茂木大輔のオーケストラ・コンサートNo.8 チャイコフスキー交響曲第4番徹底解説!
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2013年1月19日(土) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮・解説:茂木大輔
オーケストラ:もぎオケ交響団
コンサートマスター:永峰高志
弦楽四重奏:クァルテット・ソレイユ
 

第1部:楽曲徹底解説!

弦楽四重奏曲第1番 ニ長調 作品11より 「アンダンテ・カンタービレ」

第1楽章解説
  参考演奏 「白鳥の湖」より 情景
        ビゼー:「カルメン」より 「アラゴネーズ」
       「白鳥の湖」より ワルツ  ほか
第2楽章解説
  参考演奏 交響曲第2番ハ短調作品17 「小ロシア」第1楽章 ほか

第3楽章解説
  参考演奏 ヨハン・シュトラウスII/ヨーゼフ・シュトラウス:
         ピチカート・ポルカ ほか

第4楽章解説
  参考演奏 交響曲第5番より  ほか

(休憩15分)

第2部:全曲演奏

チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調作品36

(アンコール)
交響曲第5番第3楽章


 
 
 

 2004年に始まった茂木さんの「徹底解説」シリーズも今回が8回目となりました。前回の第7回はチケットを買っていながら仕事で行けませんでしたので、今回は楽しみにしていました。

 今日の土曜日は仕事だったのですが、開演までのわずかな時間を利用して、本日開催の新潟ジャズストリートを少しだけ覗き、このコンサートに臨みました。
 隣の音楽文化会館から駆け足で入場。レセさんに急ぐように促されて着席しました。もともと3階席は売り出されていないのですが、かなりの空席。ちょっと寂しさを感じました。1月の厳寒期という時期的問題も大きいのではないでしょうか。

 もぎオケの皆さんと茂木さんが入場。最初はオケではなくて、弦楽四重奏で開演しました。ステージ左手で、クァルテット・ソレイユの美しき4人により「アンダンテ・カンタービレ」が演奏されました。ホールの響きの良さもあって、美しく、うっとりするような演奏でした。

 その後は楽章順に、部分的な演奏をはさみながら、茂木さんの解説が行われました。執拗に一貫して繰り返される下降音型、運命の動機、ワルツの複雑さ、引用されたロシア民謡の意味など、興味深い話がいっぱいでした。間にサービス的に演奏された他の楽曲演奏も楽しめました。

 休憩後は全曲演奏。解説やメンバー紹介をスクリーンに投影しながらの演奏で、何気なく聴いていた曲が深く理解できましたし、演奏も楽しめました。

 オケは、弦5部が10-8-6-6-4と小さ目の編成ですが、弦・管・打の各セクションのトップには在京オケの首席奏者を揃え、演奏の質の高さには驚かされました。音はクリアで、輝きがあり、アンサンブルも最高です。特に管は良かったです。臨時編成の寄せ集め的オケではありますが、実力は常設のオケ以上に感じました。

 茂木さんが作り出す生き生きとした、生命感あふれる元気な演奏により、気分も爽やかでした。最後の盛り上げ方も良かったです。ムラビンスキー/レニングラードpoのCDを聴きながらこの文章を打っていますが、盛り上がりはこれに負けませんでした。

 アンコールに5番の第3楽章を演奏して終演となりましたが、毎度ながら、茂木さんの細かな解説に感激です。配布されたプログラムも内容豊富で、資料的な価値があります。

 こんなに素晴らしいコンサートを聴かないのは損です。料金も高くないですし、もっとたくさんの人に聴きに来て欲しいものです。
 次回は6月30日に、ベートーヴェンの第九の解説が予定されています。これも楽しみですね。
 

(客席:2階C2−9、S席:会員割引:3600円)