ヴァイオリン(佐野正俊)、チェンバロ(師岡雪子)、ヴィオラ・ダ・ガンバ(中山 徹)からなる古楽アンサンブルのプロジェクト・リュリは、友情出演としてヴァイオリンの庄司
愛さん、ソプラノの風間左智さんらを迎えて、毎年だいしホールを会場に演奏会を開催されています。
音楽的素養のない私は、古楽というと、敷居が高く馴染みにくく感じていたのですが、プロジェクト・リュリの皆さんのコンサートをきっかけに、古き時代の音楽を、身近なものとして聴くことができるようになり、音楽の幅広さを知ることができるようになりました。
しかし、今年は新型コロナ禍で、会場のだいしホールが使えず、アンサンブルとしての活動もできなかったことから、プロジェクト・リュリとしてのコンサートとしてではなく、スピンオフ企画として、ヴィオラ・ダ・ガンバの新潟の第一人者である中山先生の単独のコンサートとなりました。
今回も中山先生よりご案内をいただき、わが旧友の「一人旅」を見届けるべく、コンサートに参加させていただくことにしました。
冬が近付き、気分も暗くなる毎日です。車が追突されたり、体調を崩したりと、悪いことが続いています。苦痛の日々でしたが、治療が奏功して元気が出てきました。早くから行く予定にしていたこのコンサートに絞って体調を整えました。
雨こそ降らないものの、どんよりとした雲が空を覆い、気分も晴れない日曜日になりました。ゆっくりと朝食兼昼食を摂り、新潟駅前へと車を進めました。
コインパーキングに車をとめ、久し振りに新潟駅をぶらつきました。工事の真っ最中で、見苦しい状況が当分続きそうですね。
本屋や電気屋さんをのぞいて、頃合いをみてマルタケホールに向かいました。このホールは、建て替えられたマルタケビルの中に作られたホールで、客席数は101席とかなり小振りです。
今年のゴールデンウィークに合わせてオープンし、新潟の音楽家による開館記念公演も発表されて楽しみにしていたのですが、コロナ禍でオープンできず、開館は秋まで持ち越されました。
開館後、小黒亜紀さん、坂井加納さんの公演が開催されましたが、平日で行くことはできず。私は今回が始めてです。ということで、マルタケビルに入り、エレベーターで8階に上がりました。
狭いロビーに数人の客。ほどなく開場となり、体温チェックを受け、チケットの半券を自分で切って受付し、ホールに入りますと、中山先生がおられましたので、挨拶して右前方に席を取りました。新型コロナ対策で、当初客席数101人のところ、入場定員は45人とのことでしたが、緩和されたようで、かなりの客の入りでした。
コンパクトなホールで、ステージも非常に小さいです。グランドピアノを置くと、ステージに余裕はなくなりそうです。客席は結構座り心地は良く、だいしホール同様にテーブル格納式です。
時間となり、ホールの照明が落とされ、「モニカによるアリア」で演奏が開始されました。柔らかく音量豊かなガンバの響きが快くホールに響き渡りました。
以後、デュマン、テレマン、C.P.E.バッハと、17世紀初頭から18世紀半ばまでの古き時代の音楽が奏でられました。初めて聴く曲ばかりで、ガンバのふくよかな響きとともに、いにしえの時代へとタイムスリップしました。
日頃聴く近現代の音楽とは全く異質であり、非日常を味わうことができました。この年になっても音楽の奥深さを感じ、見識を広めることができて感謝です。
中山先生の熟練の演奏により響き渡るガンバの調べ。優雅な時間を過ごすことができて良かったです。来年はプロジェクト・リュリとしての活動ができると良いですね。
と、気分良く帰宅したのですが、今日も新潟県内で7人の新型コロナ感染が確認されたことが発表され、また暗い気分になってしまいました。
(客席:D-13、¥800) |