9月に続いての東響新潟定期です。通常は前日に東京でのコンサートをし、同じプログラムを新潟で演奏というパターンなのですが、今回は新潟独自のプログラムです。
昨日は Bunkamura オーチャードホールで全く別のコンサートをしていますので、練習はどうしたのか気になりましたが、本拠地のミューザ川崎で綿密なリハーサルをやっていたようです。その様子は東響の公式ツイッターで紹介されています。
今回の目玉は、東響が誇る管楽器奏者4人に上野耕平さんを加えて、管楽器がソロをとる曲が4曲演奏されることです。
作曲者はさまざま、管楽器の種類もさまざま、オケの編成もさまざまであり、チラシのキャッチコピー「管楽、百花繚乱」がすべてを表現しているように思います。
まさに東響定期でしか聴けない曲であり、おそらく今後聴く機会はないと思われます。そして指揮者は飯森さんですから、熱い演奏が約束され、期待は高まりました。
先週は台風19号のため、サントリーホールでの定期演奏会は中止されました。今週も低気圧による大雨が心配されましたが、天候も落ち着き新潟定期が無事開催できて幸いです。
さて、通常でしたら昼の「東響ロビーコンサート」を聴き、ゆったりとこの定期に臨むのですが、今日は長岡リリックホールでの「長岡市民合唱団第31回定期演奏会」を聴こうとホールまで行ったのですが、チケット完売で聴くことはできず、新潟にUターンすることになりました。開演ぎりぎりまで待ったのですが、席の空きが出ず、断念せざるを得ませんでした。私の見込み違いでした。反省です。
ということで、ゆっくりと新潟に帰り、家でひと休みしてからりゅーとぴあ入りしました。長岡遠征が空振りに終わり、気持ちは少々萎えてしまったのですが、東響定期に無理することなく、余裕を持って臨むことができると、ポジティブに考えることにしました。高速をとばさない済んで良かったのは確かですし。
いつものように、コンサートのチラシ集めをし、時間を見計らって入場しました。いつもより客の入りは良いようでした。若い人も多くて良かったです。
時間となり、いつものように拍手の中に団員が入場。最初は小編成のオケで、弦5部は 8-4-6-3-2です。コンマスはニキィティンさん、
次席は廣岡さんです。
1曲目は、フルートの相澤政宏さんをソリストに迎えて、シャミナードの「コンチェルティーノ」です。美しい極上の弦楽アンサンブルにのせて柔らかなフルートが心地良く響きました。
2曲目は、若干人数を増やした弦楽(10-8-6-4-3)とイングリッシュホルンの最上峰行さん、トランペットの澤田真人さんにより、コープランドの「静かな都市」です。どこか哀愁を帯びたイングリッシュホルンと繊細に響くトランペットが、都市の静けさを感じさせました。美しく心に染みる曲でした。
3曲目は2曲目と同じ弦5部にホルンが3人加わり、ソプラノサクソフォンの上野耕平さんを迎えて、ヴィラ=ロボスの「ファンタジア」です。これは小さな協奏曲であり、上野さんの魅力全開の聴き応えある演奏でした。これまでの静かな曲から一転して、燃えるような興奮を感じさせました。
4曲目は、小型のオケの編成で、クラリネットのエマニュエル・ヌヴーさんとともに、ドビュッシーの「第1狂詩曲」です。弦5部はこれまでと同様ですが、メンバーの入れ替わりがありました。管楽器には独奏者として一仕事終えたばかりの相澤さん、最上さん、澤田さんの姿もありました。コンクールの課題曲として作曲された曲だけあって、ヌヴーさんの超絶技巧が光る聴き映えする演奏でした。
演奏後のカーテンコールでは、ヌヴーさんのほか、上野さん、相澤さん、最上さん、澤田さんも呼び出されて、全員で拍手に応えていました。
休憩後はビゼーの「アルルの女 第1組曲、第2組曲」です。オケの編成は拡大され、通常の14型(14-12-10-8-6)となりました。飯森さんは対向配置が好きですが、今回はオーソドックスな配置でした。
あまりにも有名な名曲であり、定期演奏会のような場には逆にそぐわない感じもしますが、大いに楽しませていただきました。この曲も管楽器が大活躍であり、今日のコンサートのテーマである「管楽、百花繚乱」を見事に表現していました。
相澤さんのフルート、上野さんのサックスも大活躍であり、お馴染みの「メヌエット」での相澤さんの名人技で感動を誘い、最後の「ファランドール」で爆発してコンサートを〆ました。こういう曲は飯森さんの手にかかりますと生き生きしますね。
演奏としては面白かったですが、曲目としては細切れ過ぎて、イマイチ満腹という感じにはなりませんでした。重い曲ばかりでも疲れますから、たまにはこういう息抜きも良いですね。
(客席:2階C*-*、S席:定期会員) |