小黒亜紀 インストアライブ
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2015年2月11日(水) 12:30  コンチェルト
 
ピアノ:小黒亜紀
朗読:小柳 実
  


ドビュッシー:月の光

スカルラッティ:ソナタK9.K35

銀河鉄道の夜より(朗読:小柳実、音楽:小黒亜紀)

ベートーヴェン:悲愴より第2,3楽章

リスト:リゴレットパラフレーズ

千の風になって(朗読:小柳実、音楽:小黒亜紀)

最後だとわかっていたなら(朗読・音楽:小黒亜紀)

(アンコール) 
ラフマニノフ:前奏曲23-5

(さらにアンコール)
ショパン:英雄ポロネーズ
 

 
 
 恒例になったコンチェルト・インストアライブです。毎回すばらしい演奏者が出演され、地元の音楽家と触れ合う貴重な機会ともなっています。

 今回は、新潟の若手ピアニストではNo.1の呼び声が高い小黒亜紀さんです。3月1日にリサイタルが予定されており、もちろん私もチケット購入済みです。そのリサイタルを待ちきれず、万難を排して駆けつけました。

 コンチェルトには、これまでプレイエル、スタインウェイのアップライトピアノでライブが行われてきましたが、今回は新しく入ったばかりの、べヒシュタインのホフマンPROというモデルで、日本にまだ3台しかないそうです。

 広くない空間ですので、店内は超満員でしたが、小黒さんの後方に席をとりました。開演に先立って、東京からわざわざ来られたベヒシュタイン輸入代理店の担当者から、ピアノについての説明があり、これが興味深い内容で、ためになりました。

 さて、いよいよ開演です。最初は、ドビュッシーの「月の光」。ドビュッシーはべヒシュタインを愛用したとのことで、リサイタルにないこの曲を演奏することにしたそうです。
 小黒さんにとってこの曲は今回が「初演」とのことでしたが、ゆっくりと情感を込めた演奏に引き込まれました。このピアノの響きの繊細さと輝きをうまく引き出してくれて、夢幻の世界へといざなってくれました。

 続いてのスカルラッティも軽快に音楽が流れ、瞬く間にこのピアノを自分のものにしたことが伝わってきました。心地良い演奏にうっとり。

 次は元BSNアナウンサーの小柳さんの朗読です。小黒さんが曲をつけて演奏するというもので、曲も演奏もすばらしく、小柳さんの語りを引き立てていました。

 つづくベートーベン、リストは小黒ワールド全開でした。アップライトピアノとは思えない迫力に息をのみ、かわいらしい容姿とは裏腹の情熱溢れる演奏にノックアウトされました。

 そして再び小柳さんの朗読があり、圧巻は小黒さんの朗読です。ピアノを弾きながら歌うのではなく、朗読するというのは非常に難しいそうですが、心打つ見事な朗読に感動しました。
 語った詩そのものが感動的なのですが、小黒さんの声、語り、音楽、それらが一体となり、心に響くものとなりました。小黒さんの曲もすばらしく、奏者としてのみならず、作曲者としての非凡なる才能を知らしめてくれました。

 アンコールのラフマニノフも迫力あるものでした。これで終演となったのですが、その後英雄ポロネーズを演奏したそうです。これがまたすごい演奏だったそうですが、私は次の予定があり店を早く出て、聴くことができませんでした。残念でしたが、3月1日に期待しましょう。

 可憐な、可愛らしさ溢れる容姿とは裏腹の情熱溢れる力強演奏が小黒さんの魅力です。地元にこのようなピアニストがいるなんて、凄いことであり、新潟の宝と言えましょう。今後の活躍がますます期待されます。


   
(客席:小黒さんの後方、カンパ)