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      だいしホールからゆっくりと歩いて、再びりゅーとぴあに戻りました。外の風は冷たく、冷え切った体を熱いコーヒーで温め、開演を待ちました。 
 
     今日は昨日東京オペラシティで行われたプログラムと同一です。音楽監督のノットの指揮ということで期待が高まりましたが、客の入りとしましてはいつもと変わらずというところでしょうか。 
 
     ステージ上はすでに2曲目のバルトーク用の配置に席が並べてありました。時間となり、拍手とともに団員が入場しましたが、出てきたのはヴァイオリンの大谷さんのほか、チェロ、フルート、クラリネット、チェレスタ、ビブラフォン、ティンパニ、打楽器の8人です。 
     遅れてソロ・ヴィオラの武生さんとノットが登場して、フェルドマンの曲で開演となりました。緊張感を強いられる現代曲であり、東響定期でもなければ決して聴くことはない曲です。私のような凡人には理解しがたい曲であり、疲労感を感じましたが、ライブならではの心地良い疲労です。 
     副題に「6つの楽器のための」とありますが、ヴィオラ以外の奏者は8人。きっと打楽器はひとくくりにしてるんでしょうね。 
 
     続いてはバルトークです。この曲は2001年9月の第13回東響新潟定期で演奏されていますので、14年ぶりの新潟での再演となります。 
     ステージ中央に反射板がはずされたピアノが置かれ、その後方にハープとチェレスタ、その後方に打楽器群が配されています。弦楽器はピアノをはさんで左右対称に配されており、それぞれが弦5部からなっています。 
     バルトーク嫌いな私であり、この曲もよく理解できません。従いまして、演奏の良否などまったく判断もできませんが、すごい演奏なんだろうなあということはわかりました。東響は見事なアンサンブルで疾走し、迫力ある音楽を創り出していました。フィナーレの盛り上がりは良く、高揚感は感じました。内容はともあれ、音響的に楽しませていただきました。 
 
     休憩後はおなじみのドボ8でほっとしました。オケの配置は、ヴァイオリンが左右に別れ、コントラバスとチェロが左、ヴィオラが右という対向配置です。 
     演奏はばっちりと決まっていました。アンサンブルの狂いはなく、各楽器のソロも良かったです。ノットの指揮に応えて、抜群のアンサンブルで曲を盛り上げてくれました。 
     ただし、都会的な響きで、あくまでもシンフォニックであり、牧歌的な印象や、ボヘミヤやスラブの匂いはまったく感じさせませんでした。哀愁的な、美しいメロディラインが魅力である曲なのですが、私が思うようには歌わせてくれず、そっけなく感じてしまいました。 
     曲としての盛り上げ方は抜群であり、フィナーレの高揚感などはすばらしいものがありましたが、偏屈者の私は、いまひとつ曲を楽しむまでに至りませんでした。機械的であり、人間のぬくもりや、感情の起伏が感じられなかったように思います。 
 
     ホールは熱狂的拍手で盛り上がり、ブラボーの声も上がっていましたので、すばらしい演奏だったのだと思いますが、私の好みとは若干のずれがありました。あくまで私の好みの問題ですので、悪しからず。 
 
       
    (客席:2階C*−*、S席:定期会員 \6100)  |