東京交響楽団新潟定期演奏会当日に恒例のロビーコンサートです。新型コロナのため定期演奏会は中止され、ロビーコンサートも中止されましたので、昨年12月以来9ヶ月ぶりの開催です。
今シーズンの新潟定期演奏会は中止され、新潟特別演奏会として開催されることになりましたが、ロビーコンサートも今回から開催されることになり、何よりと思います。
今日のロビコンはハープの二重奏です。演奏は東響ハーピストの景山梨乃さんと賛助出演の津野田圭さんです。夜の演奏会の演目にハープが2台必用であり、そのため賛助出演のために招聘した津野田さんに、ロビーコンサートにも出演していただいたということなのでしょう。
今日は、厚い雲がたれ込め、小雨が降ったりしましたが、暑くもなく、過ごしやすい日曜日になりました。ゆっくりと昼食を摂り、りゅーとぴあへと向かいました。手を消毒し、体温チェックを受けて館内に入りますと、すでに開場されており、バルコニーに上がって開演を待ちました。
時間となり、黒いドレスの二人が登場。景山さんはグレーの東響マスクですが、賛助出演の津野田さんは、通常の不織布マスクを着けられていました。
挨拶なしに、すぐに演奏が開始されました。1曲目はフォーレの「ドリーの子守唄」です。聴き覚えのある優しいメロディがホワイエにこだまし、これぞハープというような、やさしい響きにうっとりとし、日曜の昼下がりにふさわしい穏やかな気分にしてくれました。
ここで二人によるトークがありました。お二人は小学生時代からの知り合いだそうであり、津野田さんは、景山さんの先輩に当たるそうです。パリの留学時代でも助けてもらったと景山さんが話されていました。
続いては、アンドレの「パルヴィス」です。かなり前衛的な曲で、私が勝手に抱いているハープのイメージを覆す曲であり、演奏でした。津野田さんは、調弦用のハンマーで弦をこすったり、胴体を叩いたりと、激しい演奏に圧倒されました。
最後は、ラヴェルの「クープランの墓」てす。本来6曲からなるピアノ曲ですが、オーケストラ版と同じ4曲が演奏されました。2台のハープが生み出す豊潤な調べが、ホワイエに響き渡り、うっとりと聴き入りました。
ハープだけの演奏を聴く機会は少なく、これまで山宮さんやメストレのリサイタルを聴いた程度です。ましてや2台のハープの二重奏を聴くことはこれまでにありませんでした。今回が初めてであり、今後このような機会はないかもしれません。そういう意味でも貴重なコンサートだったと思います。
演奏の素晴らしさは言うまでもなく、二人の美しさにも魅了されました。美しい人が演奏しますと、美しい音楽はよりいっそう美しく感じますね。
会場には、同級生2人をはじめ、知った顔が多数おられました。皆さんロビコンを楽しみにしていたんですね。少しずつ日常を取り戻しつつある事に感謝し、会場を後にしました。
(客席:バルコニー正面、無料) |