ウィーン・カンマー・オーケストラ
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2014年6月7日(土) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:シュテファン・ヴラダー
ピアノ:牛田智大
 



モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.136

ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21

(ソリストアンコール) プーランク:エディットピアフを讃えて

(休憩20分)

モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 「ジュピター」 K.551

(アンコール)モーツァルト:カッサシオン K.63 より アンダンテ
 
 
 雑務を終え、最近はまっている下古町の「楼蘭」の冷やし中華を食べ、コンチェルトさんにちょっと顔を出し、コンサートへ向かいました。ここの冷やし中華は細めんで絶品。甘めのスープと良く合っています。かつては西区の「ラーメン・きん亭」の冷やし中華がベストと思っていたのですが、今は食べることができなくなりました。

 話はずれましたが、梅雨のどんよりとした空の下、ホールに到着。開場待ちの列ができていましたが、実際入場しますと、S席エリアと最安席はそれなりに埋まっていましたが、空席が多く、ちょっと寂しさを感じました。私の席は3階正面のA席。周りに誰もおらず、ゆったり気分で鑑賞できました。

 拍手の中団員が入場。全員揃うまで起立して待っていました。最初は弦楽だけでモーツァルトのディヴェルティメントです。編成は6-5-4-3-2.。指揮台はありません。まずは音の柔らかさに感激しました。小編成ではありますが、低音が良く響き、ホールの豊かな残響と相まって、極上のサウンドを聴かせてくれました。
 音に輝きがあり、透明感ある上品な響きはウィーンの香りを感じさせます。具体的にウィーンの香りって何だと聞かれても困りますが、極上のモーツァルトを堪能しました。

 続いて、牛田さんを迎えてのショパンの協奏曲。管と打楽器が加わって、編成が大きくなりました。牛田さんは2013年2月に新潟でリサイタルを開催していますが、一回り大きくなって帰ってきてくれました。
 容姿そのままに、ソフトで繊細な演奏。小編成のオケと良く合っていました。力むことなく、しなやかに、ウィーンのつわものたちと堂々と伍して、美しい音楽を創り出していました。
 第2楽章は流麗に歌わせ、心に染みる泣かせるピアノを聴かせ、終楽章はギアチェンジして盛り上げてくれました。小さくまとまった感はありますが、ロマンチックな美しいショパンの世界を楽しめました。オケは若き才能に寄り添い、温かくサポートしてくれました。
 アンコールは前回のリサイタルでも聴かせてくれたプーランクの「エディットピアフを讃えて」。牛田さんといえばこれという曲ですが、柔らかく情感豊かに、美しいピアノの音に酔いしれて終演となりました。ステージマナーも好印象。まだ中学生なわけですが、これからどのように成長していくのか楽しみです。

 休憩後はメインの「ジュピター」です。弦が20人、管が9人、ティンパニ1人で総勢30人の小編成。弦がもう2〜3人ずつ多かったらなあ、という感じもありましたが。小編成が功を奏して、軽快で、小気味良い演奏に仕上がっていました。
 前半感動させたビロードのように美しい弦はそのままに、力強さを増し、管楽器も美しく、小型のティンパニも良い味付けをしていました。美しさだけでなく、躍動感があり、少数精鋭の弦はパワー全開でフィナーレへと突進しました。

 アンコールは弦楽だけでモーツァルトをもう1曲。美しいアンサンブルで最後を〆てくれて、良いデザートをいただいたというような満足感を感じました。

 全員で礼をして終演となりました。小編成ならではのオケの素晴らしさ、そして、成長した姿を見せてくれた牛田さん。それを支えた指揮のヴラダーさん。梅雨空を蹴散らすような爽やかさが満ち溢れ、曇った心も晴れ渡ったように感じました。

   
   
(座席:3階 I 5−8、A席:会員割引、6120円)