今週の新潟は雨が降り続き、心も晴れません。今日は大雨警報まで出る始末。被害がないだけありがたいと思うしかありません。
今日は第四銀行主催の「だいしライフアップコンサート」。毎回外れがないので、今回も楽しみにしていました。今日は昼まで仕事でしたが、早めに切り上げて、大急ぎで「だいしホール」へと向かいました。2時開演だと間に合わないのですが、3時開演でありがたかったです。
ベン・キムは、ミュンヘン国際音楽コンクールに優勝して注目を集めているピアニストですから、満員御礼かと想像していたのですが、新潟での知名度は低いらしく、若干空席も目立ちました。
イケメンのキムさんが登場して開演です。各曲ともに、緩急自在、強弱のレンジが広く、ダイナミックな演奏です。早めのテンポでグイグイ飛ばし、小気味良い演奏です。
外見上は今時の小柄な草食系好青年という感じですが、ホール内が無音になるまで、じっと精神集中し、その後に繰り出される音楽は、繊細さと強靭さを併せ持ち、外見に似合わず豪快です。力強さだけでなく、感性の鋭さが感じられ、聴く者の心に突き刺さってくるようでした。
ベーゼンドルファーの響きがいつもよりたっぷりと、豊潤に感じましたが、私の気のせいでしょうか。強奏部でも音は濁らず、ホールいっぱいに響き渡ります。時おり稲妻の閃光のように輝き、天に突き抜けるような高音にハッとさせられました。
どの曲もベン・キムの味付けがなされ、自分の世界を作り上げているように感じました。最後の英雄ポロネーズは大爆発。これでもかというような演奏にノックアウトされました。
豪快に、スポーツカーで駆け抜けるような演奏は、好みが分かれるかもしれませんが、これだけ気持ち良い演奏を聴ければ何の文句もありません。鬱陶しい梅雨の雨雲を蹴散らしてくれるような演奏に、気分も晴れ晴れとなりました。
調べてみたら、2009年のチェコ国立ブルノ・フィルの日本ツアーにソリストとして参加し、新潟でもラフマニノフの2番を演奏していたんですね。どんな演奏だったのか、今さらながら興味深く感じました。
まだ30歳という若さ。今後の活躍に注目したいと思います。
(客席:H−7、¥2000) |