今週は、桜が開花したと思ったら満開となり、すっかり春爛漫です。LFJ新潟もいよいよ開幕です。今日はプレ公演が開催されました。前売りチケットは完売。新潟の皆さんの期待の高さがうかがえます。
今日は朝から曇り模様で、強風が吹き荒れていましたが、何とか雨が降らずに済んでありがたかったです。白山公園周辺は、満開の桜の下で花見客で賑わい、陸上競技場では「なでしこリーグ」の試合が行われていました。駐車場は混み合っていましたが、何とか市役所の駐車場にとめることができました。
1時前にりゅーとぴあ入りしたのですが、すでに開場待ちの列ができていました。私も列に並んで、2階正面に席を取りました。チケット完売ということで、次第に客席は埋まり、大盛況となりました。3歳以上入場可ということで、幼児も多数おられました。
拍手の中楽員が入場。その後、主催者代表ということで、新潟市長の挨拶がありました。そして、お馴染みの松沼さんが登場して、「祝典序曲」で開演となりました。
これは、潟響としても渾身の演奏じゃなかったでしょうか。音楽祭のオープニングを飾るにふさわしい演奏で、日頃クラシックを聴くことのない人にも、オーケストラの醍醐味を味わっていただけたのではないでしょうか。
演奏途中にP席に金管のバンダが登場して、スポットライトを浴びながら、迫力あるファンファーレを演奏するという演出は、祝祭気分を盛り上げて良かったと思います。
この勢いでラフマニノフに突入といきたかったのですが、ちょっと不完全燃焼というところでしょうか。新潟市南区(旧白根市)出身の小杉さんの独奏でしたが、この曲を弾くのは今回が初めてとのことであり、3ヶ月前から取り組んだばかりということで、完成度としては十分でなかったものと思います。
ゆっくり目のテンポで、ピアノが弾きやすいように配慮していたようですが、弾ききれなかった場面が垣間見えました。あら捜しするのではなく、地元の演奏家が、地元のオケと難曲を演奏したということに大きな意義があるものと思います。
この曲に限っては、潟響の管のほころびも感じられ、ちょっと冗長に感じられました。最後は厚い音響でまとめて形を取り繕いましたが、ロシアの感傷、ノスタルジーを感じるまでには至らなかったように思います。
アンコールは心に染みる良い演奏でした。鍵盤にうつ伏せるような小杉さんの演奏そのままに、情感豊かな演奏だったと思います。
この小杉さんはCDを出されており、ホワイエでも販売されていました。熱烈なファンも多いようで、これからの益々のご活躍を祈念したいと思います。
休憩後に、小杉さんと松沼さんのトークがありましたが、松沼さんの魅力全開。ユーモア溢れる松沼さんの話は面白くて良かったです。本当に素晴らしい指揮者だと思います。
そして最後は「くるみ割り人形」です。潟響は素晴らしい演奏を聴かせてくれました。ラフマニノフではあれっと感じさせた管の皆さんも完璧。弦も美しかったです。ハープもチェレスタも良かったです。
アンコールに再び「くるみ割り人形」の中から「トレパーク」を演奏しましたが、組曲中での演奏と違って、アクセル全開の演奏で、盛り上げてくれました。
ラフマニノフは燃え切れませんでしたが、「祝典序曲」と「くるみ割り人形」は良かったです。満席の客席は聴く方も高揚感を感じます。LFJのスタートを飾るにふさわしく、潟響の実力を示してくれたものと思います。
潟響は松沼さんを迎えて5年になり、目に見えてレベルアップしています。6月の定期演奏会ではチャイコフスキーの「悲愴」が演奏されますが期待できそうです。
外に出ると、今にも雨が降り出しそうでした。桜の下では、花見客の宴会が続いていました。春っていいですねえ・・。
(客席:2階C2-9、¥1000) |