくれたらありがたいのですが、まだ2月です。来週は再び寒くなり、雪の予報が出ています。つかの間の好天を楽しみましょう。

 ということで、早めに家を出て、白山公園をぶらついてりゅーとぴあ入りしました。チラシ集めをし、東側ロビーで休息していますとちょうど開場時間となり、早めに着席してこの原稿を書き始めました。申込み時に席は1席おきに指定され、私は3階左の最後方です。

 実は、このコンサートと同じ時間に、スタジオAでは「高橋百合&小林浩子 ジョイントリサイタル」が開催され、そちらにも行きたかったのですが、こちらのコンサートが先に発表になり、先に入場申し込みをしていました。
 座席指定を受けているのに聴きに行かないのは失礼ですので、こちらを選択したのですが、後ろ髪を引かれ微妙な心境でした。まあ、新潟のクラシックファンはスタジオAに行かれるでしょうし、チケットも完売となったとのことでしたので、私はこちらをレポートさせていただきます。

 パイプオルガン前にはスクリーンが設置されていて、公報ビデオが流されていました。時間とともに客席は埋まりましたが、きれいな市松模様とはならず、かなりの抜けがありました。申し込んでいながら来なかった人もかなりあったものと思います。もったいないですね。
 予想通りに、いつものクラシックコンサートとは違って、乳幼児から老人まで客の年齢層は幅広く、演奏中も次代を担う子供の叫び声がホールに響いていました。

 開演時間となり、隊員が入場。新潟市消防局長の挨拶の後、吹奏楽コンサートではお馴染みの近藤京子さんによる手慣れた司会進行で演奏が進められました。

 1曲目は、第1回定期演奏会での演奏曲「サンライズ・マーチ」です。60周年記念ということで、スクリーンに第1回演奏会の様子が投影され、その演奏が流されました。その後、1979年の再結成時の隊長で、この第1回演奏会に出演されたというレジェンドが登場して指揮をされました。記念演奏会の開演にふさわしい演出であり良い演奏でした。
 演奏後花束贈呈となりましたが、手渡しでなく、テーブルに置いた花束を受け取るという趣向でした。これはやりすぎかもしれませんね。

 2曲目以降は常任講師である石坂さんの指揮での演奏です。2曲目は「オリンピック・マーチ」。軽快に高らかに演奏し、ホールを盛り上げました。
 3曲目は「麒麟がくる」で、和太鼓も交えて迫力を生み、なかなかいい演奏だったと思います。賛助出演の本間さんがいい味付けをしていました。
 4曲目は「シンフォニア・ノビリッシマ」です。これぞ吹奏楽というような引き締まった演奏で前半の最後を締めくくりました。

 休憩後の後半は、隊員は救助、消防、救急、事務の各職種の制服に着替えて登場しました。指揮は隊長の渡部さんに交代しました。
 最初は「オーメンズ・オブ・ラブ」を軽快に演奏し、次は名前を覚えられない「スーパーカリフラヒリスティックエクスピアリドーシャス」を楽しく演奏しました。
 続いては「ジャパニーズグラフィティX」。水戸黄門・銭形平次・大江戸捜査網・大岡越前・暴れん坊将軍という懐かしい昭和の時代劇がメドレーで演奏され、楽しませていただきました。
 その後は「GIFT」が演奏された後に火災予防についての詳しい説明があり、流行の「紅蓮華」を軽快に演奏した後、祝電披露がありました。
 コード・ブルー、JIN−仁−、ドクターXという医療関係のドラマのメドレーの「ジャパニーズグラフィティXXI」をしっとりと演奏して、予定された後半のプログラムを終えました。

 場内が暗転し、スクリーンに消防隊が活躍する様子が映し出され、アンコールは「バックドラフト」。荘厳な雰囲気が漂うかっこいい演奏でした。
 前半指揮した石坂さんがステージに呼び出されて花束贈呈。このときもテーブルに置かれた花束の受け渡しでした。
 石坂さんの指揮でアンコール2曲目は「サーカス・ビー」。これは最後を飾るにふさわしい演奏であり、軽快なマーチで盛り上げてくれました。引き締まった演奏で、これが今日の演目で一番良かったように感じました。

 消防音楽隊の皆さんは、業務としての音楽活動をされていますが、消防業務を行いながらの活動です。音楽を専門としているわけではなく、ときにアマチュアとしての危うさが垣間見えましたが、音楽を届けようというひたむきさが伝わってきました。賛助出演の本間さんは、ティンパニを主体に各種演奏されていましたが、随所で演奏を引き締め、プロの技を見せてくれました。

 肩の凝らない楽しいコンサートで、気分爽やかにホールを後にしました。やりすぎと思うくらいのコロナ対策がなされ、関係の皆様方は大変だったことと思います。ご苦労様でした。
 
 

(客席:3階J4-19、無料)