111 オープニングコンサート  水辺のピクニック 
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2016年4月28日(木) 19:30 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ハンガリー・ジュール・フィルハーモニー管弦楽団
カールマン・ベルケシュ(指揮)
ジョニー・ラス&ジャン・ブコー(鳥のさえずり) 
:
スメタナ:「モルダウ」

シベリウス:交響詩「トゥオネラの白鳥」

チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」
    情景、ワルツ、小さな白鳥の踊り、情景、ハンガリーの踊り
    スペインの踊り、ナポリの踊り、マズルカ

(アンコール)
J.シュトラウスII:ポルカ・シュネル「ハンガリー万歳」
 
 

 オープニングセレモニーが終わり、いよいよ本公演の始まりです。今日はこのオープニングコンサートのみです。今後の各公演には副題が付けられていますので、紹介していきたいと思います。

 ホールに入りますと、取り組みとして、パイプオルガンにプロジェクションマッピングが行われていました。今回のLFJのテーマである「ナチュール−自然と音楽」にちなんで、ポスターやパンフレットに描かれている森の風景が投影されていました。両脇に滝が流れ落ち、動物たちが行き来し、音響効果も伴って、自然の中にいるかのようでした。

 客席を見回しますと空席が目に付きました。オープニング公演ですので、満席の客席で盛り上げたかったですが、そうはいかないのが残念なところです。連休前の平日の夜、天候も不良ということもあるのでしょうね。

 時間となり、オケの団員が登場しました。すぐにチューニングが始まるかと思いましたが、何とNegiccoの3人が登場。アイドルのオーラを振りまいてくれました。かわいいですね。こういう事態を予想したわけではありませんでしたけれど、珍しく1階前方に席を取った甲斐がありました。盛り上げようと頑張っている3人に対して、客席の乗りはイマイチだったかもしれません。
 
 登場のタイミングのずれがあって、数秒の静寂の後、オープニングイベントで見事なパフォーマンスを披露してくれたジョニー・ラス&ジャン・ブコーの二人が客席から登場し、“鳥のさえずり”で楽しませてくれました。
 初めは“鳥のさえずり”が何のことか理解できませんでしたが、日本で言えば江戸家猫八さんみたいなもの。様々な鳥の鳴き声を手と口だけで表現し、そのパフォーマンスは芸術的にすら感じられました。

 ここで漸くチューニングが始まり、ベルケシュさんがゆっくり登場して演奏開始です。この瞬間が楽しみです。さて、今年のオーケストラはどうななんだろうかと・・。

 ハンガリー・ジュール・フィルは全く初めてであり、名前も今回初めて聞いたしだいです。エキストラなのかもしれませんが、日本人らしき人たちも混じっていました。

 演奏は、アンサンブルの緻密さは感じられませんが、手馴れたもので、まずまず楽しませてくれました。最初の「モルダウ」では、若干ばらけた印象があり、オケの実力に不安を感じないでもなかったです。

 2曲目の「トゥオネラの白鳥」は、イングリッシュホルン(日本人?)が協奏曲風に前方に出てきて演奏しましたが、その美しい調べと弦楽の美しさにうっとりしました。最初の不安は拭い去られ、なかなか良いオケかもと好印象を受けました。

 3曲目は「白鳥の湖」。8曲演奏されて、ボリュームがありました。演奏もメリハリがあってよかったです。オーボエの音色が変に感じた場面もありましたが、各楽器のソロも見事でした。

 拍手に応えて、アンコールは「ハンガリー万歳」。さすがにハンガリーのオケですね。

 予定公演時間は45分でしたが、1時間以上に及び、アンコールもあって、内容はたっぷりと充実していました。満足感を胸に外に出ましたが、冷たい雨は降り続き、足早に駐車場へと急ぎました。 

 
(客席:1階6-36、¥2000)