新潟大学管弦楽団第33回サマーコンサート
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2012年6月30日(土) 18:30  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:河地良智
 



ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」序曲

メンデルスゾーン:劇音楽「夏の夜の夢」より 
            序曲、スケルツォ、間奏曲、夜想曲、結婚行進曲

(休憩15分)

ドヴォルジャーク:交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」

(アンコール)
ドヴォルジャーク:スラブ舞曲第1番
 
 

 毎年団員が入れ替わるのが宿命の学生オーケストラ。今年のオケのできばえを確認するのがサマーコンサートの楽しみです。

 今日はいろいろ公演があり、劇場で公演された「TAO」も魅力だったのですが、やはりオケラを選んでしまいました。6時の開場時間にホールに行くと、長い行列がホールの外までできていました。行列に並んで入場し、たまたま空いていたCブロックの席を確保することができました。客の入りは東響定期くらいでしょうか。

 拍手の中団員が入場。最初は「泥棒かささぎ」。最初からオケの良い音に感激しました。音の厚みが十分にあり、オケのサウンドとしては上々です。演奏も良くて、楽しめましたが、もうちょっと軽やかに演奏した方が良かったように感じましたが、ロッシーニ・クレシェンドを楽しめ、迫力ある演奏を聴かせてくれました。

 オケは一旦全員退場し、一部メンバーを替えて、再入場。続いては「夏の夜の夢」ですが、結婚行進曲以外聴く機会がなく、好きでもないので、ちょっと退屈したのが正直なところ。曲として繰り返しが多く、冗長に感じます。
 それでもオケの演奏は良かったです。弦楽のトレモロなど最高ですね。夜想曲での長い独奏がバッチリ決まればもっと良かったのですが、これはプロでも難しそうであり、仕方ない所でしょう。この曲もサウンドとしては良かったですが、もっと緩急・強弱の柔軟さがあればもっと良かったと思います。

 休憩後は「新世界」。若さ溢れる元気な演奏でした。迫力いっぱいのオーケストラサウンドを作り出し、聴く喜び、演奏する喜びを感じられたのではないでしょうか。あまりにも有名な曲ですので、逆に粗が目立ちやすいのですが、まずまず良かったと思います。
 ただ、前半同様に、硬さが感じられ、強奏場面での迫力は十分ですが、一本調子とも感じられ、細かな情感の表現はもう一歩かも知れません。でも、十二分に楽しめた素晴らしい演奏だったと思います。

 アンコールにスラブ舞曲を演奏して終演となりましたが、今年のオケも高水準を維持しているようです。特に弦はすばらしいですね。各パートとも厚みがあって、きれいなアンサンブルでした。最後にコンミスが3方向に礼をしたのは良かったですね。好感度満点でした。
 団員が入れ替わって、ここまでもってくるのが大変だったということを河地さんが話されていましたが、猛練習の賜物と思います。いろいろ難点も書きましたが、プロと比べてのこと。アマチュアとしては十分な演奏です。次回の定期も楽しみにしています。
 

(客席:2階C4−10、全席自由¥700)