今日は久しぶりの好天気。雨模様の日々から開放されて、過ごしやすい天気となりました。いつもこんな陽気だと良いのですが・・。
新潟で最も活発な音楽活動をしているといっても過言でない笠原さんですが、今日は飯田さんとのデュオコンサートです。バロックに限らず、多彩な曲を演奏してくれるのが魅力であり、今回も期待を胸にスタジオAい向かいました。昼・夜の2回公演が行われますが、昼の公演に参加しました。
早目に会場入りし、正面に席を取りました。大小二つのチェンバロが並んでおり、お二人はチューニングに励んでおられました。湿度の違いからチューニングが大きく狂ったり、弦が切れたりなどがあって、調整に時間がかかり、開演時間が遅れてしまいました。その分、弦を張る様子やチューニングの様子を細かく観察することができ、お二人を身近に感じられて良かったです。
笠原さんはチラシの写真同様のダンディなお姿。飯田さんは写真のような和服ではなくて、普通のドレスでした。いつもながらチャーミングでいらっしゃいます。
笠原さんの解説を挟みながら、演奏が進められました。全体は4つに分けられ、それぞれのテーマに沿った演目が演奏されました。
最初はバロックということで、バッハの2台のチェンバロのための協奏曲です。オケパートもチェンバロで演奏するため、一人で1.5人分ずつ演奏するようなものと話されていましたが、いきなりの超絶的演奏に圧倒されました。私の席は正面のベストポジション。チェンバロの豊潤な響きを堪能しました。
続いてはクラシックということで、シュニトケ、フォーレ、ドビュッシーを素晴らしい編曲で、情感豊かに演奏し、胸に染み入るような感動をいただきました。
ここでは、チェンバロに手を加えて、響きを変えての演奏で楽しませてくれました。左の大きいチェンバロ(2段鍵盤)は各鍵盤当たり弦が3本、右の小さいチェンバロ(1段鍵盤)は弦が2本張られていますが、それぞれ弦をはじく木の棒(ジャック)を1個ずつ抜いて、各鍵盤当たり1本の弦が鳴らないようにして、共鳴するようにし、演奏効果を高めていました。音へのこだわりに感服しました。
後半最初は、アドヴェンチャーということで、笠原さんの真骨頂というべきポピュラー曲です。編曲も素晴らしく、バロック音楽の楽器というこれまでのチェンバロの概念を覆すような演奏に心は躍り、大いに楽しませていただきました。ミッション・インポッシブルとテイクファイブは同じ五拍子の曲ということを今さらながら知ることができたのも収穫でした。
最後は再びバロックに戻って、大バッハの長男、フリードリヒ・バッハの2台のチェンバロのための協奏曲です。なかなかの難曲と思いますが、二人の息もぴったりの、渾身の演奏を聴かせてくれました。
アンコールにディズニーのお馴染みのメロディーを演奏してお開きになりましたが、プログラムもよく工夫されており、内容も充実したコンサートでした。笠原さんの要領を得た解説も分かりやすく、チューニングの間も飽きさせませんでした。気軽に話しかけられるような、サロンコンサート的なアットホームな雰囲気も良かったです。
笠原さん単独でも十分楽しめますが、美しき飯田さんとのデュオで、チェンバロの魅力がさらに倍増し、チェンバロの素晴らしさを知らしめてくれたものと思います。今後の益々のご活躍を祈念したいと思います。
(客席:1列目正面、¥1000) |