東京交響楽団 第13回新潟定期演奏会
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2001年9月30日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:マルティン・ジークハルト
チェロ:クレメンス・ハーゲン
 

モーツァルト:交響曲第25番ト短調 K.183

シューマン:チェロ協奏曲イ短調 作品129 (チェロ:クレメンス・ハーゲン)

(アンコール) 
J.S.バッハ:無伴奏チェロソナタ第3番より サラバンド

(休憩20分)

バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽

(アンコール)
バルトーク:ルーマニア民族舞曲より 第1,2,5,6,7番

 

 
 

 9月も押し迫り、随分と肌寒くなりました。鉛色の雲が立ちこめていますが、どうにか雨は降らないでいてくれました。5月以来ですので、久し振りの定期演奏会です。

 4時40分過ぎに会場に赴くと、すでにポジティブオルガンによるウエイティングコンサートが始まっていました。今日の定期演奏会は、民族的現代手法の開拓者という副題が付けられています。バルトークのことを言うのでしょうが、実演ではめったに聴けない曲なので楽しみでした。

 会場はS席エリアは満席であるものの、ステージ脇、後方に空席が目立ちます。ステージ上を見ると、楽器の配置がいつもとは違います。コントラバスが左右に分かれて置かれているのです。
 楽員が入場して席に着きましたが、チェロとコントラバスはステージ左手に着席しました。通常と反対です。おそらく後半のバルトークとの関連でこうしたのかもしれません。今日のコンサートマスターは大谷康子さんではなくて、グレブ・ニキティンさん。

 ジークハルトが登壇し、モーツァルトで演奏開始。映画「アマデウス」でも使われてなじみの曲です。この指揮者は初めてですが、緊張感を保ちながら、軽妙・軽快に音楽が流れ、楽しむことができました。
 2曲目のシューマンは、あまり派手な曲でもなく、CDを持っていてもあまり聴くことがなかったのですが、独奏者の好演もあって、飽きることなく聴き通すことができました。3楽章を切れ目なく演奏するということに今さらながら気付きました。ハーゲンという人はよく知らないですが、エレガントな音色が気に入りました。ブラボーの声がかかり、アンコールに応えて、バッハを演奏し、前半は終了しました。

 後半は、バルトーク。食わず嫌いの作曲家で、こういう機会でもない限り自ら進んで聴くことは少ないです。オケは曲名の通り、弦楽と打楽器、ピアノ、チェレスタ、木琴、ハープだけです。弦楽は左右に2分されています。曲は好きなわけではないので、演奏の良否を述べるだけの思い入れはないですが、音を楽しむことはできました。アンコールは馴染みやすい舞曲ですので、楽しく聴くことができました。

 今回は、あまり派手な豪快な曲目ではなく、渋い、通好みの選曲のように思えます。私のように派手好きの素人にはもの足りなく感じましたが、たまにはこういう曲もいいと思います。定期演奏会ならではでしょうから。
 

(2階C*−*)