ラ・フォル・ジュルネ新潟2012
314 小山実稚恵、ムジカ・ヴィーヴァ、アレクサンドル・ルーディン
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2012年4月29日(日) 15:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ピアノ:小山実稚恵
指揮:アレクサンドル・ルーディン
管弦楽:ムジカ・ヴィーヴァ
 


チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」より 序曲、花のワルツ

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18

(ソリストアンコール)
 ラフマニノフ:前奏曲 op.32-5
 
 
 
 ビジャーク姉妹のサインをいただいて、コンサートホールへと急ぎました。いよいよ最後の公演となりました。これで終わりかと思うと疲れも吹き飛びます。
 満員の客席は壮観であり、見るだけで精神が高揚してきます。今回の客席は1階2列目の左端という視覚的にも音響的にも問題ある場所になってしまいました。でも、後で書きますが、これは思わぬ利点ともなりました。

 拍手の中、楽員が入場。オケの編成はこれまで通りの8型。昨夜の「悲愴」ではコンバス4本でしたが、いつものように3本です。

 最初は「くるみ割り人形」。指揮棒を持たないルーディンさんのキビキビした指揮に応えて、ダイナミックで美しい音楽が作り出されました。「花のワルツ」を聴くのは交流ステージを含めて何度目かになり、耳タコ状態ですが、感動をいただきました。
 座席の不満を書きましたが、低音部に近いので、編成は小さいものの、厚いサウンドに感じられて良かったです。正面で聴くのも良いですが、こんな場所も良さがあるものですね。

 そして、小山さんが登場して、いよいよラストのラフマニノフです。青緑色のドレスにロングヘアーの小山さんは存在感があります。登場しただけでステージが華やぎます。
 ここでまた、座席のメリットがありました。ピアノを弾く小山さんと、ピアノ越しに向かい合うのです。演奏しているときの小山さんの表情が良く分かりました。

 演奏はさすがというべきもの。小山さんのダイナミックかつ繊細なピアノの音。いかにもラフマニノフというゴージャスなオーケストラサウンドが、小さな編成のオケから作り出されていました。

 さすがにロシアのオケにとってはお国もの。ムジカ・ヴィーヴァはこれで8公演目、指揮者のルーディンに至っては、これが10公演目となりますが、疲れを微塵も感じさせず、豪快な演奏を聴かせてくれました。

 第2楽章のメランコリックな調べに癒され、感動の第3楽章へ。クライマックスに向かって心は高鳴りました。フィナーレで一段と高く上げられた小山さんの手。興奮は抑えきれず、目に涙が浮かんできました。

 アンコールは、しっとりとラフマニノフの前奏曲を演奏。先ほどのダイナミックな演奏とは裏腹の繊細なピアノの音に心が洗われました。オケのメンバーからもブラボーの声が聞かれました。

 音楽ってすばらしいなあ・・。最後を飾るにふさわしい、いや、最後だからこその名演奏だったと思います。こんな感動は何回もありません。

 興奮渦巻く満席のホール。昨年のLFJ新潟の、写真を見るたびに感動がよみがえる伝説の最終公演を思い起こしました。

 来年も開催されると信じていますが、今から待ちきれません。興奮鎮まらず、頭の中でラフマニノフが渦巻いています。
 
 
(客席:1階2-48、¥2000)