山本真希オルガンリサイタルシリーズ
グレンツィングオルガンの魅力 No.13 「J.S.バッハとスペイン音楽」
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2012年2月25日(土) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
オルガン:山本真希
 
セバスチャン・アギュイレーラ・デ・エレディア
  エンサラーダ
  第4旋法による過ったティエント

フランシスコ・コレア・デ・アラウホ
  第2旋法による高音部のティエント 第50番

パブロ・ブルーナ
  第6旋法によるティエント ”ウト・レ・ミ・ファ・ソル・ラ”
  第1旋法による高音部のティエント

作曲者不詳
  有名なバッターリャ

(休憩20分)

ヨハン・セバスチャン・バッハ
  シュープラー・コラールより
     目覚めよと呼ぶ声がして BWV645
     ただ愛する神の摂理にまかす者 BWV647
  前奏曲とフーガ ト長調 BWV541

ヨハン・セバスチャン・バッハ/馬場法子
  クリスマスの歌”高き天より我は来たり”によるカノン風変奏曲BWV769と4つの間奏曲
     J.S.バッハ:第1変奏 ソプラノとバスのコクターヴのカノン
     馬場法子:間奏曲I:ノック・アンド・リング
     J.S.バッハ:第2変奏 ソプラノとアルトの5度のカノン
     馬場法子:間奏曲II:上へ上へ
     J.S.バッハ:第3変奏 バスとテノールの7度のカノン
     馬場法子:間奏曲III:バロッコ
     J.S.バッハ:第4変奏 ソプラノと拡大形のバスのオクターヴのカノン
     馬場法子:間奏曲IV:テルツ
     J.S.バッハ:第5変奏 6度、3度、2度、9度の転回カノン

(アンコール)
  J.S.バッハ:我ら悩みの極みにありて
 
 
 

 大雪やら体調不良やら、いろいろとありまして、3週間ぶりのコンサートとなります。山本さんファンではありますが、今年のニューイヤー・オルガンコンサートは仕事で行けませんでしたから、これは行かねばと楽しみにしていました。

 今日は仕事が忙しかったですが、無事行くことができました。チラシ集めをしてから入場すると、山本さんのCDが販売されていましたので、早速購入しました。発売記念ということで、2500円のCDが2000円に割引されていました。休憩時間にCDの宣伝がありましたが、オルガンの響きを最良にするため、客席を300席もとりはらったり、500席に細工をしたりと苦労しての録音だったそうで、音響的にも期待できます。

 ホールに入ると、いつもより客の入りは良いようです。Cブロックなどはほとんど埋まっています。私はいつもの3階に席を取りました。今日はライブ録音するとのことで、ステージ上に黒い物体(マイク?)が置かれていました。

 前半はスペイン音楽ということで、かなり賑やかな、音色的にも華やかな演奏でした。日頃聴くことのないような音色や、奥行き間、立体感が感じられて楽しかったです。水平トランペットが効果的であり、グレンツィング・オルガンの実力を余すことなく発揮という印象を受けました。

 後半はバッハでしたが、前半とは大違いの落ち着いた音色で、ホッとしたという印象で、癒しを感じることができました。

 そして今日のメインは、新潟市出身で、国際的に活躍されている新進気鋭の作曲家・馬場法子さんの作品です。バッハの変奏曲と自作の間奏曲を交互に演奏するというものです。
 オルガンを生物としてとらえ、オルガンの息の音、送風の音に焦点を当て、オルガンのメカニックな部分から発する様々な雑音も音楽として用いたという最初の間奏曲にはビックリしました。オルガンが壊れてしまったかと思うほど。(以前、本当に壊れた演奏会に遭遇したことがありましたが)
 その後の間奏曲は、前のバッハの変奏曲の最後の音を引き継ぎ、シームレスに演奏され、幾分聴きやすかったです。現代音楽に疎い私は、理解力が足りず、正直言って、バッハの変奏曲になるとホッとしたりしてました。
 カーテンコールでは作曲者の馬場さんも客席からオルガンへ駆け足で行き、挨拶していました。新潟からこういう芸術家が輩出されるのは喜ばしいですね。

 山本さんのリサイタルシリーズも13回目となり、こういう委嘱作品の演奏もするというのは素晴らしいことと思います。CDも出され、今後の益々の活躍が期待されます。
 

(客席:3階J2-15、自由席:会員割引:1800円)