東京交響楽団第83回新潟定期演奏会
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2014年5月25日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:ユベール・スダーン
バリトン:フランコ・ポンポーニ、テノール:与儀 巧
合唱:にいがた東響コーラス、新潟市ジュニア合唱団
コンサートマスター:グレブ・ニキティン
 


ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」

ペンデレツキ:3つの中国の歌 (日本初演)

(休憩20分)

ベルリオーズ:テ・デウム
 
 
 2014年度最初の東響新潟定期です。今回は昨夜のサントリー定期と同じプログラムで、前音楽監督のスダーンの指揮で、ベルリオーズのテ・デウムが演奏されるのが注目されます。
 なお、出演予定でチラシに大きな写真が載っているバリトンのマルクス・ウェルバは、健康上の理由から出演不可能となったとのことで、ペンデレツキの:「中国の最後の3つの歌」はバリトンのフランコ・ポンポーニ、ベルリオーズ:の「テ・デウム」はテノールの与儀巧さんに変更になりました。

 拍手の中団員が入場。今日のコンマスはニキティンさん。次席は廣岡さんです。スダーンさんが登場して最初は「ローマの謝肉祭」です。最初の音を聴いて、「きれいだなあ・・」というのが第一印象。音に透明感があり、濁りがありません。いつもの東響以上に素晴らしいアンサンブルです。さすがにスダーンさんのときの東響は違いますね。イングリッシュホルンの独奏も良かったです。最初からブラボーを叫びたくなるような演奏でした。

 続いて、編成が小さくなり、ポンポーニさんが登場して「3つの中国の歌」です。日本初演とのことですが、昨夜のサントリー定期で演奏されていますから、残念ながら新潟は初演ではありません。漢詩を題材にした曲ですが、中国風というより日本風の響きもあって面白かったです。バリトン独唱は、初めはオケに埋もれてどうかなと思ったのですが、次第にエンジンがかかって、うまく聴かせてくれて良かったです。

 後半は「テ・デウム」です。オケの後方に児童合唱。P席とサイド席に合唱団が配され、大編成のステージを見るだけで心が高鳴ります。オーボエではなく、オルガンの音でチューニングされました。
 演奏は想像通りに迫力があり、聴き応えがありました。我らが新潟市ジュニア合唱団も、にいがた東響コーラスも良い歌声だったと思います。合唱団は左右でステレオ効果を生んで聴き映えしていました。パイプオルガンも大活躍。テノールの与儀さんの独唱も素晴らしく、前半のポンポーニさんより良い歌声だったように思います。
 こんな曲は東響定期でなければ聴くことはできません。今後生で聴く機会はない可能性が大きく、そんな感慨を胸にしながら聴いていましたので、感動もひとしおでした。
 
 当然ブラボーの声が上がり、ホールは感動に包まれました。カーテンコールでは独唱者と合唱指揮の二人が何度もステージに呼び出されていましたが、大活躍したオルガン奏者を讃えなかったのが不思議でした。オルガン奏者の名前は、プログラムにもクレジットされていませんでしたし、どうしたんでしょうね。

 ともあれ、今年のベストコンサート候補になること間違いなしの、感動的なステージでした。前音楽監督・スダーンと東響との集大成ともいうべき演奏だったと思います。

 今日が2014年度最初の定期となりましたが、最初から良い演奏を聴くことができて良かったです。コーヒーがいつの間にか300円に値上げになっていたのは残念でしたけれど・・・。
 
   
   
(客席:2階C*−*、S席:定期会員 \5500)