雪が降ったりして、一気に冬に突入した今週でしたが、週末は天候が回復して過ごしやすくなり何よりでした。今日は先月に引き続いての東響新潟定期で、大友さんの指揮でのオールブラームス・プログラムです。
共演はアンドレ・ワッツのはずでしたが、手首の怪我のため、急遽クン=ウー・パイク(白建宇)に変更されました。私はクン=ウー・パイクについてよく知らなかったのですが、相当な実力者であり、歓迎する声が大きいようです。
昨夜は不眠で、体調不良。ボーッとした頭でコンサートに臨みました。客の入りはいつもの定期よりかなり良いようでした。やはりブラームスは人気なのでしょうか。
拍手の中、ステージ後方に合唱団が入場し、その後東響メンバーが入場。最後に、新潟で絶大な人気を誇る大谷さんが登場して、一段と大きな拍手が贈られました。
前半は、ブラームスの合唱曲が2曲演奏されました。どちらも初めて聴く曲でしたが、ソフトなオケのアンサンブルに支えられて、合唱団が頑張っていたと思います。うっとりと聴き入りました。
後半はピアノ協奏曲第2番です。この曲は、新潟で演奏される機会はなく、10年前の第21回東響新潟定期で、スダーン/オピッツの演奏以来となります。
冒頭のホルンがきれいに決まり、その後のフルートもきれいで、名演が約束されたように感じました。ピアノは、力強く、芯があり、強奏部でも音が濁らず、きらめきも感じました。質実剛健、まさにブラームスというような演奏でした。
ピアノが頑張りすぎて、オケの陰が薄くなったようにも感じましたが、オケも頑張っていたと思います。第3楽章の西谷さんのチェロ独奏はお見事でした。弦のアンサンブルもきれいで、マントヴァーニのカスケードサウンドを髣髴されるような豊潤なサウンドでした。管の皆さんも良かったと思います。
クン=ウー・パイク氏の演奏は初めて聴きましたが、期待にたがわぬ演奏で良かったと思います。ワッツの代役としては十分すぎる演奏であり、すばらしいピアニストであることが伝わってきました。
と、最近でたグリモー/ネルソンスのCDを聴きながらこの記事を書いています。演奏の質はこのCDの方が勝りますが、実演ならではの一期一会の感激は、CDでは得られません。
(客席:2階C5−**、S席:定期会員:¥5500) |